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記事一覧

ファッションには、無駄と消費が必要だ。

ファッションには、無駄と消費が必要だ。

5月末、古着屋に6年間勤めた友人が退職した。彼とはもう10年くらいの付き合いで、10代の頃から洋服の話を延々としていた服バカ友達の一人だ。

当時は、まわりのみんなが「モード系」と呼ばれる、ハイブランドの洋服に憧れていた。思い返せば、あの頃バカみたいに洋服にお金をつぎ込んでいた。お金を貯めたことなど一度もない。シーズンごとに次々と繰り出される最新コレクションにありったけの資金をつぎ込み、どうしても

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これからのアパレル店舗には「わざわざ立ち寄る理由」が必要だ

これからのアパレル店舗には「わざわざ立ち寄る理由」が必要だ

最近街を歩いていて気になることがあります。それは、街にはたくさんの人が歩いているのにアパレルの店にはあまり人がはいっていないという現実です。

もちろんユニクロやZARAなどの一部の人気の店ではにぎわっていたりするのですが、百貨店や駅ビル、路面店など大体の店には「以前に比べて人が少ないな」という実感があります。街中には以前と同じく人が溢れているのに、アパレル店舗に立ち寄る人の数は明らかに減っている

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あなたはイギリス派?イタリア派?アメリカ派?「自分のあり方」から考える服の選び方

あなたはイギリス派?イタリア派?アメリカ派?「自分のあり方」から考える服の選び方

あなたは普段、どうやって自分が着る服を選んでいますか?

「服の選び方がよくわからない」「自分に似合う服の見つけ方がわからない」などの声を聞くことがよくあります。

流行のデザインや色、素材、価格など、選び方は、人によって違いますが、私は以前から服を選択する基準の中で「自分がどうありたいか」という考え方が大事だと思っているんです。

服選びの基準は、デザイン、素材、色だけでなく、「なりたい自分」や

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最適な服の選び方って?#左脳的ファッション解説

最適な服の選び方って?#左脳的ファッション解説

服を選ぶ基準は人それぞれ。ブランド、デザイン、価格などさまざまな観点で選んでいると思います。服が好きな人にとって、それは当たり前のことですが、そうでない人からは「どう服を選べばいいのかわからない」という悩みを聞くことも。

こういった悩み相談をされることが多いことから、「感覚的ではなく左脳的でロジカルな考えによる服の選び方」について、いくつか図解してみたところ、たくさんの方々から反響をいただきまし

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「服が大量に廃棄されている理由」自戒の念をこめて

「服が大量に廃棄されている理由」自戒の念をこめて

「新品の服が大量に捨てられている」あなたはこんな現実を信じられますか?私自身もにわかに信じがたいのですが、本当に起きていることなのです。過去のnoteでも書きましたが、昨年ではバーバリーが42億の売れ残りを焼却処分したことが明るみに出たり、日本でも年間10億着以上の廃棄が発生していると報じられたりするということがありました。

ファッションビジネスはいま、過渡期をむかえています。大量生産による廃棄

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これからの時代、洋服を売る上で必要なこと

これからの時代、洋服を売る上で必要なこと

私は学生時代にアルバイト代のほとんどを洋服に使うくらい洋服大好きだったのですが、そういえばここ3、4年はめっきり洋服を買わなくなりました。

時々ユニクロやGUでシンプルなアイテムを買い足すくらいで、平日の多くはノースリーブニット+ミモレ丈スカートが定番コーディネートです。

なんで洋服を買わなくなったんだっけ、と思い返してみると、学生時代に比べて"新しい洋服を着て行きたいイベント"が圧倒的に減っ

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ZOZOvsユニクロの裏で起きていること

ZOZOvsユニクロの裏で起きていること

今、ファッション業界の話題といえば、ZOZOかユニクロが中心になっています。昨年発表されたZOZOスーツは大きな話題を呼び、それに対してユニクロの柳井さんの挑発するようなコメントに大きな盛り上がりを見せていました。

私は仕事柄、日本や海外の工場に行く機会が多く、現場の状況を把握している立場からすると少し違和感を感じたことがあります。

システムの発達とアナログな現場のギャップ最近の業界紙のトピッ

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日本人の知らない、日本のファッションの明るい話

「日本が世界に誇れるもの」と聞いて何を連想しますか?

ぱっと思い浮かぶものとしては車のトヨタ、ホンダ、電気のソニー、パナソニックなどではないでしょうか。これらの企業は世界的にも成功していて海外へ行っても日常的に製品を見かけることができます。

では、私がいるファッション業界で世界に誇れるブランドは?

業界の人間としては、一番に名前があがるのは「コム・デ・ギャルソン」ではないでしょうか。

私は

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同じ服を着るようになってから変わったこと

同じ服を着るようになってから変わったこと

去年の秋頃から服装を全身黒コーデ&同じ服を着る生活をするようになりました。

ジョブズを意識しているの?と良く聞かれるのですが、全然そんなことはなく、その認識を払拭したいため、今日はなぜ同じ服を着るようになったのかということと、そのメリットについて少し書いていこうかと思います。

同じ服を着るようになったきっかけ
単純に筋トレをしていたら、今までのサイズの服が着れなくなったのがきっかけです。最初は

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ダメな人のための洗濯の知識

ダメな人のための洗濯の知識

この記事はこんな人のための記事です。

①素材特有の機能や風合いを活かしたい。
②なるべく全ての服を一緒に洗いたい。
③とにかくシンプルに雑に気にしないで洗いたい。
④薬局とかで簡単に手に入るものを使いたい。
④できれば環境へのインパクトも抑えたい。

みんなどうしてる?気に入って買った洋服。初めて着るときのテンションといったら、正直言語化できませんよね。なんなのでしょう。あの無敵感。自分が生まれ

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服は機械で作られていると思われている。

服は機械で作られていると思われている。

一昨日、学生時代の恩師、横田先生と、先生の学生さんと食事をした。

私は先生の服装史の授業が大好きで、年度末の授業が終わってから、先生に手紙を渡したことがある。

それから先生と仲良くなり、卒業して考えてみたらもう10年以上経つことに今驚いているけど(笑)、いつも「最近はどう?」とメールをくださる、正に恩師である。

一昨日は、「急だけど今日の夜空いてる?」という連絡があった。

行ってみると、そ

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ギャルソンにもオーラリーにもユニクロにもなれない

ギャルソンにもオーラリーにもユニクロにもなれない

僕はfoufouというブランドをやっている。
大学卒業後に文化服装学院の夜間部に入りなおして、その在学中にはじめた。元々、ブランドをやりたくて学校に入ったわけではなく「アパレルの内勤になりたかった」という大卒就活の道に迷い入りなおした。

ユニクロになれない

大卒で総合職に就いて販売から始めるよりは夜間の学校に通いながら生産の流れがわかるバイトをしたほうが現場力がつくと考えたわけだ。一見、しっか

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Junya Watanabe Manの編集力

Junya Watanabe Manの編集力

Shigeaki Arai (@mistertailer) さんのクラウドファウンディングで「カスタマイズテキスト」のリターンを購入して、せっかくなのでnoteにもアップしてくださいとお願いしました🙏 (内容がっつりでありがとうございます🙇‍♂️)

好きなとこ(そうそう、それー!ってとこ)抜粋しときます↓

渡辺淳弥は「これまで見たことのある服を、見たことのない服」へと作り変えるアプ

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プロパーで売り切ることこそが、顧客還元に繋がる。

プロパーで売り切ることこそが、顧客還元に繋がる。

foufouは卸売りをしていない。(ポジショントークですまん)
セレクトショップや百貨店に置いていないということ。
よって原価率は高めに設定できるので、品質と価格のバランスが
いいですよということ(最近はあまり推していない。そういうブランド増えすぎてね)

個人のブランドが卸しなしではじめるなんて
これまでは不可能なだったんじゃないか。
様々なプラットフォームができたことで、顧客と直接繋がれるよう

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