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記事一覧

謙虚なリーダーが高める職場の心理的安全性(東京大学)

謙虚なリーダーが高める職場の心理的安全性(東京大学)

東京大学の研究でリーダーの謙虚さが心理的安全性を高めることが明らかに

 東京大学の研究グループが複数の業種を持つ日本企業で調査を行い、リーダーの謙虚さが心理的安全性(注1)を高め、さらにはプレゼンティーズム(注2)にも良い影響を与えることを発見しました。

 健康経営、つまり従業員の健康と生産性の両立は、組織にとって重要ですが、これまでリーダーの謙虚さと心理的安全性、プレゼンティーズムの間の関係

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妊娠中の魚摂取が子どもの脳発達に及ぼす影響(富山大学)

妊娠中の魚摂取が子どもの脳発達に及ぼす影響(富山大学)

概要:
 富山大学の井上真理子らの研究チームは、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を使い、妊娠中にお母さんが食べた魚の量と、生まれてきた子どもが3歳になった時の発達状況を調べました。
 調査の結果、妊娠中に魚を多く食べたお母さんの子どもは、いくつかの発達領域で遅れが少ないことが分かりました。これは、以前に行われた生後6カ月や1歳の子どもを対象とした研究とも一致しており、妊娠期間

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筋トレで「美肌」に!?(立命館大)

筋トレで「美肌」に!?(立命館大)

運動が肌を強くする

この研究は、運動が私たちの肌に良い影響を与えることを教えてくれています。運動をすると、体の中の血液が変わり、それが肌を強くしてくれます。

筋トレで肌が強くなる

特に、筋肉を鍛える運動をすると、年を取ると薄くなる肌も強くなることがわかりました。筋肉を鍛える運動をすると、体の中のある種の物質が減り、それが肌を強くする物質を増やします。

運動で肌は若々しく元気に

ですから、

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【ニュース】長距離スキーレースはうつ病の長期発生率の低下と関連

【ニュース】長距離スキーレースはうつ病の長期発生率の低下と関連

概要:身体活動はうつ病の予防に有益であることが提唱されているが、運動強度、性差のメカニズム、効果の持続時間の重要性については解明が必要である。観察研究デザインを用いて、395,369人を21年まで追跡し、超長距離クロスカントリースキーレースへの参加がうつ病発症リスクの低下と関連するかどうかを検討した。スキーヤー(レース参加者)およびマッチさせた一般集団の非スキーヤー(レース非参加者)について、スウ

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【ニュース】「利己的な人は利他的な人より熟慮する」玉川大学脳科学研究所

【ニュース】「利己的な人は利他的な人より熟慮する」玉川大学脳科学研究所

ポイント(引用:玉川大学)詳細はこちら

Frolichs, K.M.M., Rosenblau, G. & Korn, C.W. Incorporating social knowledge structures into computational models. Nat Commun 13, 6205 (2022). https://doi.org/10.1038/s41467-022-33

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「がんばったね」と褒めて、「次はがんばろうね」と叱る。

「がんばったね」と褒めて、「次はがんばろうね」と叱る。

ポイント
・褒めるときは、努力を評価して「がんばったね」
・叱るときは、励ましを大切にして「次はがんばろうね」

My note best 5 (2021)

My note best 5 (2021)

ご挨拶

 私のnoteにお越しくださいまして、本当にありがとうございます。

 2020年に緊急事態宣言が発令されてからというもの、キャリア心理学の研究者として、またキャリア・カウンセラーとして、新しい環境に適応していくために、このnoteを通じて情報発信を始めました。

幸いにして、2020年はこれまでに書き溜めてきた原稿を投稿したところ、予想していたよりも、はるかに多くの方に読んでいただくこ

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母親経由で父親イメージが向上!?

母親経由で父親イメージが向上!?

結論:母親から父親の家庭外の様子を聞くことに加えて、父親が母親とコミュニケーションをとる様子を見せることで、家庭を気にかけている父親の姿を子どもが認識して、好意的な父親イメージが子どもに形成される。

1.父親の関わりが子どもの社会性や適応に影響 父親からの子どもに対する関わりは、子どもの社会性や適応に対して重要な役割を果たすことがこれまでの研究からわかっています。

 しかしながら、平日に子ども

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子どもが体調不調を訴えたとき、家族ができること

子どもが体調不調を訴えたとき、家族ができること

要約:子どもが体調不良を訴えたときに、家族が「落胆」または「回避」する対応をとると、子どもの抑うつや不安につながり、無気力になって症状の頻度が増える。

背景 不登校経験者が訴える体調不調には、本来の体調不調と「心理社会的因子」を背景とする身体不調があります。

「心理社会的因子」を背景とする体調不調とは、家族や学校など子どもの周囲の配慮が十分でないために二次的に生じる心理的ストレスによるものです

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<論文紹介>行動が変わる:5 段階

<論文紹介>行動が変わる:5 段階

■結論:気づいて、やること決めて、計画立てて、やってみて、続ける
この繰り返し

論文情報:Prochaska, J. O., DiClemente, C. C., & Norcross, J. C. (1992). In search of how people change: Applications to addictive behaviors. American Psychologist,

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まとめ:夫婦げんか研究からわかったこと

まとめ:夫婦げんか研究からわかったこと

 このnoteは、夫婦げんかが起きる仕組みと解消のヒントを家族心理学から解説します。

■結論:夫婦げんか=「顕在要因」✕「潜在要因」

■解消のきっかけ:発想を変える

1.夫婦げんかが増えるタイミング■結論:妊娠、子育て、再就職がきっかけ。社会サポートを利用する。

2.ケンカが増えるワケ■結論:相手の期待に沿うサポートができているか。「上手」頼る。

3.夫婦げんかの種類■結論:一方が責めて

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The Predictive Role of Happiness, Social Support, and Future Time Orientation in Career Adaptability(2019)

The Predictive Role of Happiness, Social Support, and Future Time Orientation in Career Adaptability(2019)

概要(DeepL翻訳):21世紀に入り、仕事の世界に備えた若年層には、キャリアマネジメントの責任を持ち、キャリア適応力を持った人材が求められている。このような観点から、キャリア適応力に影響を与える要因を理解することは有用であると思われる。

 本研究の目的は、幸福度、社会的支援、将来の時間志向が若年成人のキャリア適応性を予測できるかどうかを調査することであった。参加者は、トルコのアンカラにある大学

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