辻原僚(短歌)

ファンタジー短歌ジャンルを作りたい。スキ❤️が投稿の励みになっています。引き続きよろしく…

辻原僚(短歌)

ファンタジー短歌ジャンルを作りたい。スキ❤️が投稿の励みになっています。引き続きよろしくお願いします。 短歌作品: https://mypage.syosetu.com/2502871/

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  • ファンタジー短歌

    ファンタジー短歌記事のまとめ。ただいまファンタジー短歌ジャンルの草案を作っている段階です。ある程度完成したら整理する予定。

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    美術館で短歌を詠んだ吟行の記録です。

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    短歌の基礎研究をまとめています。初心者向け。

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ファンタジー短歌とは?+参考文献メモ

ファンタジー短歌とは? 「ファンタジー短歌」とは妖精や魔法等のファンタジーの要素を扱い、現実世界(私たちが活動する生活世界)では経験できない現象、景色や思考を描…

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【し‐41】文学フリマ東京38、「ファンタジー短歌」ブースで参加します!!

文学フリマ東京に個人ではじめて出店します!ブース名は「ファンタジー短歌」です。『ファンタジー短歌研究vol.1』を頒布します!当日は机に見本を置いておきますので、お…

【美術館吟行】アーティゾン美術館(ブランクーシ 本質を象る)にて

吟行とは?吟行とは、短歌や俳句をつくるために外に出かけていくことです。グループで吟行にいったあとは合評会を行うこともあります。美術館に行ってもぼんやりと鑑賞して…

【美術館吟行】渋谷区立松濤美術館(没後120年 エミール・ガレ展 奇想のガラス作家)にて

吟行とは?吟行とは、短歌や俳句をつくるために外に出かけていくことです。グループで吟行にいったあとは合評会を行うこともあります。美術館に行ってもぼんやりと鑑賞して…

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【美術館吟行】板橋区立美術館(『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本)にて

吟行とは?吟行とは、短歌や俳句をつくるために外に出かけていくことです。グループで吟行にいったあとは合評会を行うこともあります。美術館に行ってもぼんやりと鑑賞して…

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【美術館吟行】東京都美術館(印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵)にて

吟行とは?吟行とは、短歌や俳句をつくるために外に出かけていくことです。グループで吟行にいったあとは合評会を行うこともあります。美術館に行ってもぼんやりと鑑賞して…

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【短歌】イメージへの「抵抗」を考える

はじめに今回はまず「頭で作っている」という評の言葉から、短歌で課題になりやすい点を探ります。次に、文字を読んで何かをイメージする際に発生する「抵抗」について取り…

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【短歌】なぜフィクションの歌を信じられるのか?

はじめにフィクションの短歌作品でも、描写を自然と信じて読めてしまうのはなぜでしょうか?今回はその理由を探るために「不信の自発的停止」という現象を取り上げます。 …

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ファンタジー短歌の方法④世界観構築

前回のあらすじと今回のテーマ 前回は「異世界」を表現する際の方向性と、その意味について検討しました。未読の方は以下をご一読ください。 今回は世界観の作り方を考え…

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BFC5応募作『オルフェウスⅠ』

以下、BFC5の応募作を投稿します。

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読み書きの「モード」とファンタジー短歌

はじめに今回の記事のメインテーマは、穂村弘が『短歌の友人』(2011)で触れた「モード」の考え方です。 本記事では、まず「モード」の定義と利用方法から検討を始めます…

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短歌の「生々しさ」について

はじめに本記事では、斉藤斎藤(2014)の論を引きながら、短歌における「事実らしさ」に焦点を当てます。さらに、「事実らしさ」を「生々しさ」と読み換えて、その特性を…

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ファンタジー短歌の方法③異世界論

前回のおさらいと今回のテーマ前回は「魔法的レトリック」について考えました。魔法的レトリックとは、短歌の中で魔法を使っているようなイメージを発生させるレトリック(…

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ファンタジー短歌の方法②魔法的レトリック

前回のおさらいと今回のテーマ前回の記事は、ファンタジー短歌を作る際には、語彙レベル、レトリック(修辞)レベル、一首の情報レベルで考慮すべきという内容でした。 今…

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【短歌】読みの外部要因と内部要因

はじめに 同じ短歌のテクストを読んでいるはずなのに、他の人と別の解釈をしていることはありませんか?解釈に個人差が出るのは自然な話と思うかもしれませんが、その前提…

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ファンタジー短歌の方法①心象の発生段階

先日の課題の続き 先日書いた記事の課題(3)について検討を進めます。課題(3)は「短歌だけで新たなファンタジーの世界観が創れるか」でした。 いきなり世界観の構…

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ファンタジー短歌とは?+参考文献メモ

ファンタジー短歌とは?+参考文献メモ

ファンタジー短歌とは?

「ファンタジー短歌」とは妖精や魔法等のファンタジーの要素を扱い、現実世界(私たちが活動する生活世界)では経験できない現象、景色や思考を描写する短歌であると定義できます。ただし、「ファンタジー」自体の意味が流動的なため、「ファンタジー短歌」の範囲も変動することに注意が必要です。本記事では「ファンタジー」の語の使われ方と、「ファンタジー短歌」の考え方について概要を書きます。ま

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【し‐41】文学フリマ東京38、「ファンタジー短歌」ブースで参加します!!

【し‐41】文学フリマ東京38、「ファンタジー短歌」ブースで参加します!!

文学フリマ東京に個人ではじめて出店します!ブース名は「ファンタジー短歌」です。『ファンタジー短歌研究vol.1』を頒布します!当日は机に見本を置いておきますので、お気軽にお立ち寄りください!!!
※印刷部数が少なめなのでお早めに来ていただけると安心です。

ブースについて■日時   :2024/5/19(日) 12:00〜17:00
■会場   :東京流通センター 第一展示場・第二展示場
■ブース

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【美術館吟行】アーティゾン美術館(ブランクーシ 本質を象る)にて

【美術館吟行】アーティゾン美術館(ブランクーシ 本質を象る)にて

吟行とは?吟行とは、短歌や俳句をつくるために外に出かけていくことです。グループで吟行にいったあとは合評会を行うこともあります。美術館に行ってもぼんやりと鑑賞して終わってしまうことが多いため、短歌を詠んで記録することにしました。

展示概要場所 :アーティゾン美術館
会期 :2024年3月30日(土)- 7月7日(日)
展示名:ブランクーシ 本質を象る

展示についてコンスタンティン・ブランクーシ(

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【美術館吟行】渋谷区立松濤美術館(没後120年 エミール・ガレ展 奇想のガラス作家)にて

【美術館吟行】渋谷区立松濤美術館(没後120年 エミール・ガレ展 奇想のガラス作家)にて

吟行とは?吟行とは、短歌や俳句をつくるために外に出かけていくことです。グループで吟行にいったあとは合評会を行うこともあります。美術館に行ってもぼんやりと鑑賞して終わってしまうことが多いため、短歌を詠んで記録することにしました。

展示概要場所 :渋谷区立松濤美術館
会期 :2024年4月6日(土曜日)~2024年6月9日(日曜日)
展示名:没後120年 エミール・ガレ展 奇想のガラス作家

展示に

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【美術館吟行】板橋区立美術館(『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本)にて

【美術館吟行】板橋区立美術館(『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本)にて

吟行とは?吟行とは、短歌や俳句をつくるために外に出かけていくことです。グループで吟行にいったあとは合評会を行うこともあります。美術館に行ってもぼんやりと鑑賞して終わってしまうことが多いため、短歌を詠んで記録することにしました。

展示概要場所 :板橋区立美術館
会期 :2024年3月2日(土曜日)〜4月14日(日曜日)
展示名:『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本

展示につい

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【美術館吟行】東京都美術館(印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵)にて

【美術館吟行】東京都美術館(印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵)にて

吟行とは?吟行とは、短歌や俳句をつくるために外に出かけていくことです。グループで吟行にいったあとは合評会を行うこともあります。美術館に行ってもぼんやりと鑑賞して終わってしまうことが多いため、短歌を詠んで記録することにしました。

展示概要場所 :東京都美術館
会期 :2024年1月27日(土)~4月7日(日)
展示名:印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵

展示について印象派といえばフラ

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【短歌】イメージへの「抵抗」を考える

【短歌】イメージへの「抵抗」を考える

はじめに今回はまず「頭で作っている」という評の言葉から、短歌で課題になりやすい点を探ります。次に、文字を読んで何かをイメージする際に発生する「抵抗」について取り上げます。

本記事は、以下の記事の続きです。理解しやすくなるので、可能であれば先にご一読ください。

「頭で作っている」とは?「頭で作っている」という表現は、作品中の表現がイメージしにくく、読者にとって実感を伴わないように思われ、作者が現

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【短歌】なぜフィクションの歌を信じられるのか?

【短歌】なぜフィクションの歌を信じられるのか?


はじめにフィクションの短歌作品でも、描写を自然と信じて読めてしまうのはなぜでしょうか?今回はその理由を探るために「不信の自発的停止」という現象を取り上げます。

まず、このキーワードに関する説明から始め、短歌における「不信の自発的停止」の実例を見ていきます。

「不信の自発的停止」について「不信の自発的停止(willing suspension of disbelief)」とは、イギリスの詩人サ

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ファンタジー短歌の方法④世界観構築

ファンタジー短歌の方法④世界観構築

前回のあらすじと今回のテーマ
前回は「異世界」を表現する際の方向性と、その意味について検討しました。未読の方は以下をご一読ください。

今回は世界観の作り方を考えてみましょう。本記事では、小説で使われる世界観の構築方法を短歌に応用できるか検討してみます。ファンタジージャンルに焦点を当てた説明になりますが、その点はご容赦ください。

世界観の基本的な考え方世界観とは、個人や集団が、世界を理解し解釈す

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読み書きの「モード」とファンタジー短歌

読み書きの「モード」とファンタジー短歌


はじめに今回の記事のメインテーマは、穂村弘が『短歌の友人』(2011)で触れた「モード」の考え方です。

本記事では、まず「モード」の定義と利用方法から検討を始めます。続いて、別の記事で触れた「生々しさ」の概念と「モード」がどのように繋がるのか検証します。最後に筆者が展開しようとしているファンタジー短歌で「モード」をどのように使っていくのか簡単に述べます。

読み書きのモード穂村弘「モードの多様

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短歌の「生々しさ」について

短歌の「生々しさ」について


はじめに本記事では、斉藤斎藤(2014)の論を引きながら、短歌における「事実らしさ」に焦点を当てます。さらに、「事実らしさ」を「生々しさ」と読み換えて、その特性を分析します。この記事を通じて、短歌を詠む際のコツのようなものが掴めると思います。

読者から見た「事実らしさ」?斉藤斎藤は現代短歌における「事実」を「事実らしさ」として捉え、以下のように解説しています。

「事実らしさ」は、「現実感」や

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ファンタジー短歌の方法③異世界論

ファンタジー短歌の方法③異世界論


前回のおさらいと今回のテーマ前回は「魔法的レトリック」について考えました。魔法的レトリックとは、短歌の中で魔法を使っているようなイメージを発生させるレトリック(修辞)のことでした。未読の方は以下をご一読ください。

今回は「異世界」を表現する際の方向性とその意味について検討します。「異世界」とは現実世界とは異なる世界のことです。

異世界表現の方向性現実世界を基準にすると、異世界の方向性は以下の

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ファンタジー短歌の方法②魔法的レトリック

ファンタジー短歌の方法②魔法的レトリック


前回のおさらいと今回のテーマ前回の記事は、ファンタジー短歌を作る際には、語彙レベル、レトリック(修辞)レベル、一首の情報レベルで考慮すべきという内容でした。

今回はファンタジー短歌で使えるレトリックを検討します。前回の記事が未読の方は以下のリンクからご一読ください。

魔法的レトリックSNSでは生活を詠んだ短歌が目に付きやすいので、短歌は現実世界(私たちが活動する生活世界)についての描写が得意

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【短歌】読みの外部要因と内部要因

【短歌】読みの外部要因と内部要因

はじめに

同じ短歌のテクストを読んでいるはずなのに、他の人と別の解釈をしていることはありませんか?解釈に個人差が出るのは自然な話と思うかもしれませんが、その前提について考えてみましょう。読者は短歌を解釈する際に、テクスト以外からも影響を受けています。今回はその要因を「外部要因」と「内部要因」に分けて検討します。

外部要因について

外部要因とは「テクストの文字以外で読者の解釈に影響を与える、読

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ファンタジー短歌の方法①心象の発生段階

ファンタジー短歌の方法①心象の発生段階


先日の課題の続き

先日書いた記事の課題(3)について検討を進めます。課題(3)は「短歌だけで新たなファンタジーの世界観が創れるか」でした。

いきなり世界観の構築をテーマにすると扱う内容が大きすぎるため、いくつかの段階を踏んで検討します。まずは短歌の表現が読者の心象(頭の中のイメージ)の発生段階で、どのような影響を与えるかを考えます。

本記事を要約すると、ファンタジー短歌を作る際には、一首に

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