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きみが書いたものを読みたい人がいるんじゃないかなと言われた途方に暮れた40歳男の話
テンポの速いジャズが、大きな音で流れていた。都市の隙間にある老舗喫茶店。わたしは、少し小さめのカップに入れられた珈琲を啜りながら、思いもよらないお誘いを受けた。
堀さんも、今度は「書く側」に回ってみてもいんじゃないかな?
こんなお話をくださったのは、わたしが尊敬する編集者の先輩(「若い友人」という言い方をする人なので、自分も「お年を召した友人」と言うのが正しいのかもしれないが、ここはやはり「先
いつまでもNEVERLANDにいられない。オレは、現実を生きる。
こうして、相川七瀬と同じ道を選んだわたしは、現実主義の中二病という錯綜した物語から抜け出し、40歳にしてめでたく高二病に転職した。姓名判断で「大器晩成」と書いてあったら、遅い歩みでも問題ないのだ。さあ、逃げて引きこもるくらいなら、外に出て戦おうぞ。そう、退屈と。
現実は、退屈である。この退屈に滋味を感じられるようになったら大人さと、出張の合間にラーメンを食べては、Twitterに投稿する毎日よ�
他人の価値観で生きていく - 市長選挙に負けた自分の未熟さ
6月になった。そのことを「休業を延長します」という飲食店の方々のSNSで知った。こんな寂しい初夏のはじまりは、今まであっただろうか。
緊急事態宣言下の北海道。それでも、外にはおだやか風が吹いている。窓を開ければ、ステイホームの自室に爽やかな世界が微かに香る。庭を眺めると、いつのまにか盛大に育った草花がゆらゆらしている。なんだか君たち、楽しそうだね。
札幌に行くのは、自分の使っていない部屋を貸し
死なないように生きる - 臆病でも弱くても優柔不断でも前に進んでいくために
まもなく40歳という人生の折り返し地点を迎えるわたしですが、なかなか順風満帆に生きてこれずに、おかげさまで「コスい生き方」が染み付いてしまいました。われながら残念に思うのですが、最近の行動原理は「どちらかに迷ったときは、退屈な方を選ぶ」という極めて地味なものです。
自分は、逃げるのは役に立つからと割り切れるほど気高い人間でもないし、だからと言って、佐賀藩のお侍さんのように「早く死ぬ方を選ぶ」のも
わたしたちは、なぜ「会う」のか|コロナ時代にあえて場をつくる①
わたしたちは、なぜ「人に会う」のでしょうか。
感染症災害の蔓延によって、くしくも、オンラインの価値が見いだされました。地方の格差だったイベントなど人や情報と出会う機会が、オンラインイベントなどによって平等化される。遠方との取引や事情を抱えていることなどによる仕事の困難が、オンライン会議などによって解消される。わたしたちの暮らしは、デジタル技術によってデラックスになりつつあります。
その輝きをよ
やさしさを持って生まれた人たちは、どうかそのやさしさを憎まないでほしい
いま、強い危機感を持って、わたしは筆を取っている(厳密に言うと、筆は取っていない)
なぜなら、わたしのやさしい友人が、より正確に言うと、少なくともやさしくあろうとしていた友人が、「やさしさなんかじゃ生きていけねえ」と言ったように、自分には聞こえたからだ。
これは、由々しき事態である。そりゃ、やさしさだけじゃ、生きていけないさ。やさしかろうが、賢かろうが、しぶとくないと生きていけぬ。だから、とに
政治家は「そんなあなたに生きてほしい」とか言うけどさ
そんなあなたとは、誰だろう?わたしは、大切なあなたに生きてほしい。ひとたび知ってしまったあなたに、幸せになってほしい。この地球で一緒に暮らすあなたと、自由を相互に承認したい。わたしだって、誰だって、そんなあなたに生きてほしいよ。でも、どうしたらよいの?
この星でもなく、この国でもなく、このまちでもなく、ここにいるわたしを守ってください
子どものときは、母親と。高校卒業後は、一人で。父親から逃れる
絶望を希望に変えていく物語
ABSTRACT
遡ること、10年前。2010年、それは、変わろうとした時代だった。しばらくして、わたしたちは、正しく変わることは難しいことに気づく。挑戦して失敗するくらいなら、このままでよい。こうして、時が止まったまま、いまに至る。変わろうという問いかけは、もう響かない。しかし、事態は10年前より深刻だ。
さらに遡ること、およそ20年前。地方分権一括法の成立。わたしたちのまちは、わたしたちで
わたしたちのRPGに、ラスボスいない絶望
以前、こんなことを書きました。
わたしは、絶望を知っています。2010年の自分と違うのは、その一点に集約されるように思います。わたしの絶望とは、かつて忌み嫌っていた大人村の人たちは悪者ではなく、その人たちも、その立場からの必死があったという事実です。
ラスボス不在という絶望ロールプレイングゲームは、悪者を倒せば良いのです。ラスボスを倒せば、世界が平和になるのです。しかし、わたしたちの世界には、
78日間の戦い - 困りごとをゴキゲンに変えるゲストハウスの挑戦
わたしたちのクラウドファンディングが、昨日をもって終了しました。支援してくれた方々140人、お寄せいただいた支援金1,713,501円、目標金額100万円、ネクストゴール150万円を超え、無事に目指したところへ到達することができました。
これもひとえに、みなさまのおかげです。絶対に無理だ。途中であきらめそうになったときもありました。だけど、みんながいてくれたから、乗り越えて行くことができました。
社会課題を価値に変えるゲストハウス - 2020年代のゲストハウス考
前回の記事で、わたしはこんなふうに書きました。
さらっと書きましたが、とても違和感のある表現です。課題というある意味ネガティブなもので、まちづくりをしようだなんて。そんなのおかしいじゃないか、そう思いませんでしたでしょうか。
課題ドリブンのまちづくり今までのまちづくりは、資源ドリブンでした。うちのまちにはこういう宝があるというPR合戦が展開され、「地域活性化」しようというわけです。しかし、こう
わたしが市長選挙に出た本当の理由
去年の今頃、わたしは極めて慌ただしく日々に追われていました。江別市長選挙告示まで、残り3ヶ月。自分がやらなければならない。義を見て為さざるは勇なきなり。その抱いた決意を大きな炎に変えていきながら、闘いに突入していったあのときを、いま、少しずつ冷静に振り返られるようになってきました。
記者会見で述べた立起理由2019年1月11日、わたしは、立起表明の記者会見を開きました(動画に字幕も付けております