つくだ博

つくだ博

記事一覧

ご挨拶

 毎日が目まぐるしく過ぎています。  気を抜く間もなく、朝が夜になり、気絶するように眠って、また朝を迎えます。  昨日まで8月1日だと思っていたのが、あっという間…

つくだ博
4年前
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コンセプト・ブックシェルフ 4話『清き心は月ぞてらさむ』(8月)

タイトル『清き心は月ぞてらさむ』  足が地面につかなかった。なぜなら、体が浮遊していた。  砂浜から眺める分には、海は青く見えなくもなかった。けど間近だと、海水…

つくだ博
4年前
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天気の子 見てきた 感想(ネタばれあり)

新海誠監督の、前回の「君の名は。」が大好きだったので初日に視聴 感想 前回の君の名は。が「主人公とヒロインが世界を救う話」なら、 今回の天気の子は「主人公とヒロイ…

つくだ博
4年前
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コンセプト・ブックシェルフ 3話『天の川われても末に逢はむとぞ』(7月)

 台所の流し台に、空のコップが置かれていた。  コップの底に、麦茶の雫がたまっていた。  それ以外は、流し台には何もなかった。ほかの食器は水切りカゴと収納棚に並べ…

つくだ博
4年前
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コンセプト・ブックシェルフ 2話『梅雨空に、赤蜻蛉(とんぼ)』(6月)

 赤とんぼの歌を聴くたびにいつも、味気ないなと思う。  現実の街の様子と、その響きにギャップがあるように思えた。だって今は秋ではない。  視界に映る街はそんなに素…

つくだ博
5年前
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コンセプト・ブックシェルフ 1話『令月にして、気淑く風和ぎ』(5月)

「う~ん……何だろうなあ~」  リビングのソファに座り、新聞を広げている父さんがうなり始めた。 「何だろうなあ~。う~ん……」 「はいはい。何がですか、お父さん…

つくだ博
5年前
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小説 コンセプト・ブックシェルフ 第0話 ノートの皆さま、はじめまして

はじめまして。つくだ博と申します。 この先一か月ごとに、季節ごとの新作書下ろし短編を投稿してまいります。 短いけれども、良質な、心に残る読み物を揃えたい、と思っ…

つくだ博
5年前
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ご挨拶

 毎日が目まぐるしく過ぎています。
 気を抜く間もなく、朝が夜になり、気絶するように眠って、また朝を迎えます。
 昨日まで8月1日だと思っていたのが、あっという間に10日になっています。思えば1月から8月まで、一気に経過しました。時の流れをせき止められません。
 たまの休みに、ようやく物語を書くことができます。

 皆さまにお読みいただきました連作短編『コンセプトブックシェルフ』は、5月から初めて

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コンセプト・ブックシェルフ 4話『清き心は月ぞてらさむ』(8月)

タイトル『清き心は月ぞてらさむ』

 足が地面につかなかった。なぜなら、体が浮遊していた。
 砂浜から眺める分には、海は青く見えなくもなかった。けど間近だと、海水はエメラルドのように緑色に輝いていた。汚いというわけではなく、肌に触れても嫌悪感はなかった。
 9歳だった俺は、浮き輪を持たずに泳いだ。海面に浮かぶブイの紐を掴んで行けば、流されることはないと思った。砂浜から沖にかけて、縦にずっと続いてい

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天気の子 見てきた 感想(ネタばれあり)

新海誠監督の、前回の「君の名は。」が大好きだったので初日に視聴

感想
前回の君の名は。が「主人公とヒロインが世界を救う話」なら、
今回の天気の子は「主人公とヒロインが世界を滅ぼす話」だった。

もちろん面白かったけど、新海誠監督の悪いところが濃くでちゃったかもね。

まずはいい面
・面白い
面白かったよ。なんだかんだで初日に見れてとっても良かった。
2回目はいつ行こうかな。
・ソフトバンクのお父

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コンセプト・ブックシェルフ 3話『天の川われても末に逢はむとぞ』(7月)

 台所の流し台に、空のコップが置かれていた。
 コップの底に、麦茶の雫がたまっていた。
 それ以外は、流し台には何もなかった。ほかの食器は水切りカゴと収納棚に並べられていた。

 母さんと姉ちゃんはまだ寝ている。今は朝5時なので間違いなかった。もしふたりのどちらかが出したコップなら、飲み終わったら洗って、水切りカゴに置くはずだった。
 俺も、喉が渇いたから、起きて台所に寄っただけだった。一杯の麦茶

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コンセプト・ブックシェルフ 2話『梅雨空に、赤蜻蛉(とんぼ)』(6月)

コンセプト・ブックシェルフ 2話『梅雨空に、赤蜻蛉(とんぼ)』(6月)

 赤とんぼの歌を聴くたびにいつも、味気ないなと思う。
 現実の街の様子と、その響きにギャップがあるように思えた。だって今は秋ではない。
 視界に映る街はそんなに素敵ではなかった。音は右耳に入ったら左耳に抜けていくようだった。そのうちチャイムの放送が終わった。
 遠くにある市のスピーカーが、午後4時半になったことを告げた。俺は学校からの帰り道だった。
 どしゃ降りの中を、折りたたみ傘ひとつで進んでい

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コンセプト・ブックシェルフ 1話『令月にして、気淑く風和ぎ』(5月)

コンセプト・ブックシェルフ 1話『令月にして、気淑く風和ぎ』(5月)

「う~ん……何だろうなあ~」

 リビングのソファに座り、新聞を広げている父さんがうなり始めた。

「何だろうなあ~。う~ん……」
「はいはい。何がですか、お父さん?」

 水のジャーッと勢いよく流れる音が止まった。台所にいる母さんが、いつもの呆れた調子で尋ねた。

「何って。アレだよ、アレ。わかるだろ?」

 父さんは新聞を見ながら、あごをしゃくるようにして言う。

「まーた始まったんだから。ア

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小説 コンセプト・ブックシェルフ 第0話 ノートの皆さま、はじめまして

小説 コンセプト・ブックシェルフ 第0話 ノートの皆さま、はじめまして

はじめまして。つくだ博と申します。

この先一か月ごとに、季節ごとの新作書下ろし短編を投稿してまいります。

短いけれども、良質な、心に残る読み物を揃えたい、と思っています。

『コンセプト ブックシェルフ』というタイトルをつけました。

特定の主題やテーマを取り入れて、それを前面に押し出し、同業者との差別化を図ることを「コンセプト○○」と呼びます。

例として、コンセプトカフェがあげられます。

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