マガジンのカバー画像

中国語教育(学習)

20
運営しているクリエイター

記事一覧

【外国語学習】「自習」は重要だが最適解ではない

【外国語学習】「自習」は重要だが最適解ではない

ここ5年くらい、英語のコーチングが語学学習のやり方として普及してきている。

語学コーチングの分野で、「自習が大事だ!」というような表現をよく見聞きする。

しかし、これ、この言い方だと少し語弊があると思う。正確には、「自習」は重要だが、最適解ではない。

今日はこれについて説明したい。

まず、語学における学習は、【理論】と【トレーニング】の2種類に大きく分けられる。例えば、中国語学習において、

もっとみる
萎える外国語勉強法TOP3【英語・中国語】

萎える外国語勉強法TOP3【英語・中国語】

外国語を教えている者として、萎えるトレーニング(学習、課題、演習、練習)を学習者にやらせるわけにはいかない。

そこで、

私自身が一人の外国語学習者として、萎える外国語勉強法のトップ3を考えてみた。

第3位:使用する文法項目を指定された作文「今回の学習項目である「結果補語」を使って作文してください」など、明らかにそれを使えとほのめかされている「日本語を外国語に翻訳する問題」である。

え、それ

もっとみる
外国語学習、まだ科学的アプローチ(第二言語習得【SLA】)で消耗してるの? #英語 #中国語

外国語学習、まだ科学的アプローチ(第二言語習得【SLA】)で消耗してるの? #英語 #中国語

語学サービスが「科学的」という言葉を使うのは問題ないと思うが、少し慎重になるべきだ。

語学で「効果が科学的にある」という結論はどこからくるか?
もちろん、それはそれを実証するための実験から。

実証できれば、そこから導かれることは誰にも当てはまるのか?

科学をさらに上の視点から規定する科学哲学や論理哲学を学べば、理系的な学問でさえその結論が数多くの前提から成り立っていることが分かる。であれば、

もっとみる
まだ【音読】で消耗しているの?【中国語/英語】〜語学力の評価関数は自分で持とう〜

まだ【音読】で消耗しているの?【中国語/英語】〜語学力の評価関数は自分で持とう〜

音読は、私が考える語学力を高めるという観点では、最も効率的な学習法であると思う。

しかし、ネイティブみたいに読めるようになるため、音読の精度を高めることが目的になるのは本末転倒だ。

例えるなら、ゴルフの打ちっぱなしの練習場で、ゴルフコースデビューをせず、ひたすらボールが曲がらないように真っ直ぐ飛ばす練習をしているようなものだ。

その人を否定するわけではないが、外にはもっと広がりのある面白いゲ

もっとみる
本当の中国語力を身につけたいなら中国語で「調べて、書く」を繰り返せ #英語 #立花隆

本当の中国語力を身につけたいなら中国語で「調べて、書く」を繰り返せ #英語 #立花隆

「語学力」というと外国語の運用能力として、母国語である言語とは別の能力として考えがちだ。

そして、何かを聴いて理解するとか、言いたいことを表現できるとか、表面的な能力に焦点が向かいがち。

しかし、実際問題、根は同じ言語能力なので、もっと本質に目を向ける必要がある。

(外国語能力の評価の流れも、表面的なことからCANDO(できること)に向かっている)

知の巨人、立花隆さんが著書で学部時代に取

もっとみる
完全な通訳AIでも解決できない【4問題】と、自分でコミュニケーションをした方がいい【3領域】#外国語教育

完全な通訳AIでも解決できない【4問題】と、自分でコミュニケーションをした方がいい【3領域】#外国語教育

中国のiFLYTEKなど高度な音声認識、合成、翻訳技術を基に、今後、かなり高精度の通訳機が登場するかもしれない。

しかし、

通訳を介すると次の問題がある。

1.タイムラグがある仮に性能がよくなっても、数秒のタイムラグはあるのでそれがストレスになる。

話を言い終わらないと意味が確定できず、翻訳されないので原理的にラグは消えることはない。

2.真意に確信が持てない複雑な話題の議論をしていたり

もっとみる
まだ【HSK】【中検】で消耗してるの?  #中国語学習

まだ【HSK】【中検】で消耗してるの? #中国語学習

日本人は資格が大好きだ。

誰かに明確なお墨付きをもらわないと不安でしょうがない。

茂木健一郎さんが言っていたが、日本人は「私は大学教授です」「私は会社の社長です」といって、相手が敬意を示さないと逆ギレする人が多いらしい。

外国では肩書は参考程度で、話してコミュニケーションを取る中で相手を理解していく。

この傾向は中国でも同じだ。

特に、中国だと経歴を盛ったり詐称する人が多い(人口が多いか

もっとみる
日本人が中国で働く7パターンと求められる中国語力 #駐在 #現地採用 #中国ビジネス

日本人が中国で働く7パターンと求められる中国語力 #駐在 #現地採用 #中国ビジネス

日本人が中国で働く場合、駐在や現地採用は問わず、次の7つのどれかに従事することになるのではないか。それぞれで異なるレベルの中国語力が求められる。

1.事業会社(プロダクト)の中国展開わかりやすい例は、ユニクロだろう。日本市場で作り込んだ商品力やブランドを背景に中国市場へ進出する。その他、食品メーカー、サイゼリヤなどのサービス業も基本は同じ。

この際に必要となる日本人は、本社と中国支社間のコミュ

もっとみる
「学習者」と「教え手」の二項対立から、「学習者&教え手」と「世界」という図式へ

「学習者」と「教え手」の二項対立から、「学習者&教え手」と「世界」という図式へ

私は何を教わる(教える)にも、「学習者」と「教え手」の二項対立が好きではない。

英語や中国語の先生、講師、コーチでも、テニスやゴルフ、野球などのコーチでも何でもいいが、一般的に、「学習者」と「教え手」の二項対立で「学び」の過程が設定されている。

なぜこれがよくないか?

こうした対立的な関係性だと、その「教え手」の能力が成長のキャップになってしまうからだ。

われわれは、ある一個人の世界観や価

もっとみる
今すぐ中国語を学ぼう!Clubhouseで世界の居酒屋を24時間覗き見できる #英語 #中国語

今すぐ中国語を学ぼう!Clubhouseで世界の居酒屋を24時間覗き見できる #英語 #中国語

Clubhouseが流行っているが、これはソーシャルのつながりを加速、深化させるだけでなく、テレビやYou Tube、映画に代わる最強のコンテンツといえる。

昨日のnoteで、その予定調和、キャスティングの偶有性などその面白さの源泉を書いたが、今回は具体的な使い方の例を紹介。

Clubhouseは、要するに、居酒屋の会話を聞けるというコンテンツなのだ。(そこにさらに参加もできてしまうのがまた凄

もっとみる
外国語習得【語学】はスポーツに近いという話〜知の世界はエピステーメーとテクネーの組み合わせ〜 #英語 #中国語

外国語習得【語学】はスポーツに近いという話〜知の世界はエピステーメーとテクネーの組み合わせ〜 #英語 #中国語

私は中国語と日本語を教えているが、そのときに重要視しているのは外国語を身につけることは、「知識ではなく、技術である」という点だ。

これはエピステーメーとテクネーという概念で考えるとわかりやすい。

立花隆さんが著書『東大生はバカになったか 知的亡国論+現代教養論』(文春文庫)の中でこの説明を丁寧にしている。

エピステーメーとは、ラテン語のスキエンティアにあたり、これが英語のサイエンスの語源で、

もっとみる

キャリアや語学なんてクソ喰らえ。留学は手段ではなく、目的じゃない?#英語 #中国語

私はアメリカとオーストラリアに留学経験がある。

これは英語を学ぶ?

外国に友達を作るため?

異文化を経験し日本を客観的に見る?

色々後付的な目的はあるだろう。

その後の発展のための「手段」として留学は見られがちだ。

でも、そんなことはない。

留学というのは外国で生活する+勉強しながらいろいろな人に会う、という一つの「体験」であり、それ自体が楽しいエンタメ体験なのだ。

そこでの体験が

もっとみる
中国語歴3年って何を何時間やったの?という話〜すべてを「独学」の視点に還元し「トータル学習時間」と「何をやったか」を考えよう〜

中国語歴3年って何を何時間やったの?という話〜すべてを「独学」の視点に還元し「トータル学習時間」と「何をやったか」を考えよう〜

何らかの学習の習得レベルを判断するときに、学習歴は一つの参考になる。

しかし、

ざっくり「中国語学習歴3年」とか「大学で2年やってました」などという回答は解像度が荒すぎて現実を適切に捉えられない。

結論から言ってしまうと、

あらゆる学習に関わった時間を「独学」と考え、そのトータルの時間とその中で何をやったのか、を把握すべきだ。

トータルの時間先生がいようがいまいが、学校に行くか否かに関係

もっとみる

「音読」でフロー体験!語学に「ポジティブな循環」を! #中国語 #英語

語学における「音読」は、ランナーズハイのような主客未分の気持ち良い経験をもたらす。中国にいた頃、一時期音読にめちゃくちゃとりくんでいたときに、こういう境地があった。

これは「フロー体験」といえるかもしれない。

フロー体験とは何か?

以下を見てほしい。
(参考http://blogs.itmedia.co.jp/yasuyasu1976/2011/11/post-66a9.html

**以

もっとみる