見出し画像

いま話題の『キャラ文芸』について

みなさんは「キャラ文芸」という言葉を聞いたことがあるだろうか。キャラ文芸とはキャラクター文芸のことである。

このジャンルは、ここ最近巷で言われ始めた単語である。

そもそもの定義としていくつか紹介をする。

アルファポリスでは以下のように定義している

一般的な文芸小説とは異なり、主人公やその周囲を取り巻く登場人物のキャラクター像が漫画やアニメのように個性的で、また、舞台設定に特徴のある小説ジャンルを「キャラ文芸」として定義しました。

カクヨム

魅力的なキャラクターが活躍する、エンタテインメント小説。

現段階2024年1月においては、コンテストや各出版社としての見解を明確に確認できて物はこれらしか探せなかった
(もしあれば教えてください、

そしてSolispiaではどうしているかというとジャンルは
ライトノベル ライト文芸 文芸 新文芸 ミステリー ホラー  ファンタジー 歴史小説 恋愛小説 アクション SF 現代ドラマ 童話 その他  
としている。

私の見解としては現時点ではキャラ文芸というものを設定する必要がないと思っているからだ。

ではなぜか?

よく記事やネットで目にするのはライト文芸とキャラ文芸を同一視した論調である。

しかし、そもそもその2つが同一であるならば、キャラ文芸よりも明らかに成熟しているライト文芸に対してキャラ文芸の有意性はないと思う。


次にアルファポリスの定義について着目しよう。
(知らない人向けであるが、アルファポリスというのは小説の投稿サイトであり、なろう、カクヨムと次ぐ大手サイトである。)

『一般的な文芸小説とは異なり、主人公やその周囲を取り巻く登場人物のキャラクター像が漫画やアニメのように個性的で、また、舞台設定に特徴のある小説ジャンルを「キャラ文芸」として定義しました。』 

アルファポリス

その中から分解してみると

一般的な文芸小説とは異なり、主人公やその周囲を取り巻く登場人物のキャラクター像が漫画やアニメのように個性的で、

ここまでを読み取るとこれらはライトノベル、新文芸に合致する特徴であるといえる。

舞台設定に特徴のある小説ジャンル

次にここを見てみるとやはりこれは ライトノベル、新文芸、そしてライト文芸に一致する特徴である。

これらのことから、キャラ文芸というのは既存のジャンルの作品と何ら変わり映えしないのではないかというのが、定義から読み取った見解である。


次に、実際にキャラ文芸として出版されている作品について考える。

大手電子書籍サイトBookWalker に掲載されているキャラ文芸(文芸・小説に掲載されている)は249作品(2024.1)となっていた。また、ライトノベルに掲載されているキャラ文芸は18作品。

これはもちろんBookWalkerがKadokawa によって運営されているということを考慮しても、ライトノベル12959作品、文芸・小説87133作品であり、ジャンルとしてはまだまだ未熟である言わざるを得ない。

ライトノベルに掲載されているキャラ文芸は18作品のうち多く集英社オレンジ文庫が占めていた。
また、キャラ文芸(文芸・小説に掲載されている)はレーベル、出版社の偏りはみられなかったもののジャンルとしての統一性はあまり見られないように感じた。

更に言うと、ホラーの作品やミステリーまたは日常系など、全体を通しての一貫とした特徴はなく、むしろ既存の先ほど示したジャンルへの振り分けが可能なように感じた。


ここまでを振り返り、キャラ文芸というのは現時点ではまだまだ成熟していないジャンルであるということが言えると思う。

しかし、私は一読者であり、なおかつサイトの管理者であるため、時代の潮流を見続けたいと思う。

この記事が参加している募集

SF小説が好き

恋愛小説が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?