記事一覧
安里川のほとりで私は泣く、前へ進むために
魔法のような瞬間と退屈な時間、燃えるような野心と死にたい気持ちが交互にやって来ては、くたびれて、奮い上がって、気がついたらなんだか1月も終わりに差し掛かっている。
36歳の冬はうっすら寒い。心と身体は熱い。19歳みたいなやる気と好奇心があって、36歳相応の欲求が削げ落ちた感じになって、なるほどこれが脂の乗った時期か、と早合点している。立ち枯れているのかもしれない、狂い咲きとか徒花とか、植物で例えら
息をひそめるにはイビキがうるさい
筆を取るというと大仰に聞こえる。この5年間大半の文字を残す際にはキーボードかタッチパネルを押し続けてきた。仕事はおかげさまで忙しく、個人的に文章をしたためる時間も少なくなってきた。したためる、もやはり大仰だ。Twitterだったりスマホのメモ機能に書き残す行為はきっと別の動詞がこれから当てられることになるのだろう。殴り書きのような感じの。
その日、その時感じたことを漠然と残してせいぜい人目に付いて
40回:私が反対する戦争
私は戦争に反対している。と同時に不平等な平和にも反対している。さらに付け加えるのならば、私は私が反対している戦争というものに対して貧しい想像力しか持ち合わせていない。例えば沖縄戦に関する証言を聞き、資料を読んで得たあの戦争と、既に起こっているか今後起こるかもしれない私が恐れる戦争はまるで異なる容貌を持つ、気がする。
貧しい想像力を振り絞って考えるその戦争において、悲劇は極めて限定的な形で訪れる