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たからもの

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叱ってくれ

叱ってくれ。
確かに仕事前に大量の薬を飲んで、職場で嘔吐してフラフラしていた毎日よりは良くはなったと思う。
でも、私のことを褒めないでほしい。そう思う。

誰かに自分を知られるのが怖く、誰かに自分のことを話すのが億劫だ。
だが、友達や恋人を作る過程では自分の存在を曝け出さないといけないタイミングがある。
最悪だ。
誰かに自分を知られた後は必ず、何とも言えない感情に襲われる。
褒められると嘘で固めて

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湿気の街の住人。

湿気の街の住人。

どうも、湿度文学。です。

年中、湿度の高い街、「湿気の街」。
ここでは、noteとTwitterで投稿している文章に登場する、街の住人を紹介します。

ようこそ、湿気の街へ。

*

ペストマスクの男
濃紺色のペストマスクを被った男。「湿気の街」の住人を憂鬱から救おうと奮闘している。自称、「救世主」。正気な女子高生曰く「笑顔はあまりにも屑そう」。コーヒーと煙草が好き。イケメンが死ぬ程嫌い

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【現実的な考察】『バナナフィッシュにうってつけの日』J.D.サリンジャー

ネタバレ注意。この小説が書かれた時代背景を考慮して考察します。また、英語前提の表現手法が用いられて日本語訳では理解しにくい点も考慮します。この小説は、すでに様々な解釈がなされていますが、この記事では飛躍しすぎずに現実的に読むことを目指します。

原著初出 1948年
原著言語 英語
舞台 アメリカ
時代 1948年。第二次世界大戦終戦(1945)から少しした頃

■主人公 シーモア・グラスとは本作

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1枚の写真を制作するのに3年もかかってしまった、その記録。 "Light Sculpture"

1枚の写真を制作するのに3年もかかってしまった、その記録。 "Light Sculpture"

丸山です。

先日、ウェリントンのビクトリア大学で「Light Sculpture」プロジェクトを紹介する機会を得ました。技術的な内容が多かったのですが、思いのほか好評でしたので、内容を一部整理して、こちらでもご紹介したいと思います。

水を撮ることの難しさ、面白さを感じていただければ幸いです。

Light SculptureHave You Ever Really Seen a Rainbow

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言葉を使う、ということ

言葉を使う、ということ

わたしには神様がいた。泥沼の底にも届いた、曲があった。ひかりだった。蜘蛛の糸だった。当時のわたしは、自分の人生が残酷だと知ったばかりだった。だから、自殺という解答を投げつけるつもりだった。でも、そんな時にたまたま聴いた曲に、わたしは救われました。「誰かが生きてく一秒ずつ言葉にできたならば」「僕らは生きてく気がするのさ、言葉をばら撒くように」。生きていける、気がした。言葉を、わたしは信仰することにし

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ラブレター群

・風の神様になって、わたしがまばたきをする度に起こる強い風であなたを何度も何度も転ばせたい

・あなたが世界を素晴らしいと思って歩く夜道にて出会う占い師になりたい とても不吉な予言をあなたに贈って、時折思い出されてあなたの心を蝕む記憶になりたい

・とても美しい女の子になって、駅、待ち合わせであなたを待つあなたの彼女の数メートル隣に立ちたい 改札から現れたあなたは恋人の姿を探して駅前をぐるりと見渡

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全ては悲惨な思い出の陽だまりだった

全ては悲惨な思い出の陽だまりだった

最近、帰りの電車で、小学校のときの友だちのかおりちゃんとそっくりな子を見かける。

見るたびに、それがかおりちゃんなのかどうか知りたくなった。わたしは、喉元につっかかる行動を視線に変えて、ただ、その子のエンジェルブルーの手提げカバンを見つめていた。

ある日、その子が、席がない中でドア前で地べたに座り込んでいた。雨の日の電車の床だった。
私は、席を譲りたくて声をかけた。
そしたら、「大丈夫、」って

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2023/7/25 日記

2023/7/25 日記

今日(昨日の夜~今日の朝)は夜更かしをして、ZONeを飲んで、
noteを読んで、ツイキャスで配信をして、そのあと、

二の腕を切りました。

いつものこと。でも、やめようと思ってるんだ。ほんとだよ、
きみなら信じてくれるかな、こんな生きてることが嘘みたいなわたしの、
ほんとうの話。
カミソリの切れ味はすっかり悪くなってしまって、
あまり深くは切れなくて。でも、ぽつぽつと血が出てきては、
少し経っ

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5月14日 とにかく情けないので

断酒失敗から数日、改めて禁酒再開。
(と言いつつチャミスルを飲んだ)
前回と違って罪悪感で甘い酒がなんとなく苦かった。

買ってきてもらった煙草がクソ不味い。変に甘くて気持ち悪くなるので吸う度罰ゲームのような気持ちになる。ピースあたりを買ってきてもらえばよかったと後悔しつつもこれを機に禁煙でもしようかと思い始めた。煙草を買いに行くことすらなくなり自宅に引きこもっている。日に日に死にたさが増していく

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最強伝説

転がった缶チューハイに足を取られて倒れ込んだ。部屋に充満したパブロンの匂いに吐き気を催す、午前2時だった。
バイブレーションが2回鳴って携帯を開く。目に映ったのはTwitterの通知。時計の秒針がうるさかった。目を閉じたら、そのまま現実からログアウトできそうだ。

お前のこと、金属バッドで殴りたい。頭を思いっきりぶん殴って、血が出るまでぶん殴って、殴って殴って殴って殴って、ぐちゃぐちゃに

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死や虹や愛について

死や虹や愛について

 ゆっくりと傾く地球に合わせて、千夏の肩へ頭を預けようとしたときだった。死や、虹や、愛について分析した本を読んでいる千夏の眉毛が歪んだ。彼女がすっぴんではないことに気がついて、僕は声を上げた。千夏はため息をついた。どうやら、僕は疲れているらしい。
 僕は惑星か、惑星だとすれば土星か、と訊いた。千夏は瞼を輝かせながら「あんたは惑星になれない」と言った。惑星になれないことを知った僕の脳は、混乱して、揺

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書き殴る日記 よわよわパンチ編

書き殴る日記 よわよわパンチ編

 こんばんは。タイトルは適当に決めました。きっと毎回変えることになると思います。元気がない話ばかりしていたらやばい。

 わたしは黒とか白とか緑の服ばかり着ている人間なのですが、最近はピンクとか赤の服ってめちゃくちゃかわいいかも!の気持ちになってきている。なんとなく明るい色の服や持ち物が増えていて、ちょっと元気っぽくていい。小さい頃はチェリーピンクが好きで、ランドセルもチェリーピンクだったんだけど

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はらわた

※犬猫が殺される描写があります

「内臓触りてえなって」
「は? なんて?」
「内臓」
「が?」
「触りたい」
 部屋のど真ん中でデカい図体を横たえてグラビア誌を眺めていたフミヤがそう言い放ったのは、あまりにも唐突だった。週刊誌の熱いバトルシーンから現実に引き戻された俺は、彼の視線の先に目をやる。フミヤが広げていたのは、紐パン紐ビキニを身につけた巨乳の女が猫を抱いているページだった。
「お前、巨乳

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これでおわりにしたい

これでおわりにしたい

小説が読めない 言ってる意味がわからないから 違和感が連なる 引きこもる布団の熱が体温と混ざる もうそろそろ疲れました 理由のないことに飲まれる俺たちはどこまでも流れて行ける 昔どこかで読んだ、半身不随になった詩人の川に溺れた話 もがき溺れることを諦め、流されたら浅瀬に着いたという そんなことを小学3年生の時に分かったはずなのに、それでも俺は必死に浮き輪を掴もうともがき溺れる 鼻に水が入り

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