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エッセー

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からだからこぼれ落ちた雑文。時事ネタや政治の話題を、煙草のけむりより軽はずみな仕方で。
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記事一覧

執行せよ火中のなかで己が聖なる儀式を/生きてた方が絶対ラッキー

死ぬ時は一人だとか言うやつがいるが、書く時は一人だよ。
常になにかしら書く生活を10年以上続けてる俺は君の知らない時間知らない場所で知らない感情を死に続けてる。
この孤独がわかってたまるか。

死にたいと思ったことは一度もないが、それは僕がずーっと死に続けてるからだとも言える。
日常的に、ごく当たり前に。
創作というのは一種のエクソシズムであり、小さな死によって大きな死を祓い続ける見立ての儀式でし

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おばかいのがお好き!? 差別主義者は単なるコミュ障ꉂ🤭

普通に考えて、「敵か味方かを諮問するために用意された質問」を初対面の相手に投げかけたら、その瞬間、敵じゃない人間も敵に変わってしまうと思うのだが。
「こんにちは」
「九九言えますか?」
「はあ?」
「九九ですよ、九九。言えないんですか?」
「なに言ってんだおまえ」
これで味方を作れるわけがない。

というようなごく当たり前のシミュレーションすら思い浮かばないなら、差別どうこう以前に、想像力が足りて

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言語化を言語化した途端失われてしまう沈黙の手触り

「言語化」という言葉に違和感がある。
僕としては、もともと言葉でできている世界をイメージの領域に差し戻す=「イメージ化」する方がよっぽど大変なんじゃないかと思う。
例えばほら、君の思う林檎のイメージを、林檎という言葉を使わずに僕に伝えてごらん?
おっとあぶない、気をつけて。
赤い、丸い、美味しい、もいけない。既にして林檎のイメージを言語化したものだからね。
そもそもこの世界が言葉で作られているって

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上方向の悩みとはなにか?  〜君も美女とデートできる!〜

上方向の悩みとはなにか? 〜君も美女とデートできる!〜

基本的にモテていいことというのはなにもないし、それが女性ならなおさら。日常生活の危険度がいたずらに増すばかり。
仕事や芸能に振り向けて特定の方向付けを行うのでない限り、ふわふわした不定形のモテエネルギーをぶら下げたまんま生きてるのはリスクでしかない(笑)
というごく基本的なことすらわかってない非モテが多すぎてビビる(笑)
森香澄を見て思うのは「うわ〜モテそうで羨ましい〜✨」じゃなく「うわ·····

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「エンタメ系映画を見ている人を馬鹿にする人」は本当に存在するのか? 〜無意識となかよく〜

まず確実に言えるのは、
・観賞に知性を要しないエンタメ映画を作るためには知性が必要。
・「エンタメ系映画を見ている人を馬鹿にする人」の実例には幸運にもお目にかかったことがないが、「エンタメ系映画を見ている人を馬鹿にする人をくさす人」の実例にはこの通り頻繁にお目にかかる。
ということ。
ま、こーゆーのは「あなたが知らないだけでいっぱいいるんですう!」って言い張られたらそれまでなのだが、その人の経験上

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ギャラリーストーカーから/プチストーカー化する文化活動を思う

Twitterでギャラリーストーカーの問題が話題になっていた。
前々から美術業界に特有の作家の「在廊」システムには問題があるのではないかと思っていたが、作家と観賞者が“作品を通じて”交流を図れる機会は双方ともに有益であるはずで、それを問題含みのものにしてしまっているのはあくまでくそきしょ変態おじさんの方なのだということは忘れずにおきたい。
一方で、より一般的な話をすると、いわゆる推し文化のポジティ

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ラカン理論でTwitterを読めない(笑)

ラカン理論でTwitterを読めない(笑)

お茶代でラカン読むか(笑)
500ページ近くある本のうちのたった1行すら理解できずだんだんイライラしてきてしまいにはてんめこのやろと書いた人間に殺意が湧く、という貴重な読書体験をみんなと共有したい(笑)

まあ哲学関係の書物ならいくらか類例は見られるだろうけど、それはあくまで書き言葉の領域において、だ。
ラカンがヤバいのは、話し言葉も書き言葉と同じくらい、いやそれ以上に理解不能だということ(笑)

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批評家が自撮るワケ

批評家が自撮るワケ

基本的に自分の顔をイイとかカッコイイとか思ったことは一度もないが、最近部分的にであれ褒めてもらう機会が多く、「へー、そういうもんかねー」と勉強になりつつ、使えるもんはなんでも使っていこうと思っている。

「顔」というのは自分のど真ん中にある巨大な謎だ。
自分の目では自分の姿を覗き込めないのと一緒。だから人に教えてもらうしかない。
もともと、顔出しは作品に親しみを持ってもらうため(ヒヒョーなんて言う

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おっぱいと煙草とバカリズム(喫茶店にて2)

喫茶店の座席に着座したまま煙草が吸えなくなったのは文化的衰退だな。
やはりわれわれは一歩も譲るべきではなかった。
分煙とか言い出した時点で武装蜂起すべきだった。

一歩でも譲ればそれを言質に取って百歩譲歩させついには追い出してしまうのが権力というものの性質なので。
まず最初に女性の肘を触り「なぜ肘はOKで胸はNGなのか論理的に説明せよ」と迫りながらついには胸を触るバカリズムのコントと同じ。

ある

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いろんな人のいろんな会話がすべて平等に聞こえますように(喫茶店にて1)

喫茶店でメガネをかけた文化系男子とメガネをかけた文化系男子がなにやら彼らにとってはかけがえなく大切で真摯な話題についてときに互いの感情を害しかねない程度に踏み込み合いつつ激発の予感をほんのり温存したまままあまあ静かで穏やかに対話しており、たまらなくなつかしい気分に。

「自分もこーゆーのやってたなあ、やってたやってた、やってたはず。やってた·····か?思い出せない」
「10年以上この喫茶店に通っ

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批評家は名探偵の屍を超えねばならない

作品の謎を解くことはあいまいであるがゆえに豊かな広がりを持つイメージの肉体を解釈の縄で捕えて縛りつけ無理やりに分析の拷問にかけることでもあり、批評という営為は推理小説において一堂を広間に呼び集めた名探偵がやおら自分の推理を得意げに語り聞かせる例の姿とよく似た暴力性と傲慢さを含み持つことから、(読者が探偵役に自分自身の似姿を認められない場合、特に)観衆のうちに少なからぬ抵抗と反発心とを喚起するもので

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