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2020年7月の記事一覧

映画『WAVES/ウェイブス』プレイリスト解説(ネタバレ)  前編

映画『WAVES/ウェイブス』プレイリスト解説(ネタバレ)  前編

『WAVES/ウェイブス』 2020年7月10日公開
監督:トレイ・エドワード・シュルツ
キャスト:ケルヴィン・ハリソン・ジュニア
     テイラー・ラッセル

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悲劇を軸に対称的に描かれる兄妹の人生、それは泡沫のように淡く儚い。泡沫は寄せては返す波にのまれ、いとも容易く壊れてしまう。
テーマとなるのは人と人の繋がり、その破滅と再生を描く、ある種ありふ

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映画『WAVES/ウェイブス』プレイリスト解説(ネタバレ) 後編

映画『WAVES/ウェイブス』プレイリスト解説(ネタバレ) 後編

前編はこちら。引き続きネタバレ満載なので未見の方はご注意下さい。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【ネタバレあらすじ-後半-】
後半の主人公はタイラーの妹であるエミリー。
タイラーがアレクシス殺害の罪で逮捕され、家族はバラバラになってしまった。母と父の関係はすっかり悪化し、兄が殺人犯となった事で学校でも孤立し、孤独な毎日を過ごしていた。
そんな中、彼女の前にすべての事情を知りつつ好

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劇場公開中にオンライン配信という革命『なぜ君は総理大臣になれないのか』

劇場公開中にオンライン配信という革命『なぜ君は総理大臣になれないのか』

山崎賢人さん主演の『劇場』ってみなさんもう観ましたか?

行定勲さんが監督して、約300スクリーンで公開するはずだった映画があります。新型コロナウイルスで、もう映画館が開かないという事情で、全国のミニシアターだけを上映館にして、Amazonで劇場公開と同時に配信されています。ところがこれ、配信も好調、全国で20館しかなかったミニシアターも満席続出で大盛況です。製作も配給も吉本興業になりました。吉本

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吉本隆明の『共同幻想論』を読む、と7月27日の日記

吉本隆明の『共同幻想論』を読む、と7月27日の日記

NHKの「100分de名著」という番組をよく観ています。

今月は吉本隆明さんの「共同幻想論」でした。

ちなみに来月はミヒャエル・エンデの「モモ」です。これも楽しみ!

この本は、“戦後、最も難解な本”とある通り、とても難しいんですね。

普段、読みやすいリズムとか、息抜きとしての読書をしているから、久々に真剣に取り組んで、頭と心を使った1冊でした。

と言っても、本編ではなく、NHKテキストの

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今日のコーヒー 7/28と、村上春樹

今日のコーヒー 7/28と、村上春樹

今日は連休最終日に飲んだひさしぶりのホットコーヒーと例の新刊のはなし。

豆・コロンビアのストレート
焙煎・シティロースト(中煎り)
淹れ方・ハンドドリップ
量・豆15g、お湯160㏄
飲み方・連休最終日の午後、お気に入りのマグカップに入れて

蒸し暑い日が続き、我が家のエアコンはフル稼働だ。
エアコンのひんやりとした室温にだいぶ体が慣れてきてしまって、秋口のようにひさしぶりにホットコーヒーを淹れ

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期待に応えられない[7/18〜7/24の日記]

期待に応えられない[7/18〜7/24の日記]

本来ならオリンピック一色の今日。
梅雨明けもせず、なんだかモヤモヤした連休だ。

それでは今週の週報。

7/18(土)所用あり次住む家を見に行く。やはり良い家だ。まっさらにしてどんな家にしようと妄想が膨らむ。家を考えることは暮らしを考えること。

帰り松陰神社前をプラプラした。家から徒歩圏内に暮らしを彩る店が並ぶというのは、それだけで満たされるものはある。「いいもの」を作る人たちはみな、「いいひ

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人生100年時代の社会に対する創意工夫  ("The New Long Life" 『LIFE SHIFT 2』リンダ・グラットン) | きのう、なに読んだ?

人生100年時代の社会に対する創意工夫 ("The New Long Life" 『LIFE SHIFT 2』リンダ・グラットン) | きのう、なに読んだ?

リンダ・グラットン&アンドリュー・スコットの新著「The New Long Life」を読みました。2016年に出版された「ライフ・シフト」(The 100-Year Life) の続編です。

「人生100年時代」というフレーズは、もはや目新しくもないほど、頻繁に耳にするようになりました。その発端となったのが、リンダさんたちの前著「ライフ・シフト」でした。リンダさんは2017年には安倍首相の諮問

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とにかく要素が多い『日本沈没2020』各話感想

とにかく要素が多い『日本沈没2020』各話感想

質問箱にこんな投稿がありました。

もはや質問でもなんでもないのですが、そこは自分の質問箱ではデフォルトなので置いておきます。

そういえばやるとか言ってたな、と思ってネットフリックスを開くとマイリストに当然のように保存しているじゃないですか。見ようか迷っていたのですが、そこまで言うなら、と見始めて数話を見終わった頃にはこうなっていました。

何もかも唐突に起こるシナリオ、死ぬためだけに出てくるモ

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「あえて飲まない」という選択、と7月14日の日記

「あえて飲まない」という選択、と7月14日の日記

ほぼ日でおもしろい対談企画がありまして、それを読んでいたのですが、これです。

糸井重里さん(下戸)と、投資家の藤野英人さん(下戸)の下戸対談。

もうこの時点でおもしろいんですが、内容はもっとおもしろくて、下戸な人たち、つまり「お酒を飲めない、飲まない人たちの市場って、かなり大きいですよね」という話なんです。

サントリーの社員さんとか、元博報堂でサントリーの担当を20年くらいやっていた方のイン

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【書評】ネットビジネス進化論: 何が「成功」をもたらすのか

【書評】ネットビジネス進化論: 何が「成功」をもたらすのか

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今日は、私としては非常に珍しいのですが、書評を書いてみ

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自然体を「目指す」という違和感、と7月11日の日記

自然体を「目指す」という違和感、と7月11日の日記

生きやすさのために、「自然体でいる」ということの大切さをいろんなところで耳にします。

そうすることで、逆に「自然体がわからない」という不思議な現象が起きていたりもします。

あらためて自分でも「自分の自然体」について考えてみる。

普段から意識しないでいるからこその、「自然体」なのであって、「こういう形が自然体」というのは、ちょっと違うかもって思うんですよね。不自然体ですよね。

自然でいるとい

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顔出しのないマッチングサイトと、7月9日の日記

顔出しのないマッチングサイトと、7月9日の日記

僕、今、50歳なんですけど、僕の世代の人たちが「こっそり」思っているはずなことがありまして、

「自分が若い頃に、マッチングアプリがあったら、自分は使っただろうか?」

「もし使ったとしたら、果たして自分は、モテただろうか?」

っていうの、みんな一度は考えているはずなんです。

※この文章だけ単品で100円で買えますが、400円でこのマガジンを購入すると、1ヶ月30本くらい読めるので1本14円で

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飲酒の習慣がある人の方が収入が高いこと、と7月7日の日記

飲酒の習慣がある人の方が収入が高いこと、と7月7日の日記

『残酷すぎる成功法則』という本を読んでいたら、こんなことが書いてありました。

「飲酒の習慣がある人の収入は、飲まない人の収入を10%上回っている。また、少なくとも月に一度酒場に行く人(お酒の付き合いがある人)はたんに飲酒の習慣がある人の収入をさらに7%上回った」

これ、著者は、「要するに外向的な人、人付き合いの良い人は得をする」ということをこの後、いろんなデータを使って説明しています。

※こ

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アメリカのフェイクニュースをめぐる状況が、ドラマを超えててモヤモヤする

アメリカのフェイクニュースをめぐる状況が、ドラマを超えててモヤモヤする

これは、なかなかにモヤモヤする記事

アメリカのインフルエンサーのニュースと言うことで名前もブランドもカタカナばかりでメチャメチャ読みにくいんですが、要はブランドから結構な金額で仕事を請け負っている著名なインフルエンサーが、陰謀論満載のニュースサイトをシェアしまくっているという話です。

日本にいると、この辺の温度感は分かりにくいんですが、記事からリンクされてるQAnonというニュースサイトの記事

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