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ワーホリからAmazonに入り海外でマネージャーになってみて気づいたこと

はじめまして。まずは私の記事に興味を持ってくださりありがとうございます。

私は現在オーストラリアのシドニー在住で、美しい自然に囲まれながらも日々仕事と育児にメンタルを削られている37歳、名前はしゅーへーと申します。

仕事はAWS (Amazon Web Servicesの略)というAmazonのクラウド部門でエンジニアチームのマネージャーをやっています。主な業務内容は日々のオペレーションマネジメントに加え、採用、育成、評価を含めたピープルマネジメントやプロジェクトマネジメントといった感じです(これでもかという程の横文字)。

オーストラリアで初めて受け持ったチームと

育児はというと、幸か不幸か(おそらく不幸)私の遺伝子を完コピしてきた5歳児の息子の父親として、毎日いかに効率よく彼のHPを削ってぐっすり寝てもらえるか腐心しています。

海辺はモンスターのHPを減らすのに効果的

今後noteで発信すること

英語が全く話せない状態から外資系企業の海外法人で外国人チームをマネジメントするに至るまでの経緯やそれまでに得た気付きなどを今後は定期的に発信していき、将来的に海外で働きたい方や既に働いている方、日本で英語でのコミュニケーションに悩んでいる方などのお役に立てればと思っています。

なお、私の英語の学習方法については細かく触れるつもりはありません。というのも、YouTubeや書籍、コーチングなどの素晴らしい英語学習サービスがすでに世の中に溢れており、私から何か真新しいことを発信することはできないと思うからです。逆に言えば、今世に出ている学習方法を徹底的にやればビジネスで使えるレベルの英語力は必ず身につきます。

「チッ、こいつ英語が話せるようになる方法を教えてくれないのかよ」と思ったそこのあなた、AtsueigoのYouTubeへ切り替えるにはまだ遅くありません。

英語力だけに注目しがちな日本人

私はこれまで3カ国の異なるチームのマネジメントを通じて、約20カ国に及ぶ多国籍メンバーを受け持ってきましたが、彼らとコミュニケーションを取る中で、マインドセットは英語力と同等に重要であることを実感しました。正しいマインドセットを持っていなければいくら英語が話せるようになっても外国人と信頼関係を築くことはできないと思います。

「そもそもマインドセットってなんやねん」という鋭いツッコミが聞こえてくるので少し説明させてください。ここでいうマインドセットというのは文法、語彙力、発音などで構成されるハードスキルとしての英語力ではなく、あいづちや立ち振る舞い、異文化理解などを含めた非言語的なソフトスキルの部分を指しています。以下、図で簡単にまとめてみました。

英語力は英語のコミュニケーションにおいて氷山の一角

英語力が高い≠外国に馴染める

日本人はハードスキルとしての英語力にだけ注目しがちで、マインドセットの部分はあまり意識していないように思えます。もちろん、英語力を伸ばすことは間違いなく重要ですし、目に見えるスキルとして上達も感じられるので何より楽しいんですよね(めちゃくちゃわかります)。

しかし、その結果、英語はそれなりに話せるようになったにも関わらず、日本人の友達のように仲良くなれない、正しく理解してもらえない、外国人グループで馴染めない、といった人をよく見かけます。これは往々にして英語力ではなくマインドセットが欠けているからだと私は思っています。

曖昧 Me Mine

ではもう少し深掘りしていきましょう。我らが日本国は約98%が日本人で占められている筋金入りの単一民族国家ですが(2020年の国勢調査時点)、そんな国で育った我らは「育ってき〜た〜環境が〜違う〜から〜♪」なんて歌ってみても、総じて共通点ばかりなのです。

そして、日本人のコミュニケーションはそれら多くの共通点がある前提でとられているので、フワッとした表現のオンパレードになっています。「よろしくお願いします」はその最たる例で、多様な場面で使われすぎてもはや何をお願いされているかわからないことが多々(別れ際に使われる「よろしくお願いします」を英語圏で使ったら混乱必至)。

がんばってみ〜るよ〜♪や〜れるだ〜け〜♪の歌詞も超絶曖昧

High or Low?

このように、多くの共通認識が前提としてあり、同じ文化や習慣に依存したコミュニケーションを

  • High Contextual Communication
    (日本語だとハイコンテキストコミュニケーション)

と呼び、数ある言語の中でも日本語でのコミュニケーションはその筆頭に挙げられます。
反対に、前提としての共通認識が少なく背景に依存しないコミュニケーションを

  • Low Contextual Communication
    (ローコンテキストコミュニケーション)

と呼び、私が今住んでいるオーストラリアや以前ワーホリで滞在したカナダは移民の多い多民族国家であるため、このコミュニケーションスタイルがとられています。
このHigh/Low Contextual Communicationについてもっと知りたい方は「The Culture Map」という本をぜひ読んでみてください(購入はぜひAmazonで、、)。

ここで、前述の問題提起「英語は話せるのに外国に馴染めない」に戻ります。

要するに、単に日本語を英語に翻訳するだけでは外国人にうまく意図が伝わらないのです。何かのお願いに対して断るときに「それはちょっと厳しいです。。」というのを日本人の感覚で直訳して「It’s a bit tough..」と言っても断っているとは捉えてもらえないでしょう。

英語のスキル面では問題ないはずなのに、効果的に信頼関係が構築できないのは、このコミュニケーションスタイルと粒度の違いが原因になっていることが多いです。一方、韓国人とはお互いそこまで英語ができなくても相互理解ができ、仲良くなりやすいのは言語や習慣的な面で共通項が多くコミュニケーションスタイルが近いためです。

Call to Action - さぁ行動に移そう

では具体的に何をすればいいのか?

答えは簡単です。相手や環境に応じてコミュニケーションタイプが異なることをまず理解し、共有されている前提条件が少ない場合はLow Contextual Communicationに徹します。

つまり、頭で考えていることをできるだけ言語化し、背景や理由もできるだけ伝えるのです。
先日我が国の首相が広島のG7サミットで「有意義だった」と締めくくりましたが、もし英語のコミュニケーションにおいて同じことを言う場合は何が(what)、どう(how)、有意義であったかを伝えましょう。

首相、私なんかが偉そうにすみません。。

※ここでの意見は個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません。

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