音楽と雨と、恋とさよなら

びっくりしたなあ、
1年半前に出会った、あの雨のような音楽。

眠る前に久しぶりに聴いて、暗闇のベッドの中で
ひとりで涙をぽろぽろと流してしまったんだ


からだの半分を枕に委ねて
雨に愛された曲を流しながら、
雫みたいな涙が
右側にだけ落ちていくんだよ


「僕はまだ君を愛さないことができる」

「愛さないことにするよ」
「この歌にだけ残す」


そう、そんな歌詞だったよね
すべて、また箱を開けてみた



ほんとうにその通り。
想いがその歌の中に、ぜんぶいる。


これは私と、君の歌になってしまった。
もちろん、私の中だけで、だけど。


想いは存在しないことになっているから。



大人になったのにまだそういうことで、
好きとかそうじゃないとか
あきらめるとかそうじゃないとかで、
心がふるえて泣けてしまうなんて


これは私は、ずっと、そうなんだな


ずっと、誰かを好きになったら
好きになるたびに
好きだと言えないたびに

心をふるわせて、泣くのだろう。





これだから音楽はいい。
必要になったときに、そこにいてくれる。




たとえしばらく音楽を聴かない、
聴けない時期が 
やってきてもさ
また必要になるときは
頼っていいんだよ、その音に。



今夜もあなたが作ったその歌に
誰かが救われているよ。





ねえしかも、この話には続きがあってさ。

驚いたよ。

その、雨みたいなバンドの最新アルバムが
また私の気持ちをすべて代弁してくれているのだから。


夜行秘密、
1曲目から歌詞を読んで新しい涙が出てしまう。
綺麗で美しくて 残酷で

思わず一気に、連絡も検索もすべて絶って
歌詞と音だけに向き合って、
最後の曲がどの曲で終わるのかも調べずに
ただただ、聴いたんだよ。

まだ明かりは消して、
スマートフォンのライトだけが、
目にさほど良くはないと知っていても 
道しるべみたいに光ってさ。

夜風とハヤブサ、華にブルー、
チューリップ、
再生は止まらない、なんなんだろう。

綺麗で美しくて 残酷で
まるで絶望しかないようで 

また覗き見されている、心が。


今、この時間、このアルバムを
一番「実際の感情と照らし合わせて聴けている」ナンバーワンは
私じゃないのだろうかと
ドラマチックに自惚れながらも
疑いもなく 思ってしまえるぐらい

思わず噴き出してしまったぐらい


誰に見られていたんだろ
心読まれていたんだろ


1曲1曲が、まるで繋がっているかのようで
アルバム1枚をかけて
じっくりじっくり振り返って、
時間を作ってくれている。

想いの棚卸し



1枚のアルバムを通して、
ひとりの人との物語を紡いで、
準備を手伝ってくれているような。


言わないから美しかった、きっと。
言わないけれど、歌に残してくれた。



さようならの準備はいつだって忙しい
さようならの準備はいつだって物悲しい

でも、さよならにも
いろんな種類があると思うから

いちばん誇らしいさよならを言ってやりたい




もし私の言葉や経験や 感情で
少しでも救われた人や夜が
過去にあったのなら


彼や、聴いている私や誰かが
切ない苦しい想いをしている、その事実も
鏡みたいに、悲しみそのものが
少しは昇華できるかもしれないと
今は思うよ



夜行虫、夜の恋は、も
ほとんど同じ感情で

ちがいはたぶん、
お互いが恋と思っているか、そうじゃないか、
それぐらいだと思う。

それが何より致命的なことも
知っているけれど



びっくりするね
音楽って、まじですごいね。


恋の苦しみって ほんとに綺麗な
宝物だね。





また前作に続いてAmazonのレビューが全て満点じゃないか
しかも知ってしまった
ある曲の歌詞は
「自分のことを歌った」と、彼は話したのだと。



やっぱりそうなんだ。
だからこんなに手に取るように
温度があって、泣けるんだ。


恋は悲しくない。
悲しくない恋もあるはず。

彼にもそんな恋が 
また描けるようになればいいし、
私も、あなたも。



でも、忘れないでいてくれて
切ない悲しさを残してくれて
ありがとう。

少し勇気が出たし、


また、夜が救われたよ。


次に会えるときは、ありがとうと言いたいけれどね。


音楽と秘密を分け合った7月の
深夜2時の 小さな記録。



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