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パリ在住のフランス政府公認ガイド。美術史、民俗学のマスター取得。以前はリヨンや、特にボ…

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パリ在住のフランス政府公認ガイド。美術史、民俗学のマスター取得。以前はリヨンや、特にボルドーには5年程在住。勿論旅行は大好き。日本では音楽講師、ソムリエ資格取得、フレンチレストランで働いた事も。 Youtube始めました。 https://youtu.be/FQ2vcRXnZgA

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  • パリでフランスの郷土料理を極める

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記事一覧

ベアルネーズソースをもっともっと

「へー、マクドナルドのニューヴァージョンかあ。」 「バゲットサンドだって?。」 「まあ美味しそうではあるけど。」 友人との会話の中でなにが一番気になったかと言うと…

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1年前
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フリーダ・カーロの香り

以前<アーティストの自画像>というタイトルの記事でフリーダ・カーロについて触れた。 そんな縁があって今回のパリのガリエラ美術館でのフリーダ・カーロ特別展は前々から…

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1年前
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パリで人気者になるには

パリで一番最初に何かの為に並んだのって何時だったのか覚えていない。 数年前の外出制限の前日に某日本食料品店前に何を買うのかもハッキリせずに何十分か並んで取り敢え…

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1年前
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パリジェンヌの女子会

〜エイヒレの焦がしバター添え 前作で書いた通り日本に行ってきた。 到着した日に早速友人のシャンピ(これはニックネーム)からメッセージが。 今回の日本旅行はあまりに…

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1年前
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パリのヘボカメラマンが行く

今回理由あって9日間程パリから姿を消した。 なんと日本に来てしまったのである。 仕事ではなく私用なのだけれど残念なのはいつもお世話になっている皆さんにご挨拶回りが…

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1年前
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もしもパリにカフェ  が存在しなかったら  〜その4

パリに現存する最古のカフェ その名もル・プロコープ 今迄にパリのカフェにまつわる話を3回ほど書いたけれど、今回のカフェ話も実は重要で、この時にこのカフェが存在して…

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1年前
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エカイエと生牡蠣

我が家の近所のカフェ・レストランが2.3週間前に随分雰囲気を変えた。 以前には店頭に海老、蟹、生牡蠣などのシーフードコーナーがあったのだがコロナ対策でテーブル数を…

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1年前
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ルーヴルのいかさま師

ルーヴル美術館は私の職場でもあり、私の誇り。などと偉そうに言っても、2020年3月以来めっきり行く機会が。減ってしまった。 理解しなければいけない事とはいえ、一時期…

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1年前
150

それぞれのバルコニー

パリも本当に住みにくくなったなあと言うのが最近実感すること。 確かに相変わらず良い点がたくさんあることは認めるけれど、しかも私は地方に住んだことがあったのはリヨ…

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1年前
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王妃のお気に入り

マリー・アントワネットってどんな声だったのかなあ? と、ふと思った。 マリー・アントワネットとは関係ないのだが、先日、かなり前に亡くなった祖父の声を聞くことがで…

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1年前
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私の父はビカソですが何か?

パリのピカソ美術館に行ってきた。 少し前からそのつもりだったのに先延ばしになってしまっていたのには大した理由はないのだけれど。  ピカソの特別企画展には毎回必ず顔…

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1年前
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ポワラーヌで学んだバターの凄さ

子供の時からずっと好きだったけれど、今ではもう無くなってしまって食べられないものっていくつかある。 例えば子供の頃、下北沢の名前も忘れてしまった中華屋さんの塩五…

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1年前
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フェルー通りに行けばわかる

最近、パリの中でも小さいもの、普通わざわざ行かないところにスポットライトを当ててじっくり見ることに興味を持つようになった。 歩き廻ることに億劫になったのか? い…

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1年前
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パリでこっそりお茶をする

お茶するのが大好きだ。 お茶と言っても私の場合はエスプレッソが多いけど。 ただ白状すると子供のときは両親が東京の下北沢でお茶屋さんを営んでいて、朝から晩まで緑茶ば…

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1年前
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ブランチ研究会

フランスに来てから私のまわりの皆がブランチ、ブランチと騒ぎ出し始めたのはそんなに遠い昔ではない。 私にしては日本にいたときから知っていたものだから何故今更という…

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1年前
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アーティストの自画像

自己の追求 アーティストの自画像って面白いと思うのだけれど。 自分で自分の姿を描くって容易ではないし。 私は一度も自分を描いたことないし、ポートレート自体もよく覚…

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1年前
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ベアルネーズソースをもっともっと

ベアルネーズソースをもっともっと

「へー、マクドナルドのニューヴァージョンかあ。」
「バゲットサンドだって?。」
「まあ美味しそうではあるけど。」

友人との会話の中でなにが一番気になったかと言うと、まずは通常大まかには以下の2点であった。

①ハンバーグを挟むパンは特にマクドナルドの場合例のバンズであるが、一度その代わりにバゲットが使用されて売り出されたことがあった。
私はその時は食べ損ねたのでどんな感じか味わいか知らないまま。

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フリーダ・カーロの香り

フリーダ・カーロの香り

以前<アーティストの自画像>というタイトルの記事でフリーダ・カーロについて触れた。

そんな縁があって今回のパリのガリエラ美術館でのフリーダ・カーロ特別展は前々から楽しみにしていたのだ。
なにせメキシコ美術館からフリーダ(今回はファーストネームで呼ばせてもらう)の遺品等の貸し出しは普通そう簡単にはありえないだろうし、特に衣服、コルセットや義足、化粧雑貨等の展示は今回の楽しみのうちの大半を占めるであ

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パリで人気者になるには

パリで人気者になるには

パリで一番最初に何かの為に並んだのって何時だったのか覚えていない。
数年前の外出制限の前日に某日本食料品店前に何を買うのかもハッキリせずに何十分か並んで取り敢えず米かなと思ってその方角に向かったら後ろにいた女性にサッと追い抜かされた。

残っていたのは餅米ひと袋で、「これでは毎日赤飯だなあ。」と、自分でも可笑しくなって結局何も買わずにその場を去った。

おそらくその時以来、食べ物の為に長い時間を費

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パリジェンヌの女子会

パリジェンヌの女子会

〜エイヒレの焦がしバター添え

前作で書いた通り日本に行ってきた。

到着した日に早速友人のシャンピ(これはニックネーム)からメッセージが。

今回の日本旅行はあまりにも突然決めた為殆ど誰にも告げていなかった。
ましてや彼女はリール市というパリからTGVで一時間少々かかるところにずっと住んでいてもうかれこれ3年以上会っていない。

「何で日本にいる事分かったのかなあ。」

答えはその反対。

「ク

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パリのヘボカメラマンが行く

パリのヘボカメラマンが行く

今回理由あって9日間程パリから姿を消した。
なんと日本に来てしまったのである。
仕事ではなく私用なのだけれど残念なのはいつもお世話になっている皆さんにご挨拶回りが出来なかった事。

それでもほんの一部の方達を勝手に選ばせてもらってこっそり秘密に覗き見をしに行く事に決めた。今回日本行きチケットを入手したのは出発10日前で全く日程に余裕もなかったので果たして会いたい人皆が都合よいかもわからなかったけれ

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もしもパリにカフェ  が存在しなかったら  〜その4

もしもパリにカフェ  が存在しなかったら  〜その4

パリに現存する最古のカフェ
その名もル・プロコープ

今迄にパリのカフェにまつわる話を3回ほど書いたけれど、今回のカフェ話も実は重要で、この時にこのカフェが存在していなかったらパリのカフェの歴史が変わってしまっていたであろうと言うくらい。

また、ここでハッキリさせなくてはいけないのは、今回の主役<カフェ・プロコープ>は1686年のオープン時はレストランではなかったが、現在はカフェというよりレスト

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エカイエと生牡蠣

エカイエと生牡蠣

我が家の近所のカフェ・レストランが2.3週間前に随分雰囲気を変えた。
以前には店頭に海老、蟹、生牡蠣などのシーフードコーナーがあったのだがコロナ対策でテーブル数を減らすなどして
一時的に店内を大掛かりに改装したこともあった。
それからしばらくはシーフードコーナーは使われていなかった。

店内とテラスにガラスの仕切りをつけたのでスペースが必要であったからだろうということと、外側に新鮮な魚介類を出しっ

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ルーヴルのいかさま師

ルーヴルのいかさま師

ルーヴル美術館は私の職場でもあり、私の誇り。などと偉そうに言っても、2020年3月以来めっきり行く機会が。減ってしまった。

理解しなければいけない事とはいえ、一時期は我々ガイドでさえも入場するのにインターネットで時間指定の予約をしなければいけなかった。

美術館が閉館してしまった時は完全シャットアウトだったし。

現在はガイディングする事よりも調べ物や確認する事のために行くことが多いが、そんなと

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それぞれのバルコニー

それぞれのバルコニー

パリも本当に住みにくくなったなあと言うのが最近実感すること。

確かに相変わらず良い点がたくさんあることは認めるけれど、しかも私は地方に住んだことがあったのはリヨンとボルドーのみ、あとモンペリエにみっちり一ヶ月の滞在と言うのは贅沢であった。

程々に都会で程々に田舎と言うのはなかなか良かった。
特にボルドーやモンペリエは車で一時間ほどで海というのは夏には最高であった。

友人同士間でのパーティにし

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王妃のお気に入り

王妃のお気に入り

マリー・アントワネットってどんな声だったのかなあ?

と、ふと思った。

マリー・アントワネットとは関係ないのだが、先日、かなり前に亡くなった祖父の声を聞くことができた。
日本の実家の小部屋の整理をしていたら棚の中からカセットテープが見つかり、タイトルに祖父の名が記されていたのを発見した。

個人的にカセットテープの再生機を持っていなかったのでフランスに戻ってから友人に相談したらつい先日に私のスマ

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私の父はビカソですが何か?

私の父はビカソですが何か?

パリのピカソ美術館に行ってきた。
少し前からそのつもりだったのに先延ばしになってしまっていたのには大した理由はないのだけれど。 
ピカソの特別企画展には毎回必ず顔を出しているのだが、単に今回のタイトルにさほど興味がなかったからだと思う。

<マヤ=ルイズ・ピカソ パブロの娘>

そう、人を惹きつけるタイトルとは思えないような気がしたからだ。
ここでマヤがパブロ・ピカソの娘なのはわかりきったことだし

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ポワラーヌで学んだバターの凄さ

ポワラーヌで学んだバターの凄さ

子供の時からずっと好きだったけれど、今ではもう無くなってしまって食べられないものっていくつかある。
例えば子供の頃、下北沢の名前も忘れてしまった中華屋さんの塩五目ラーメンが大好きだった。そこに行けば必ず注文していた。
母に「何時もそればかりねえ。たまには違うもの選びなさい。」とよく言われていたのは覚えている。
確かにおそらくそこにはもっと美味しいものがあったのかもしれないけれど、その店にいくとどう

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フェルー通りに行けばわかる

フェルー通りに行けばわかる

最近、パリの中でも小さいもの、普通わざわざ行かないところにスポットライトを当ててじっくり見ることに興味を持つようになった。

歩き廻ることに億劫になったのか?

いや、そういうわけでもない。

人の多すぎるところがイヤになったのか?

全くそういうわけでもない。

ただ、今まであまりこういうところをじっくりと立ち止まって改めて眺め回すこともなかったなあと思って。
そうすることによってパリの魅力を再

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パリでこっそりお茶をする

パリでこっそりお茶をする

お茶するのが大好きだ。
お茶と言っても私の場合はエスプレッソが多いけど。
ただ白状すると子供のときは両親が東京の下北沢でお茶屋さんを営んでいて、朝から晩まで緑茶ばかりだったので子供の頃は「コーラ飲みたいよう。」と思っていた。

でもフランスに来てからは日本に帰国するたびにお茶をどっさり買い込んで、フランスでも頻繁に飲んでは元気つけていたっけなあ。

逆に日本に行くと、エスプレッソが無性に飲みたくな

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ブランチ研究会

ブランチ研究会

フランスに来てから私のまわりの皆がブランチ、ブランチと騒ぎ出し始めたのはそんなに遠い昔ではない。
私にしては日本にいたときから知っていたものだから何故今更という感じでさえあった。
週末に朝昼兼でホテルの朝食みたいなヴォリュームのある洋朝食を摂ることと理解していた。

しばらくはあまり聞かなかったのだが、それは私が学生だったのであまりそんな優雅な生活スタイルに縁がなかったからであろう(今でも優雅と言

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アーティストの自画像

アーティストの自画像

自己の追求

アーティストの自画像って面白いと思うのだけれど。
自分で自分の姿を描くって容易ではないし。
私は一度も自分を描いたことないし、ポートレート自体もよく覚えているのは小学生の時に先生が「隣の人のポートレートを描きなさい。」と言ったので皆「えー?」と驚きの意を表明したが、先生の意は固かった。

皆いやいやではあったが仕方なくそれぞれ向かいあって、先ずは鉛筆で下描きを始め、早い者はさっさと輪

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