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セントビンセント日記

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カリブ海はセントビンセントでの日々のブログ。青年海外協力隊(JICA海外協力隊)2019‐2021 として駆け抜けた2年間で見聞きして考えたことをつらつらと。南国の風を添えて。 … もっと読む
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2020年2月の記事一覧

コースターは案外数でるんじゃないなと思ってる

コースターは案外数でるんじゃないなと思ってる

バナナの繊維で小物を黙々と作っている。進捗はよくない。一進一退を繰り返しているようにも見える。ネガティブな方へ振れるたびに、これ視覚障害者は無理ちゃうかという思いが頭を過ぎる。

そしてこの感覚はたぶん正しい。編み込みが密になっていては、指先だけではどこに通すのか、どこから引っ張ってくるのか判断がつかないだろうから。

レース状にしてみるとかデザインの変更は必要だろうと思う。それでも、でき

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後任のために多くの情報を取っておく役割

後任のために多くの情報を取っておく役割

JICA海外協力隊の春募集の季節。友だちが俺もちょっとやってみようと思うと言い出し、少しばかりアドバイスをした。

そのとき、ちょっとした出来心でセントビンセントの要請を見てみた。現在、セントビンセントには3人隊員がいて、今年の10月と来年の1月にみんな任期満了で帰国となる。その後任の募集がでてる。

ぼくの派遣先である視覚障害者協会は後任の募集がされていない。ぼくがぼくが結構しんどい旨を上申した

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薄々気づいていたんだけど採算が合わなくないか…?

薄々気づいていたんだけど採算が合わなくないか…?

バナナの繊維を使ってハンドメイド品を作って売ろうとしている。写真の左は1発目のトライのコースター。右は2回目。ぼくめっちゃ器用やから2~3回練習したらすぐ売り物つくれるわー。何やらせてもある程度できちゃう。もぉー、器用貧乏。

さて、冗談はそれほどにして下手にバッグとか帽子とか作るよりこうしてコースターを量産した方がビジネス的に儲けデカいんじゃないかと思い始めてきた。

こういうハンドメイド品を作

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新型コロナがCOVID-19と命名されたのは差別を避けるため

新型コロナがCOVID-19と命名されたのは差別を避けるため

カリブでもコロナがホットな話題になりつつある。今日だって、ケイマン諸島に寄港予定だったクルーズ船が、船内に体調不良者が2名いるということで上陸拒否、後に寄港しようとしたジャマイカでも拒否されたとニュースになっていた。

我がセントビンセントおよびグレナディーン諸島では、そもそも島民はニュースを見ないからほぼ知らないし、他の港で寄港拒否されたクルーズ船を何の問題もなく上陸させてしまった程度にザルなん

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ぼくが来てから組織の収支って赤字なんですわ

ぼくが来てから組織の収支って赤字なんですわ

活動を始めてから1年経って、いろいろ数字も上がってくるわけです。上がってくるというか、ぼくが把握できる分ということになるけれど。

で、タイトル通り、ぼくが来てからしっかり赤字。この1年、売上のことを思うとずっと吐きそうなくらい胃が痛い。まじで。

メイン事業のモップの製造販売の売上が例年に比べてどうかはわからない。(原価計算と売上管理に手を付けていないから。ぼくが来てから、素材のコットンは安いも

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ぼくはカリブのシリア系住民について勘違いをしていたらしい

ぼくはカリブのシリア系住民について勘違いをしていたらしい

セントビンセントにも何人かシリア人がいる。

なんでシリア人だとわかるかというとそれはもうObviousとしか言えない。言葉で表現すると、地中海系の顔つきに中東の血が混ざってる感じとか抽象的なことになる。

で、これ最初はほんとたぶんそうだろうなと思ってたんだけど、実際そうだということが後にわかった。大通りに店を構えて服や、雑貨を売ってる。最近また新しい店が通りにオープンした。何家族か越してきたん

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シンガポールを創った男はジャマイカ沖で生まれた

シンガポールを創った男はジャマイカ沖で生まれた

カリブの小島でバクテーを食べた。たまたま、バクテーをつくる生薬というかそういうキットを持っている人がいて、どうだ食べないかという話になった。おいしかった。写真は撮っていない。そんな余裕はないほどにむさぼり食べたから。次はラクサが食べたい。

バクテーはマレー語でBak Kut Tehと綴り、肉骨茶と書く。マレーシアやシンガポールで食べられている料理だ。

これは中国本土(福建省)からマレー半島に苦

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みんなー、自主講座でエラそうなこと言ってごめんなぁ。俺がやってるマーケティングはこれです

みんなー、自主講座でエラそうなこと言ってごめんなぁ。俺がやってるマーケティングはこれです

青年海外協力隊(現 JICA海外協力隊)は派遣前に70日間の訓練があります。その訓練の内容は8割くらいが語学で、あとは感染症対策や安全管理、チームビルディングのアクティビティなどです。

それとは別に、隊員(正確に言うと訓練生)は自分たちで企画した講座を開催できます。これを自主講座と言います。協力隊に来る人はなにかしら一芸を持ってる人が多いので、ヨガクラスやダンスクラスなどいろいろありました。

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基本的にヘラヘラしてるのは単なる仕様じゃありません

基本的にヘラヘラしてるのは単なる仕様じゃありません

noteでは小難しいことを書いてみたり、泣き言をつらつらと吐き出してばかりだけれど、対面ではだいたいヘラヘラしてます(詳しくはポッドキャストをチェック!)。基本設定が軽薄だからかもしれないけれど、それだけじゃないんです。

アラサーという分類に片足が入ったころに、学生気分が抜けていないと気づきました。精神年齢が学生のときと変わっていないと衝撃を受けました。考えてみれば、環境は変わってもやってること

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カリブにお家を建ててみよう!メインアイランド基本編

カリブにお家を建ててみよう!メインアイランド基本編

ぼくの隣の土地にダレンとエミリーのカナダ人夫婦が家を建て始めたころ、うちの大家のマルコムが「カナダ人はワシらの10倍の収入があるからね」と嫌味たっぷりにボソッと言った。

この国の平均所得は月5万円くらいだと言われている。言われているというのはそういうデータがないからだ。そして、これは平均と言われているだけで中央値かどうかはわからない。というか、中央値が存在するのかどうかもわからない。格差社会だか

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黒人が主役の恋愛映画ってすっごく少ないの

黒人が主役の恋愛映画ってすっごく少ないの

久しぶりに映画を観た。映画館で観た。キャストはほぼ黒人の恋愛映画だった。わりに親しい友人と2人で観に行った。

ー たまたまネットでその映画のレビューを読んで、悪くなかったの。それで同僚にこれ良さげじゃない?って言ったら、今週末こっちでやってるよって言うからあなたを誘ってみたの。

はっきり言っておくが、デートではない。女性と二人でバレンタイン向けの、恋愛映画を観たけれど、デートではない。ぼくが基

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カリブで神の化身と崇められたアフリカ王

カリブで神の化身と崇められたアフリカ王

むかしむかし、カリブ海の小さな島に奴隷としてアフリカから連れてこられた黒人の子孫がたくさん住んでいました。彼らはずっと不思議に思っていました、自分たちの人生はどうしてこんなにつらいことばかりなんだろうと。

1人の預言者がすっと現れて彼らに言います。

” 流浪の民となった黒人は、故郷であるアフリカに帰るとき、再び神の祝福を得るだろう。黒人の王が即位するときのアフリカを見よ。その人こそ救世主となる

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ほのめかすだけじゃ私たちには届かないよ!:黒人側の意見

ほのめかすだけじゃ私たちには届かないよ!:黒人側の意見

先日、カリブの人は陽気っていうのはちょっと違うんじゃないかというnoteを書いた。

ぼくなりに腹落ちする部分が結構あって、やばいなと思ってしまったりした。どうしてやばいなと思ってしまったのかというと、こういう国際協力とか異文化交流というのは、その思想の根っこの部分に「人間はみな平等で、対等で違いはない。だから分かり合えるし、協力できる」みたいな理想主義的な考えがあって、その理想に向かって互いに手

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ラスタショップ、限りなく漆黒に近いグレー

ラスタショップ、限りなく漆黒に近いグレー

ラスタファリアといのうはジャマイカから始まった宗教思想運動だ。基本的にアフリカ回帰、自然回帰的な思想を持っている。

レゲエの神様ボブ・マーリーの出現によって世界的に有名なスタイルとなり世界に100万人ほど信者というのか活動家がいる。

菜食主義、ドレッドヘア、マリファナ。

だいたいこの3つからなる。どれだけ自分の生活にラスタを取り入れるかは本人任せで決して厳格な思想やコミュニティなわけではない

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