kazu

60代、男性。定年退職後、自分探しを行うべく書き始めています。 暮らしの中で、思ったこ…

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60代、男性。定年退職後、自分探しを行うべく書き始めています。 暮らしの中で、思ったこと、気が付いたことを書き連ねています。

記事一覧

夕方の空と「まげでらんね」

 5月となると、太陽が沈んだ後、空にはまだ夕日が留まっている。  西を背にして白いビルを見上げると、ビルは夕焼け色の化粧をまとい、その上に広がる空は、青空が、さ…

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1日前
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書きたいもの・書きたいこと (自分へ向けた呟き)

 先日、とある冊子で目に付いた一言で、悩みの沼にいることに気が付いた。 「書きたいもの」と「書きたいこと」は明確に違う。  書きたいものとは、あることを紹介したり…

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2日前
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こころざし (ひねくれ者の、呟き)

「こころざし」の意味をスマホで開くと、こうしようと心に決めたこと、目標、ある方向を目指す気持ち、心の持ち方、信念などと出てくる。  この言葉、60オーバーの自分…

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2週間前
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言葉と慈しみ

 誰かが自分に対して発する言葉、うめきや落胆のため息。  昔、妙に気になり、不快になる時があった。直接、攻撃されていないけれど、人を見下すのは言葉でなくてもでき…

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2週間前
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ジプシー・キングス 「インスピレーション」

 昔、「鬼平犯科帳」というテレビ番組を好んで見ていた時期があった。  秀逸な作品であり、内容にも傾聴すべきところが多々あった。  そのエンディングテーマが「インス…

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3週間前
7

ぼくにとっての「言葉を紡ぐ」

 ぼくにとって言葉を紡ぐということは、誰かに手紙を書くようなものだ。誰かの一番身近にいるのは自分である。  自分に対して手紙を書くとは妙かもしれないけれど、書く…

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1か月前
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浦島太郎伝説

 とある街に一人で住む三十過ぎの独身男性。彼の母親は早くに亡くなり、父親は幼いころに行方不明となっていた。この男性、仕事で行き詰まり会社をやめて部屋を片付けてい…

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2か月前
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我がオイルライター

 昔、ライターに火が着かなくて悲しい思いをした。  知人の誘いを受けてバスツアーに参加した時のことである。バスは観光地を巡りながら時々停まり、土産物の購入やトイ…

kazu
3か月前
5

泣きそうな顔になっている

いつだったろう NHK SONGSの録画を見た後に、 妻から「泣きそうな顔になってる」と言われた。 その番組は、60歳になる芸能人が主人公だった。 60歳になり、歌う歌が心に…

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5か月前
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冷凍庫の霜

 ぼくの家には小さな冷凍庫がある。  この冷凍庫には、長期保存が可能な冷凍パッケージのおかず弁当が入っている。弁当は塩分が調整されていて、体に良いとのこと。最近…

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6か月前
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静かな表現者

静かな時間や空間は近頃の好みである。 人混みは嫌いになり、喧噪が溢れる街の中は苦手なエリアとなった。 昔はそうではなかった。 わざわざ、一人で人混みを求めて街中を…

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6か月前
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買い置きしていたチノパンは時代遅れ

 40代半ばから、外出するときはスーツではなく気軽にはけるスラックスを履いていた。 その前は、仕事は作業服の上下を着て、通勤にはジーパンをはいていた。40代と…

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6か月前
8

哀愁のメガネフレーム

 長年、使い続けてきたメガネの話。  メガネを掛け始めたのは小学生の頃で、ある日急に視力が落ちた。 今思えばそうゆう体質だったのだろう。おかげでサッカーなど本気で…

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6か月前
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蚊のいない夏の雑感

 今年の夏は蚊と遭遇した記憶がない。  暑くてたまらない夏だったし、蚊も動き回るには暑すぎたのだろう。 テレビからは「とりあえずポップなビートで逃げ出したい・・」と…

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6か月前
5

負けず嫌い

 先日、とある女性歌手のヒストリー番組があった。  楽曲を担当していたディレクターが、彼女は負けず嫌いだったと回想していた。  プロとして歌う姿勢へ向けた称賛の言…

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8か月前
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うまい食い物 キッシュ

 昨年の秋、キッシュというものを食(く)った。ほうれん草とベーコンのキッシュ。    『キッシュ』とはフランスの郷土料理だが、店のショーウインドーケースに並んで…

kazu
8か月前
9

夕方の空と「まげでらんね」

 5月となると、太陽が沈んだ後、空にはまだ夕日が留まっている。
 西を背にして白いビルを見上げると、ビルは夕焼け色の化粧をまとい、その上に広がる空は、青空が、さらなる鮮明な青に感じる。
 夕日のいたずらだろうか。
 周りの木々のみずみずしい緑も、深い緑色となり、静寂の空気を、より鮮明に感じさせる。
 一年の季節の中で、すがすがしい夕方は今なのかもしれない。
 そんなすがすがしさが言わせたのか、空を

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書きたいもの・書きたいこと (自分へ向けた呟き)

 先日、とある冊子で目に付いた一言で、悩みの沼にいることに気が付いた。
「書きたいもの」と「書きたいこと」は明確に違う。
 書きたいものとは、あることを紹介したり、書き留めておくというお話。事実や空想を問わないだろうし、面白おかしく書けば、読む人も楽しいだろうけれど、単なるお話。

 書きたいこととなると、書く人の心があることで、書きたいことの発見が大切とあった。

 最近、いろいろと目にする中に

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こころざし (ひねくれ者の、呟き)

「こころざし」の意味をスマホで開くと、こうしようと心に決めたこと、目標、ある方向を目指す気持ち、心の持ち方、信念などと出てくる。
 この言葉、60オーバーの自分の中では、もはや忘れ去ってしまっていた。
 昔、30歳を過ぎると、生活の糧を得るために仕事に追われていた。仕事において信念はあったものの、こころざしというものとは違う。
 なぜ、今この言葉に拘るのか。
 不思議なことだけれど、懐かしいのかも

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言葉と慈しみ

 誰かが自分に対して発する言葉、うめきや落胆のため息。
 昔、妙に気になり、不快になる時があった。直接、攻撃されていないけれど、人を見下すのは言葉でなくてもできるのだと感じた。
 もちろん、そのような場にいなければ良いだけなのだ。しかし、想定していない事象に不意をつかれると、避けようもない。
 文章となると、話し言葉より、不快にさせる破壊力がある。話し言葉ならいつか記憶から消えていくこともあるけれ

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ジプシー・キングス 「インスピレーション」

 昔、「鬼平犯科帳」というテレビ番組を好んで見ていた時期があった。
 秀逸な作品であり、内容にも傾聴すべきところが多々あった。
 そのエンディングテーマが「インスピレーション」であり、物語を見終わった後に、エンディングを聞いてもう一度物語の中に戻っていったのを覚えている。

 グループの名前はジプシー・キングス。フランスのバンドなれど、全曲をスペイン語で歌っているらしい。南フランス出身のジプシーだ

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ぼくにとっての「言葉を紡ぐ」

 ぼくにとって言葉を紡ぐということは、誰かに手紙を書くようなものだ。誰かの一番身近にいるのは自分である。
 自分に対して手紙を書くとは妙かもしれないけれど、書くことの原点と思っている。
 良いところ悪いところを何気なく書き連ねて、自分は何者かという迷路の森に迷い。森にじっと身を潜める。それも悪くないじゃないかと開き直る。

 エッセイは、楽しいことや面白いことが必然と考える方もいるかもしれない。そ

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浦島太郎伝説

 とある街に一人で住む三十過ぎの独身男性。彼の母親は早くに亡くなり、父親は幼いころに行方不明となっていた。この男性、仕事で行き詰まり会社をやめて部屋を片付けていたら古いメモを発見した。そのメモには海岸の名前が記されており、父親の消息につながるかもしれないと思い、これまで気になりながら生きてきた父親の消息探しを始めたのだった。
 確かこうゆう始まりの新聞連載をふと思い出した。
 物語は新聞社の女性記

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我がオイルライター

 昔、ライターに火が着かなくて悲しい思いをした。
 知人の誘いを受けてバスツアーに参加した時のことである。バスは観光地を巡りながら時々停まり、土産物の購入やトイレに行くための休憩がある。その日のバスは座席の前後に余裕が無く窮屈で、座っているのは大変だった。気分転換と足の関節をほぐすために休憩時間に車外に出て煙草を吸おうとした。しかし、その日は風が強くてライターに火が着かない。結局、煙草を吸わないま

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泣きそうな顔になっている

いつだったろう
NHK SONGSの録画を見た後に、
妻から「泣きそうな顔になってる」と言われた。

その番組は、60歳になる芸能人が主人公だった。
60歳になり、歌う歌が心に響く人になっていた。
自分は64歳。
60歳の時に、こんな歌は歌えなかったなぁと呟いたら、
これからでしょ?と言ってくれた。
そうか・・・・。
70歳が目標でもいいか・・・・。
そんなことを自分に言い聞かせていた。

歌はな

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冷凍庫の霜

 ぼくの家には小さな冷凍庫がある。

 この冷凍庫には、長期保存が可能な冷凍パッケージのおかず弁当が入っている。弁当は塩分が調整されていて、体に良いとのこと。最近は弁当のグレードも上がり、味付けも濃く、コンビニ弁当と大差ない味になってきている。
 ぼくは、気まぐれな食事が多いので、こうゆう弁当を食べていかないと栄養配分などめちゃくちゃになり、体調も不調になっていくのだろう。さらに冷凍庫を開ければい

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静かな表現者

静かな時間や空間は近頃の好みである。
人混みは嫌いになり、喧噪が溢れる街の中は苦手なエリアとなった。
昔はそうではなかった。
わざわざ、一人で人混みを求めて街中を彷徨っていたのだけれど、
喧噪の人混みの中に一人身を置くと、
孤独ともいえる空間との触れ合いが心地よかった。
ひねくれた反動が孤独を心地よく感じていたのかもしれないし、社会からはみ出した者だったとも思う。

最近、ある時ふと「表現者」とい

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買い置きしていたチノパンは時代遅れ

 40代半ばから、外出するときはスーツではなく気軽にはけるスラックスを履いていた。
その前は、仕事は作業服の上下を着て、通勤にはジーパンをはいていた。40代という年になり、スーツで通勤していた時期もあったけれど、40代半ばからは、四六時中気を使ってスーツを着ることも無いだろうと開き直ってしまったのか、会議でもない限り、いつのまにか一日中スラックスを履いているようになった。
 スラックスは毎日

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哀愁のメガネフレーム

 長年、使い続けてきたメガネの話。
 メガネを掛け始めたのは小学生の頃で、ある日急に視力が落ちた。
今思えばそうゆう体質だったのだろう。おかげでサッカーなど本気で出来ないスポーツもあった。高校生になるとコンタクトレンズが世の中に出始めたけれど、手入れがおろそかだったこともあり、目に深い傷が出来てコンタクトレンズは使用不可となってしまった。そこからは、また、メガネの生活である。もう40年が経つ。
 

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蚊のいない夏の雑感

 今年の夏は蚊と遭遇した記憶がない。
 暑くてたまらない夏だったし、蚊も動き回るには暑すぎたのだろう。
テレビからは「とりあえずポップなビートで逃げ出したい・・」とハマいくコンビが歌う「ビートDEトーヒ」が流れてきて、まさにとりあえず暑さから逃げ出したいという気分の夏だった。

 蚊は気温が二十五度から三十度くらいに活発な活動をするらしいが、今年は夜中も三十度を超えていたためか、朝夕のみならず夜中

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負けず嫌い

 先日、とある女性歌手のヒストリー番組があった。
 楽曲を担当していたディレクターが、彼女は負けず嫌いだったと回想していた。
 プロとして歌う姿勢へ向けた称賛の言葉だった。

 「負けず嫌い」という言葉は、向上心がある努力家、競争心が強い人、高い目標を持つ人、プライドが高い人、見栄っ張りな人など、良くも悪くも取れそうな言葉だ。

 ぼくが日常で目にしてきた負けず嫌いの人たちは、虚栄心が強く、人の上

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うまい食い物 キッシュ

 昨年の秋、キッシュというものを食(く)った。ほうれん草とベーコンのキッシュ。  
 『キッシュ』とはフランスの郷土料理だが、店のショーウインドーケースに並んでいるこの『キッシュ』は、三角で小さくて、なんでこんなに値段が高いのだ?これが最初の印象だった。
 コーヒー屋のキッシュだが、味わいが深く、複雑に入り混じるヨーロッパの味。(ぼくはヨーロッパというか,外国には行ったことが無いのだけど・・・)

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