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社会学講義

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社会学とは人と人との関係について分析する学問です。そのため、この学問は他の学問よりも身近な学問です。あなたも社会学の視点を知って、世界を広げてみませんか?
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なぜ人々はコミュニケーション(伝達)するのだろうか。①新しくて価値があると思うから。②事実を確認したいから。③自分を肯定してもらいたいから。④自分を表現して発散したいから。⑤(嘘だとわかっていても)面白いから。⑥人間関係を維持したいから。⑦人をだましたいから。

人が信じる条件とはなんなのだろうか。①自分の言っていることと相手が言っていることが合致している状況(状況の真理性)。②相手が真面目な態度で話している(態度の誠実性)。③内容の発言者に威厳がある(権威の正当性)。これらの条件がそろっていると人は信じやすい。

流言(噂の大規模版)には4種類存在する。①話し手も聞き手も本当だと思う信言。②話し手が本当だと思い、聞き手が嘘だと思う異言。③話し手が嘘だと思い、聞き手が本当だと思う偽事(いつわりごと)。④話し手も聞き手も嘘だと思う戯事(たわむれごと)。この中で信言が最も広まりやすい。

流言(噂の大規模版)はコミュニケーション連鎖をしていく中でどのように変わるのだろうか。3ステップある。①人々が信じやすいように体系化していく。②人々が面白がるように過激化していく。③不要な要素が切り捨てられる。
流言が広がるには①の「信じさせる力」と②の「伝えさせる力」が必要だ

流言(噂の大規模版)を広げる心理には3パターンある。①安心から不安になったので発散する。②安心から飽きがきたので発散する。③安心から飽きが来たので、わざと不安になって発散する。

流言とは何か。それは噂が大規模に広まったものである。流行語と比べるとストーリーがあって長い。噂と比べると、知れ渡っている規模が違う。ゴシップと比べるとネガティブかポジティブか限定できない。ニュースと比べるとニュースは内容の新しさにこだわるが流言はコミュニケーションの連鎖である。

情報化すれば社会がどう変わるのか③。文明批評家のJ.リフキンによれば、IoTの普及により、限界費用(生産にかかる総コスト)がゼロになり、資本主義が終わりを迎えるという。結果として、人々は労働から解放され、共有経済(シェアリングエコノミー)が発達し、自給自足化するという。

情報化すれば社会はどう変わるのか②。未来学者アルビントフラによれば、脱規格化(設計して大量に生産する時代が終わる)、分散化(人口などの都市集中から都市分散へ)が起き、自給自足化(生産者と消費者が同じになることを表した造語)するという。

情報化すれば社会はどう変わるのか。社会学者ダニエルべルによれば、経済ではサービス(情報)中心になり、職業では専門職・技術職が増加し、知識では理論的知識が必要になり、管理では予測・シミュレーションによる社会管理化し、意思決定では確率論理やサイバネティクスに頼るようになるという。

流言(噂が広く広まったもの)が発生する背景には2つある。①グローバル化したことで、世界中の生活の仕方が似たようなものとなり、噂がどの国にも適応できるようになる。②地元のつながりが太く、噂に関する事前知識(話す人は誰か、聞く人は誰か、誰についての噂か)があって初めて噂として広がる。

流言(うわさが広く広まったもの)には4種類ある。①アメリカ由来の都市伝説、現代伝説。②小学生に人気のうわさ。③災害に関する予言と災害後のうわさ。④時事や流行に伴って出現するうわさ。

なぜ空気を読まない発言で腹が立つのか

なぜ空気を読まない発言で腹が立つのか

例えば、3人いて2人が友達(A、B)、1人が初対面だという場合に、友人Aが「こいつ、普段はこんな優しい振る舞いはしないんですよ。普段は冷たいんです」みたいなことを言う。それを聞いた友人Bが怒り出す。

例えば、2人が親子、1人がボランティア係員だという場合に、親が「この子は、受験の点数のためにボランティアを受けに来たんです。」という。それを聞いた子は腹を立てる。

要するに空気が読めない発言だ。

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あ!今、私は構造に支配された!(シチュエーションボイスでわかる構造主義)

あ!今、私は構造に支配された!(シチュエーションボイスでわかる構造主義)

たまたま見かけたR18っぽくて全年齢対象の(w)シチュエーションボイスですよ。

さて、社会科学では「構造主義」という考え方があります。

端的にどういう考え方かというと、「私たちは見えない何かによって支配されている!」というものです。

スピリチュアルじゃないですよ。れっきとした「社会科学」ですからねw

文化的秩序そして、この構造主義を築き上げた一人が前回の音楽記事で話したクロード・レヴィ=ス

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ワクチン接種率と関係がある要素とは!?

ワクチン接種率と関係がある要素とは!?

戦略・地政学者の奥山真司は、国別のワクチン接種率を比較しながら、「科学リテラシ―と文明がワクチン接種率を左右させるのではないか」という憶測をしている。(動画)

これは非常に面白い考え方である。

これと非常に似ている考え方が社会学で登場している。

社会学者で社会学者の父とも言われるオーギュスト・コントはこう考えた。「ダーウィンの『進化論』で人間は進化するという。では社会も同じく進化するのではな

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