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生命保険営業の最前線の死生観

現在深夜4時、お盆も近いので死生観を書こうとかな、この時期保険がよく売れる

まずは分かりやすく生命保険の出す第三分野の入院に重きを置いた医療保険の売り方を話してみますね。医療保険です。金融庁が管理監督する生命保険会社は保険業法で解約し乗り換えを勧める言葉はNGワードで言葉にしようものなら首が飛びます。しかしお客様から乗り換えを希望してくるならOK、その限りではありません。

そこを利用するわけですが、まずは堂々と今入ってる保険に対して追加契約を促すわけですが、もちろん正攻法だと売れません。そこで下記を提示します。

■お客様の健康状態が良好の場合
保険料が持病持ちに比較したら格安で保障も手厚い生涯保障、途中で持病が出ても加入した契約が続く。
売りにくい:今健康だし、入院するわけがない、無駄金
すでに加入済みのためさらに追加で保険を付け加えるのはコスト増の愚の骨頂
営業マンとしても契約を貰っても死亡保障を特約で付けて売上(年間支払い保険料ANP)で判断されるため一回の契約に説得の時間が掛かるためコスパ悪い

■健康体へ保険の売り方
昔の保険だと日帰り入院が保障さえないのが多い
平均入院日数が短くなっている、退院後の通院保障に今はある、先進医療特約もついている。血圧など持病があると入れない可能性が高い
入れたとしても持病用の保険で保険料は倍近くで保障額も低い条件が悪い
今なら健康なので保険料も変わりません。どうされます?と言われればお客様は今の保険を解約し私の保険を新規契約します。FPのような電卓で人生をお金に試算するのが嫌いでした。家族を巻き込めば時間は掛かるが旨味もそこそこ。

■持病持ちの人
昔は持病があるだけで保険が入れなかった時代があった。今は緩和型医療保険があるのでほぼ加入は出来るが前述したように保険料が高いしかし私の最も得意とした分野だった

持病の薬名を聞いて医師のようにおおよその死因を特定しデータを見せ強烈な死を意識させる。お客様も自分の持病には明るいので私を医師のように錯覚する。おかげで薬学と5代疾病による死因や平均入院日数、入退院の率、合併症、平均余命、などが詳しくなった。さらにお客様の死生観に深く潜りにいく、持病持ちは曖昧でも持病の延長線にある最期の死ぐらいは把握している。それを聞く、本当に多種多様だ。ポックリ逝くという強がりの仮面を剥がしてあげるだけで私をプロ中のプロと、まぁそうなのですが強烈な信頼関係が生まれる。短い時間で高額な保険料の契約を得て高収入のループってわけです。

私のデメリットは無意識に精神が削られることでした。毎日お客様に死ぬと言い続けるネガティブなパワーワードが心を私まで死の際に立たせてくる。お客様の死生観を触れて若い私も高齢者のように、さらに一般人の数千倍の死生観観を耳にする。傷付いた対価として高収入だけが心のギリギリを保ち、人間として死の商人を行っている気にさえ起きていた。昂りをお酒や睡眠薬で抑え眠りに付く。

資産運用も嫌いだった。売れるんだがリスクを伴う注意喚起は最小限に、メリットは最大限に強調。信じてくれるお客様に申し訳ない気持ちで死んだ笑顔で契約を重ねる

医師の仮面営業の私はクレームが極端に少ないチーム長だった、生保はイメージ第一主義にためクレームを極端に嫌う。組織拡大のために投下するヒトモノカネは私に集中した。執行役員手前の営業部長まで登り詰めた。上場前だったので持株会とストックオプションで数十年は困らない資産を得た。

これも死んでいくお客様から命の運用を託されたお金と思うと反吐が出た。売り方の汚い同僚を蹴落とし、死が近いお客様から託されたお金。ご遺族の方から私の担当したお客様の亡くなった知らせが来る。その度にお客様の顔を思い出す

ご遺族には感謝の言葉を頂くが、私を信頼してくれたお客様は亡くなっている。これには痛覚が無くなることはなかった。生前の「高い保険料を毎月払わせやがって」と皮肉まじりに会話してる応対が心地よかった

新人や部下には保険は死に向かい合う心、医学、哲学、死生観、ブレない自分の死生観を早急に覚えるように伝えるが、生保を電卓を叩くように人様の人生をFPのようにお金で可視化する卑しい人に思えてそれも嫌だった。営業が下手なくせに金計算ばかりやる銭ゲバ、下品極まりない。

通常の精神であればお客様の健康を願う、それは保険を使うことなく楽にポックリ逝って欲しいと思う反面、保険金が大量に降りると苦しんだのかと胸が詰まる。笑顔だったお客様。私に死を託してくれたお客様。さらに死の商人になれと促す役員達

社会的意義のある仕事だが辞めた、セールスクオリティの高さがリスクのない売上を連れてくる私の手法に人材エージェントを通じて林檎に買われた
真逆だ、死ぬという恐怖ではなく、ワクワクと貴重な顧客体験と感動を与え売上と利益を作っていく。これは天職だと思ったが、ガジェット好きのオタクの同僚は人生の悲哀を知らない。また人を人間というモノを扱う悪癖が私を蝕んでいく。

保険は人を心から愛せて、お客様との出会いが死を前提と始まりと思ったほうがいい。死生観という心の音を聞かせるお客様はモノには思えないからね。慈愛の対象。社内が銭ゲバ、そんなに銭ゲバを愛で壊していく。お客様のために。生命と死を託された責任だと思っている

始まりはネット保険のパンフレットからスタートしますが、やはり対面をお勧めします。あなたには何人の人が生命を預けてくれるのか、そのためにはブレない自分の死生観を強く持ち、お客様の死生観を誰よりも潜って見つめる必要がある。

生命保険を扱う商品を軽く扱う営業マンが嫌いだ、今でも録音して保険業法を逸脱した悪質な募集人をキャリアと金融庁に報告し間接的に壊すのが私のちょっとした私の悪癖で悪趣味でもある

ここまでご覧に頂き有り難うございました。高齢者を狙っていたら因果応報ですよね。自業自得なのですが電卓無しで人生哲学を一緒に潜って共有して認めてあげる、それはnoteに近い貴重な経験でした。必要悪な商売ですが、もし何か思うところがあったならスキお願いしますね

最後に最強の保険教えましょう、都民共済、県民共済です。あれはすごい。

メンヘラで引きこもり生活困窮者です、生活保護を申請中です。ガスも止めてスポーツジムで最低限の筋トレとお風呂生活をしています。少しでも食費の足しにしたいのが本音です。生恥を重ねるようで情けないのですがお慰みを切にお願いします。