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『何者にも囚われない、色鮮やかなコーヒー屋』NO WAVE COFFEE

何かに挑むとき、人は孤独に襲われる。
理解してくれる他人がいようと疑心暗鬼になってしまう。
「可能性を感じているのは、本当は自分だけなんじゃないか?」
勇み足で踏み出した一歩、一寸先は延々と闇。

味方はいない。
誰かにそう囁かれているような気がする。
しかし、それが何だというのだろう。

迷い込んだ暗闇の、一辺倒な黒に染められる前に。
その黒にだって種類があるのだと気づく瞬間がある。
モノトーンが織りなす、千変万化のグラデーション。
無彩色でさえこれだけ鮮やかになれるなら、きっと自分の挑戦も無意味ではない。


無数の挑戦と無数の生き方。
何者にも囚われない人がほっと一息つけるように。
『NO WAVE COFFEE』は、鮮やかなコーヒー豆を提供する。

何者にも囚われない飲み物。

『NO WAVE COFFEE』は奥田達貴さんが営むコーヒーショップ。
実店舗は持たず、ネットやイベントでの出店が主となっている。
コーヒー豆を販売する他、三軒茶屋にある焙煎所の焙煎機をシェアするサービス「シェアロースター」も運営している。

販売しているコーヒー豆の焙煎は、すべて奥田さんの手によるもの。

コーヒーの世界には3つの流行(ウェーブ)がある。
安価なコーヒー豆を大量生産・大量消費する1960年代までのファーストウェーブ。
味や香りを意識してコーヒーを味わう1990年代までのセカンドウェーブ。
そして現在、生産者やコーヒーショップにも目を向けたサードウェーブ。

更新されていく価値観の中で、奥田さんが自分の店を持った理由。
それは純粋に「コーヒーが好きだから」だった。

「自分でコーヒーを売って売上になれば、コーヒーを楽しむことが経費になる。作って飲んで仕入れて、その全部が経費になったら面白い。一番楽しめるなと思ったんです」

自分が楽しみ、美味しくコーヒーを飲む。
そのために新しいコーヒー体験を生み出し続け、驚きと感動を提供する。
他では手に入らない豆やイベントでしか飲めない味。
自分でコーヒーを焙煎する体験だって、コーヒーへの認識を変える出来事だ。

自由を体現したコーヒー屋。
その背景には、「コーヒーは自由な飲み物だ」という奥田さん自身の確信がある。

「バックパッカーで海外を回っているとき、コーヒーにハマっていきました。国によってコーヒーは楽しまれ方が全然違う。特にその国の地方に行くと、カフェが文化とリンクしていて個性的なんですよね」

同じ一色の液体に見えても、異なる刺激が詰まっている。
ありたい姿であろうとする、その瞬間を支えたのがコーヒー。

挑戦する誰かのそばにも、常に味方でいてくれるコーヒーがあってほしい。
願いを籠めて、奥田さんはコーヒー豆を送り出す。

白と黒から生まれるカラフル。

コーヒーには明暗がある。
色ではなく、味に対して使われる表現だ。

酸味が出ていて爽やかなものが「明るい」コーヒー。
苦味が出ていて落ち着く味わいのものが「暗い」コーヒー。
『NO WAVE COFFEE』で提供しているコーヒー豆には「明るい」ものが多い。

「豆の個性を表現しようとすると、明るいものを目指して焙煎しますね。肉も個性を味わいたいならウェルダンよりレアじゃないですか。明るいと豆の味が飛び込んでくる、逆に言えば好き嫌いが分かれる。でも、豆によって焙煎の加減は変えます。ジャングルコーヒーなら深煎りもしますし、より個性を引き出す方法を使います」

コーヒーに正解はない、と奥田さんは言う。
豆にも違いがあるうえで、焙煎によっても味は変化する。
丸く整えて飲みやすくするもよし、突出した個性を押し出すもよし。

コーヒーに正解はない。
それを知ってもらうために、奥田さんは豆の個性を引き立たせる方法を選んだ。

「コーヒーを飲んでいると『好きにやっていいんだな』って思います。焙煎や抽出は絶対こうじゃなきゃいけないみたいな、一個の正解ってないんですよね。どんなコーヒーも嗜好品として受け入れられて、コーヒー側も自分の姿を押し付けてこない。そんなコーヒーの姿を知って、やりたいことをやる人が増えたらいいなと」

『NO WAVE COFFEE』キービジュアル。
コーヒーローストをモノトーンで表現。
白と黒の間に、色に満ちた無彩色のグラデーションがある。

好きにやろう。とことんやろう。

『NO WAVE COFFEE』では、個性際立つコーヒー豆を取り扱っている。
常設で販売されている豆に加え、奥田さんセレクトのコーヒー豆が家に届くサブスクリプションサービスも。
コーヒー約30杯分の【STANDARD】、約13杯分の【LIGHT】から選択でき、自分の飲みたいペースでコーヒーを楽しめる。

奥田さん曰く、常設販売の豆は豆の個性を楽しんでほしいもの、サブスクリプションの豆はコーヒーの奥深さを知ってほしいものといった風に差別化されているという。

扱う豆はすべてスペシャリティーコーヒー。
自然環境に配慮し、労働者とフェアな関係で作られたものを指す。
高品質で持続的なコーヒー。

より気軽にコーヒーを楽しみたい人に向けて、コーヒーバッグも販売中。
コーヒーをよく知らないが興味はある、そういった層が踏み込みやすいように開発。
時間がないときや旅先でも、コーヒーのある生活を過ごすことができる。

器具は不要。お湯につけるだけでコーヒーのできあがり。

また、イベントでは会場に合わせたコーヒーを提供。
その場でしか楽しめないからこそ、強烈な個性が光る逸品でコーヒー観を塗り替える。
もし自分だけのコーヒーを楽しみたいなら「シェアロースター」もオススメだ。
自分でコーヒーを焙煎し、コーヒーを楽しむ幅が広がる。
陶芸体験のように広まって、限られた人しかコーヒーを煎られない現状が変わってほしいと奥田さんは語る。

コーヒーを愛してやまない奥田さんに、最後に「初心者にオススメなコーヒーの飲み方は?」と聞いてみた。

「僕が勧めているのは、長い名前のコーヒーを選ぶことですね。どこの国で誰が、という情報を名前に載せていくと必然的に名前が長くなります。『NO WAVE COFFEE』では使っていない記法ですが、名前が長いものを選ぶと品質は一定保証されています」

言いつつも、やはりコーヒーに正解はないそうで。

「コーヒー屋による焙煎で、同じ豆でも味はかなり変わります。コーヒー屋ごとに価値観が変わるからですね。僕も勉強するときに他店のコーヒーを飲むんですけど、飲むと『あぁ、こういう価値観なんだ』と何となく掴めたりします。味は他の五感に影響されるので、カフェだと店の内装や店主の雰囲気含めてその味です。一杯のコーヒーに、たくさんの情報が詰まっているんですね。なので、それを感じてみてほしいです」

同じ一色の液体に見えても、異なる刺激が詰まっている。
ありたい姿であろうとすることは、ある意味で必然なのかもしれない。

挑戦の中で休憩がしたくなったなら。
コーヒーという自由な飲み物を、隣に置いてみてほしい。

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執筆者:廣瀬慎

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