ヤマザキリ

世界はいつだって自分を中心に回っている(隣でも同じように)

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記事一覧

カップラーメンのフォーク

 夜中に目が覚めた。腹が減っていた。昼間にキエフ市内を歩き回り、丘の上のおそらく正教系の教会、大人の背丈ほどのしょんべん小僧のオブジェやタイル張りの遊具が並んだ…

ヤマザキリ
4か月前

風化するチェルノブイリ

 「チェルノブイリに行きたいんだ」。2018年7月、キエフのレストランでウクライナの女性2人に旅の目的を伝えると、「いいと思いますけど怖くないですか」と、流暢に…

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4か月前
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不自然なキャベツ

 モスクワ発サンクトペテルブルク行きの列車がスピードを緩め始めた。車窓は田園から都市に変わり、1泊2日の夜行が終わろうとしていた。駅舎までの距離を稼いでおこうと…

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7か月前
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クリミア併合後、ウクライナ侵攻前のロシア

2018年6、7月   「次の休暇はクリミアに行くの。ロシアからの橋が完成したから」。  チェコ産乗用車の助手席に座るターニャが後部座席を振り返って笑顔をみせた…

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7か月前
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Made in far east

2018年5~6月 中国・カザフスタン・ウズベキスタン  中国・西安から新疆ウイグル自治区を経由して中央アジア諸国へ。寝台列車や長距離バスを乗り継いで一つの都市…

ヤマザキリ
10か月前
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カップラーメンのフォーク

 夜中に目が覚めた。腹が減っていた。昼間にキエフ市内を歩き回り、丘の上のおそらく正教系の教会、大人の背丈ほどのしょんべん小僧のオブジェやタイル張りの遊具が並んだ公園などを観光した。夕方にホステルに帰ってきてベッドに横になり、そのまま寝てしまった。2段ベッドが4台並んだドミトリールームはすでに暗く、両隣のベッドから寝息が聞こえてきた。腕時計のライトをつけると24時を回っていた。近所の飲食店はとっくに

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風化するチェルノブイリ

風化するチェルノブイリ

 「チェルノブイリに行きたいんだ」。2018年7月、キエフのレストランでウクライナの女性2人に旅の目的を伝えると、「いいと思いますけど怖くないですか」と、流暢に日本語を操りながらともに曇った表情をみせた。

 20代前半と後半の彼女たちは日本とウクライナの文化交流施設に通っていた。ここは長期旅行者の間で知られた施設で、昼間に足を伸ばしたところ、日本人の男性職員に夕食に誘われて同席していた。ネイティ

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不自然なキャベツ

 モスクワ発サンクトペテルブルク行きの列車がスピードを緩め始めた。車窓は田園から都市に変わり、1泊2日の夜行が終わろうとしていた。駅舎までの距離を稼いでおこうと思った。2段ベットの上段に横たえていた体を起こし、ドアのない3等車のコンパートメントを出た。

 ボストンバッグの端、片方のサンダル、ベッドに収まらない足、捨て置かれたごみ袋。通路には隣人たちの生活がはみ出していた。後ろ手に転がしていたソフ

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クリミア併合後、ウクライナ侵攻前のロシア

クリミア併合後、ウクライナ侵攻前のロシア

2018年6、7月

  「次の休暇はクリミアに行くの。ロシアからの橋が完成したから」。
 チェコ産乗用車の助手席に座るターニャが後部座席を振り返って笑顔をみせた。
 「クリミアは知っているよ。前はウクライナだったんだよね」。
 既知の情報を口にしただけのつもりだった。
 「前の前はロシアだ」。
 ハンドルを握るビタリが反応した。
 気まずい雰囲気を感じたが好奇心が先に立った。
 「ロシアとウクラ

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Made in far east

Made in far east

2018年5~6月 中国・カザフスタン・ウズベキスタン

 中国・西安から新疆ウイグル自治区を経由して中央アジア諸国へ。寝台列車や長距離バスを乗り継いで一つの都市に数日間滞在して次の目的地へ向かう。人種と文化が折り重なるユーラシア大陸を東から西へ移動していくと、人込みに紛れていたはずの外見はいつしか目立つ存在に変わり、しだいに自分の輪郭がはっきりしていくような感覚を覚えた。

 現地を訪れたからこ

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