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散文、短編など
日常と非日常を混ぜ合わせて、切り取る世界。
めったに体調を崩すことはないのだけど、それでも子どもが生まれてからは各所からずいぶんといろんなウイルスが我が家にやってくるようになった。 今回は夫に端を発し、久…
「生きる」ということを、そんなに重く捉えなくても良いのかもしれない、と、最近はそんなことを考えています。 若い頃は、「何者かになる」ということが、イコール「生…
私は、見つける 滴が垂れたコップの端に ふいに目を覚ました、長い夜の廊下に ふやけた指でめくるページに 洗濯物の揺れるすき間に 少女たちの、健康的な笑い声の中に 私…
瞳に宇宙を抱え込んで歩く 炭酸水の泡の中 あるかなきかの月がわらう 無限に広がる空間を 等しい重さで ひとり、また、ひとり 浮遊している カーテンの向こうの雨を無視…
今年度末をもって今の仕事の契約が切れる。 長男の育児休業が終わる直前、保育園も決まって「さあ復職するぞ」と意気込んでいた矢先に前の会社が廃業するという、なか…
※原文は下に載せてあります。 Rain Sudden indication of rain What did the wind take away? Sudden indication of rain Many bones of words are stuck in my throat…
次男が眠っている 離れると途端に目を覚まして泣いてしまうので 諦めて 私もぼうっとしている 身体をぴったりとくっつけて 鼻息を少し大袈裟に 顔に吹きかけるようにすると…
コーヒーの渦に溶けてく感情には名前がなくて詩にも出来ない 通り雨 上着を被せてくれたから折りたたみ傘は畳んだままで 炭酸の気が抜けていく夏の夜 私はひとり 泡粒…
*English version is below. むっとするほど湿気を含んだ熱い空気 雷が切り裂く昼間の眠り それを合図に 美しい雨が世界を濡らす 灰色の荒野の真中 旅人がひとり 立ち尽…
詩は呼吸する 春の風が 波紋を広げる 池のほとりで 散っていく花びらを髪飾りに 詩は踊っている 一心不乱に 朝日がその横顔を 金色に染めて 詩は深く、深く呼吸する
滔滔と流れていく日常 朝方 吐き出しかけた言葉を 夜にはひとり 弔っている 窓を開ければ 呑気な日差しが差し込んできて 一瞬、混乱してしまう 先の見えないトン…
空はどこまでも青く 無邪気に私を誘う 世界の異様さとの コントラスト 春の匂いが鼻をかすめる ああこれは 濃い 命の匂いだ
弦を弾く指先 夜の呼吸に耳を澄ます 内側で、鳴り響く音 言葉は静かに強く 明日を紡ぎ出す 生きるために 守るために 「うちで踊ろう」 離れていても 音で繋がる 扉を閉…
2023年12月2日 07:29
めったに体調を崩すことはないのだけど、それでも子どもが生まれてからは各所からずいぶんといろんなウイルスが我が家にやってくるようになった。今回は夫に端を発し、久しぶりに私も風邪をひいた。熱はないが、頭、喉の痛みと洟水にやられている。普段元気な人なら共感してくれるかもしれないが、体調を崩すと、なんだかこの世の終わりのような気になる。(熱もないのに)頭と喉の痛みで変な時間に目が覚めて、とりあ
2023年9月29日 01:36
2023年9月20日 05:17
「生きる」ということを、そんなに重く捉えなくても良いのかもしれない、と、最近はそんなことを考えています。 若い頃は、「何者かになる」ということが、イコール「生きている実感」でした。だからこそ、「何者でもない自分」を肯定できず、爪痕を、何らかの形で残していかなければ自分の人生には意味がないような気がして、何もできず歳を重ねていく自分に焦りと苛立ちを感じていたものです。 けれど、人生って、もう
2023年2月22日 19:46
私は、見つける滴が垂れたコップの端にふいに目を覚ました、長い夜の廊下にふやけた指でめくるページに洗濯物の揺れるすき間に少女たちの、健康的な笑い声の中に 私は、見つける内側に響く、ささやかな音生まれ落ちた瞬間から途切れることなく自分のためだけに刻まれ続ける時の音 私は、見つける夕焼けが真っ赤に熟れた瞬間にチカチカと点滅する信号に使い古されたキッチンにアスファルト
2023年2月21日 17:14
瞳に宇宙を抱え込んで歩く炭酸水の泡の中あるかなきかの月がわらう無限に広がる空間を等しい重さでひとり、また、ひとり浮遊しているカーテンの向こうの雨を無視して括弧の付いた現実が発光しながら誘ってくる「私はロボットではありません」十本の指で開いたひとり分の空間に浮かんでは消える顔、顔、顔足元が揺らぐからからに渇いた喉を唾で誤魔化してあるかなきかの私がわらう
2022年6月1日 18:47
今年度末をもって今の仕事の契約が切れる。 長男の育児休業が終わる直前、保育園も決まって「さあ復職するぞ」と意気込んでいた矢先に前の会社が廃業するという、なかなかの不運に見舞われた私が慌ててハローワークに駆け込み見つけた今の仕事。 休みの取りやすさと自宅から自転車で通えるという立地条件(と、保育園取消になりたくない!という切羽詰まった状況)で選んだ職場だったけれど、英語を使った業務も多く、
2020年10月28日 08:00
※原文は下に載せてあります。RainSudden indication of rainWhat did the wind take away?Sudden indication of rainMany bones of words are stuck in my throatSudden indication of rainPlate of memory broke into
2020年8月20日 11:53
次男が眠っている離れると途端に目を覚まして泣いてしまうので諦めて私もぼうっとしている身体をぴったりとくっつけて鼻息を少し大袈裟に顔に吹きかけるようにすると安心するのかまた微睡みに溶けていく私はもう、一切を諦めて五本の指だけで何が出来るか考えていたら詩が一遍出来上がった
2020年8月14日 14:23
コーヒーの渦に溶けてく感情には名前がなくて詩にも出来ない通り雨 上着を被せてくれたから折りたたみ傘は畳んだままで炭酸の気が抜けていく夏の夜私はひとり 泡粒になる
2020年8月12日 14:33
*English version is below.むっとするほど湿気を含んだ熱い空気雷が切り裂く昼間の眠りそれを合図に美しい雨が世界を濡らす灰色の荒野の真中旅人がひとり立ち尽くしている雨は旅人の身体を濡らし火照りを鎮めてくれるじきに夜がくるだろう旅人は火を焚き今朝仕留めた兎の肉を焼く溜まった雨水で喉を潤し土埃にうねる黒髪を洗う幾夜もこうしてひとり繰り
2020年7月8日 12:55
2020年6月21日 21:33
2020年4月24日 01:27
詩は呼吸する春の風が波紋を広げる池のほとりで散っていく花びらを髪飾りに詩は踊っている一心不乱に朝日がその横顔を金色に染めて詩は深く、深く呼吸する
2020年4月14日 11:34
滔滔と流れていく日常 朝方吐き出しかけた言葉を夜にはひとり弔っている 窓を開ければ呑気な日差しが差し込んできて一瞬、混乱してしまう 先の見えないトンネルに行き場を無くした怒りが満ちていく 退屈は感覚を麻痺させる皆同じ顔をしてその怒りがもう誰に向けられているのかもわからないまま文字を打つ手は滑り出し止められない ゆっくりと閉じていく世界
2020年4月12日 14:07
空はどこまでも青く無邪気に私を誘う 世界の異様さとのコントラスト 春の匂いが鼻をかすめるああこれは濃い命の匂いだ
2020年4月5日 05:43
弦を弾く指先夜の呼吸に耳を澄ます内側で、鳴り響く音言葉は静かに強く明日を紡ぎ出す生きるために守るために「うちで踊ろう」離れていても音で繋がる扉を閉じても世界は広がる呼応していく命が、明日を繋ぐ何処にいても、僕らきっと「重なり合えそうだ」