山本卓卓

演劇集団範宙遊泳の劇作家演出家、たまに俳優。連絡先→劇団のメール info@hanch…

山本卓卓

演劇集団範宙遊泳の劇作家演出家、たまに俳優。連絡先→劇団のメール info@hanchu-yuei.com

記事一覧

昨日

娘は虫が嫌いなのだが昨日一緒に散歩をした時に用水路沿い群がるちっちゃい虫(名前がわからない。グラウンドで野球とかやってる時に頭の上を群がって飛んでるやつ)に発狂し…

山本卓卓
4週間前
10

2023年のこと

自分のためにも今年を振り返ります。リサーチや執筆に費やした部分は省きます。 1月:海城中学2022年度の演劇WS。ほわほわWS 2月:福岡「私がみたあなたの物語」WS…

山本卓卓
3か月前
9

シリーズ「戯曲の切れ端Vol.4」

 札幌の高校生のための劇作ワークショップで高校生たちに出した課題をぼくが書いたものです。課題は1時間で「雪」をテーマに1000字程度以内の戯曲を書くこと。みんな…

山本卓卓
4か月前
12

日記が続かない問題/複数の現実の問題

 何年かに一度「日記を書くぞ」と思い立って書いてみるも、最初はその初動のエネルギーで楽しく書けるのだけど、だんだんと交感神経が副交感神経に切り替わっていくみたい…

山本卓卓
8か月前
18

鼻で笑われるかもしれないけれど

 娘が小学校に入学し、それだけじゃないけれど、いよいよ僕をとりまく環境も、数年前ニューヨークに留学した時よりもはるかに、ある意味ではかなり強引に、変化しつつある…

山本卓卓
1年前
34

シリーズ「戯曲の切れ端Vol.3」

2023年2月17日から19日に福岡県のキビるフェスで行われたワークショップ「私がみたあなたの物語」に向けて執筆した「あなたがみた私の物語」という30分程度の戯曲を公…

山本卓卓
1年前
8

振り返る我が2022年

創作 ①障がい者福祉施設ほわほわでワークショップ&超名作短編「ほわほわのぷりぷり」書き下ろし ②KAAT神奈川芸術劇場ドラマ•インスタレーション「オブジェクト•ストー…

山本卓卓
1年前
13

シリーズ「戯曲の切れ端Vol.2」

 今作は2012年の年末に名古屋で行われた「ミソゲキ」という演劇イベントで出品しました。その当時は「おなかのそれよりも前」というタイトルでしたが、この度「切れ端…

山本卓卓
1年前
3

シリーズ「戯曲の切れ端Vol.1」

ご無沙汰しています。 岸田賞を経て更新がすっかり途絶えていましたが、日々書いたり、悶々としたり、運動したり、酒をのんだり、しています。 さて、二十歳ごろから僕は…

山本卓卓
1年前
17

結果

 第66回岸田國士戯曲賞、受賞いたしました。人生でこんなにも祝福されたと感じたのは、もしかしたらはじめてかもしれません。そして僕がこの賞を受けることによって、喜…

山本卓卓
2年前
30

まあまあストレスだという話

 第66回岸田國士戯曲賞の選考会が迫ってきているということで、戯曲も公開されたりするなかで、いよいよ、まあまあストレスを感じてきてはいるというのが正直なところだ…

山本卓卓
2年前
16

第66回岸田國士戯曲賞

 この度、第66回岸田國士戯曲賞の最終候補作として拙著「バナナの花は食べられる」がノミネートされました。公の発表よりも数日前に報を受けたのですが、嬉しさもさるこ…

山本卓卓
2年前
22

GAKUの授業がはじまりましたという話

11月21日にGAKUの授業が始まりました。ご支援・応援くださったみなさま、ありがとうございます。なんのことやらという方は先日の記事をご覧ください。 クラウドファン…

山本卓卓
2年前
4

noteのみなさんへ

けっこうやばいです。 数日を残してクラウドファウンディング達成率64%です。 参加してくれる中高生メンバーとの面接も終え授業の内容もある程度定まってきたので、僕の…

山本卓卓
2年前
7

またぼくは怒ってる

なんだか朝から思考がぎゅんぎゅんで、止まらず、執筆にぶっつけてみるも、止まる気配あらず、つまりはむちゃんこ、怒っている。ぼくが怒っているとき、たいていは特定の人…

山本卓卓
3年前
8

ぽよよんの反動

 ひとつ公演が終わると2日3日なんにもやる気が起きなくなって廃人寸前になる癖をどうにかしたい。それでも以前は1週間近く部屋に引きこもって映画を見て本を読んでゲー…

山本卓卓
3年前
6
昨日

昨日

娘は虫が嫌いなのだが昨日一緒に散歩をした時に用水路沿い群がるちっちゃい虫(名前がわからない。グラウンドで野球とかやってる時に頭の上を群がって飛んでるやつ)に発狂してキモイキモイと言う。「虫が可哀想じゃん」と言うと「しょうがないじゃん。虫は虫に生まれたんだから」と言う。「でもキモいと言うのはどうなんだろう」と俺が食い下がると娘はしばらく考えて「でも虫に生まれたんだからしょうがない」と改めて言う。「ま

もっとみる
2023年のこと

2023年のこと

自分のためにも今年を振り返ります。リサーチや執筆に費やした部分は省きます。

1月:海城中学2022年度の演劇WS。ほわほわWS
2月:福岡「私がみたあなたの物語」WS。ほわほわWS
3月:全国学生演劇祭審査員講評。「岸田戯曲賞と私」寄稿。
4月:文京リーディング「富嶽百景」上演
5月:ソロ企画「キャメルと塩犬」上演
6月:浅草九劇「君しか見えないよ」上演。福島おでかけアリオスWS。ほわほわWS

もっとみる
シリーズ「戯曲の切れ端Vol.4」

シリーズ「戯曲の切れ端Vol.4」

 札幌の高校生のための劇作ワークショップで高校生たちに出した課題をぼくが書いたものです。課題は1時間で「雪」をテーマに1000字程度以内の戯曲を書くこと。みんな難しそうに唸っていましたが、時間を(大幅に)オーバーしながらも最終的に参加者全員がきっちり戯曲を書くことができました。すばらしい。
 で、ぼくが書いたのがこれです。構想から執筆、仕上げまで、だいたい30分くらいの時間を要しました。おじいちゃ

もっとみる
日記が続かない問題/複数の現実の問題

日記が続かない問題/複数の現実の問題

 何年かに一度「日記を書くぞ」と思い立って書いてみるも、最初はその初動のエネルギーで楽しく書けるのだけど、だんだんと交感神経が副交感神経に切り替わっていくみたいに批評的に自分の日記を読むようになって、それならまだしも、なぜかわからないのだがだんだんと日記のために日々を過ごしているような感覚になっていき、よくて数ヶ月、悪くて数日で「日記は俺には合わないのかもしれない」と思い結局のところ頓挫するという

もっとみる
鼻で笑われるかもしれないけれど

鼻で笑われるかもしれないけれど

 娘が小学校に入学し、それだけじゃないけれど、いよいよ僕をとりまく環境も、数年前ニューヨークに留学した時よりもはるかに、ある意味ではかなり強引に、変化しつつある。35年生きてきて振り返ってもこんなにハードな山を、酸欠になりながらもポジティブに越えられたという実感はこれまでになく、いまはゆっくりこの山を下山しながら、苦しかったことや楽しかったことを振り返りながら遠くに見える街を目指している。
 僕は

もっとみる
シリーズ「戯曲の切れ端Vol.3」

シリーズ「戯曲の切れ端Vol.3」

2023年2月17日から19日に福岡県のキビるフェスで行われたワークショップ「私がみたあなたの物語」に向けて執筆した「あなたがみた私の物語」という30分程度の戯曲を公開いたします。

言葉と物語からワークショップとショーイングの雰囲気を感じていただけたらと思います。

僕のレパートリーの変遷の中で、今作がどのような位置付けになるのか、ぜひご笑覧ください。

そしてもしよければ下記の「サポート」ボタ

もっとみる
振り返る我が2022年

振り返る我が2022年

創作
①障がい者福祉施設ほわほわでワークショップ&超名作短編「ほわほわのぷりぷり」書き下ろし
②KAAT神奈川芸術劇場ドラマ•インスタレーション「オブジェクト•ストーリー」展示
③ストレンジシード静岡「かぐや姫のつづき」上演
④東京芸術劇場「ディグディグフレイミング!〜私はロボットではありません〜」上演
⑤範宙遊泳ワークショップで戯曲の書き方講座&超名作超短編戯曲書き下ろし
⑥東京芸術祭「となり街

もっとみる
シリーズ「戯曲の切れ端Vol.2」

シリーズ「戯曲の切れ端Vol.2」

 今作は2012年の年末に名古屋で行われた「ミソゲキ」という演劇イベントで出品しました。その当時は「おなかのそれよりも前」というタイトルでしたが、この度「切れ端」として公開するにあたってタイトルを「コンテニュー」に変更しました。

 振り返って読んでみると「幼女X」(2013年初演)の基盤となった作品であることがわかります。ひとつのアパートという点では「うまれてないからまだしねない」(2014年初

もっとみる
シリーズ「戯曲の切れ端Vol.1」

シリーズ「戯曲の切れ端Vol.1」

ご無沙汰しています。
岸田賞を経て更新がすっかり途絶えていましたが、日々書いたり、悶々としたり、運動したり、酒をのんだり、しています。

さて、二十歳ごろから僕はこれまでにもあまりにたくさんの戯曲や随筆を執筆してきました。短編から中編、長編まで、ほんとうにいろいろ書いてきたなと、最近振り返って思います。で、これら埋もれた過去作をそろそろ世に出しても良いのではないかと思い始めました。どのようにまとめ

もっとみる
結果

結果

 第66回岸田國士戯曲賞、受賞いたしました。人生でこんなにも祝福されたと感じたのは、もしかしたらはじめてかもしれません。そして僕がこの賞を受けることによって、喜んでくれる人々がいる、ということがとっても励みになりました。みなさんほんとうにあたたかい言葉をありがとうございます。

 この賞の重みに耐えかねて軽々しく書けない、みたいなことにはならぬように、むしろもっと軽やかに、けれど激しく、大胆に、で

もっとみる
まあまあストレスだという話

まあまあストレスだという話

 第66回岸田國士戯曲賞の選考会が迫ってきているということで、戯曲も公開されたりするなかで、いよいよ、まあまあストレスを感じてきてはいるというのが正直なところだ。嘘をついたり体裁を取り繕ったりするのも嫌なので告白するが、もうこんな思い二度としたくないという気分ですらいる。僕がウディアレンみたいに「賞なんかくだらない」みたいな態度を取れるほどの性格や境遇(賞なんかもらわなくたって売れてれば)であれば

もっとみる

第66回岸田國士戯曲賞

 この度、第66回岸田國士戯曲賞の最終候補作として拙著「バナナの花は食べられる」がノミネートされました。公の発表よりも数日前に報を受けたのですが、嬉しさもさることながら深く安堵の感覚が全身に行き渡りました。御多分に洩れずそれだけ厳しい一年ではあったわけです。束の間の安堵、浸かりすぎると水風呂のごとく冷え込むことは承知しており、いまはもう新作の執筆にとりかかっています。

 「バナナの花は食べられる

もっとみる
GAKUの授業がはじまりましたという話

GAKUの授業がはじまりましたという話

11月21日にGAKUの授業が始まりました。ご支援・応援くださったみなさま、ありがとうございます。なんのことやらという方は先日の記事をご覧ください。

クラウドファンディングは目標の金額には及びませんでした。自分のお金集めの下手さにだいぶ凹みますが、最終的に演劇界隈のみなさんがSNSで反応してくださったことにはたいへん勇気づけられました。
また、応援コメントをくれた平田オリザさん、内野儀さん、岡田

もっとみる
noteのみなさんへ

noteのみなさんへ

けっこうやばいです。
数日を残してクラウドファウンディング達成率64%です。
参加してくれる中高生メンバーとの面接も終え授業の内容もある程度定まってきたので、僕の心配はあとはこれだけです。

そもそも僕がGAKUの精神に惹かれたのでこのワークショップのオファーを受けたわけですが、その辺りの過程の詳細をみなさんに知ってもらいたいと思い、ここに書くことにしました。
最後まで読んでくれたら幸いです。

もっとみる
またぼくは怒ってる

またぼくは怒ってる

なんだか朝から思考がぎゅんぎゅんで、止まらず、執筆にぶっつけてみるも、止まる気配あらず、つまりはむちゃんこ、怒っている。ぼくが怒っているとき、たいていは特定の人にではなく、この世界の現象とか、総体めいたでかいものに対して漠然と怒っているのだが、今日もその例外ではない。面倒なのは、この怒りの原因はおそらく「僕が人間として生き、人間として世界を見ようとしてしまっている」からであり、つまり、死んだり、人

もっとみる
ぽよよんの反動

ぽよよんの反動

 ひとつ公演が終わると2日3日なんにもやる気が起きなくなって廃人寸前になる癖をどうにかしたい。それでも以前は1週間近く部屋に引きこもって映画を見て本を読んでゲームして酒飲んでという生活をしていた頃に比べれば2日3日の営業停止で済むのだから少しはマシにはなったほうだ。

 僕が学生演劇に染まっていた時分、現代演劇にはまだ精神論がはびこっていた。「がんばればなんとかなる」とか「気合いが足りない」みたい

もっとみる