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詩「雪の泥」 colony vol.6展示作品
雪の泥
はじめてみたとき
そこだけ透明みたいだった
輪郭が白く光って
身体から雪が生まれているようで
あなたが立つ雪原には足跡ひとつなく
そこは誰も踏み入れたことのない場所
わたしはあなたに触れたかった
冷たいのか温かいのか確かめたかった
一人きりで生まれて育ったような姿で
けれど器用に音楽を口ずさむから
最初からこの世界の暗号を知っているみたい
わたしはあなたを知りたかった
暗号の文
短歌連作「あなたは遠い冬の国」 colony vol.6 展示作品
あなたは遠い冬の国
美しいひとびとの持つ冬の国 ときおり息に混ざる結晶
白磁の腕に触れはしない 月で生まれた話を信じて過ごす
吹奏の姿はことごとく身を削り銀の楽器の冷たい光
感性が研ぎ澄まされて冬眩暈あなたの手紙の誠実さがいま
カフェラテの泡は静かに底に降り話すことなど今更ないのに
木の置き時計に時間は流れて沈黙は言葉のように使われる
背後から海とあなたを同時に見ていた 声はとうに浜
さよならサマーバケーション
9月14日で学生最後の夏休みが終了した。
なんというか、無。特筆すべきことがない。
もっと焦燥感とか、憂鬱な気分とか、せめて感情だけでも動いたらいいのだけれど、夏休みが終わることに何も心が揺れない。
このことは、最近といってもここ半年以上、日記が書けなくなったことにも通じていると思う。去年は毎日ではなくとも週に3日くらいは日記を書いていた。書きたいことがあるときに書くルールにしていたから、今書け
日記「5/21」「5/26」 colony vol.4展示作品
こちらの日記は手書きで展示していたので、画像のみを添付する形を取らせていただきます。
読みにくいとは思うのですが、お楽しみいただけたら幸いです。
詩「パスワード」「白竜と夜光」「refrain」 colony vol.4 展示作品
「******」という
あなたの言葉が この世でみつけるべき答えの一つだった。
モンスターの血を持つわたしには言葉の持つ力はすさまじくたったひとつの言葉で長年の病が治るようだった
ずっと欲しかったの
わたしの中の秒針がひとつ進み
ようやく愛を信じることができる
どれほどのことを成し遂げたのか
あなたはきっと気づいていない
どんなに嬉しかったか天国の待ち合わせ場所で打ち明けよう
生まれ変わった
短歌連作「ありふれている」colony vol.4 展示作品
ありふれている
追憶の国にあなたを住まわせてやがて魔法は法となりゆく
時間は 季節から光の濃度へ 夕焼けが好きな理由、わかるよ
飛べそうな体はいつも重たげで紫陽花であることを押し付けた
想像するほどに港は遠ざかるから、舟のわたしは見つけられない
還さ/らなきゃ 溢れるように溶けている日々に 生きていけます
生活がまだない昼に河川敷歩けば再生されるスピッツ
風のなか動画を回す 抱きしめ
一つ眼モンスターと朝焼け
突然、わたしは一つ眼モンスターの生まれ変わりだと理解した
正確には、もうひとつの世界でわたしは一つ眼モンスターとして生きているだろう、とわかった
脳裏には、深い森で膝を抱えてうずくまる毛むくじゃらの怪物が浮かんでいた
あなただったのね
こんなにも朝焼けに憧れるのも 誰かの体温が恋しいのも 女の子とは思えない毛深さなのも 乱視で世界が歪んで見えるのも
全部
あなただったのね
わたしの魂が輪郭
さよならだけが、なに?
バイト先の仲良いお姉さんが今月で辞めてしまう
今月で、といっても2週間分くらいの有給を使い切ってから辞めるからあと4回くらいしか来ないらしい
さみしい
今まで色んなところで働いてきたお姉さんにとっては、わざわざ一人の学生バイトに思い入れなんてないってわかってる。
でも、わたしは3年目にして初めて同僚ができて(それまでわたしの職種はワンオペで、同性もいなかった)嬉しかった
嬉しくてたくさんはしゃ