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ジョン・コルトレーン・カルテット『クレッセント』
高田馬場にあった「ムトウ」は大学に通う途中にあったこともあって本当にお世話になったレコード店で、道を挟んで2店あったうちの片方にあった、半地下のようなジャズコーナーは、そこでいくつも大切なアルバムを購入した場所だった。
ジョン・コルトレーン・カルテット『クレッセント』もそんななかの一枚で、紙ジャケット仕様で何枚か集中して出たラインナップのひとつ。 #applemusic で久しぶりに聴いてみ
無人島に持っていくジャズ
無人島に持っていくジャズ――という設問を、以前は「一番好きなアルバム」くらいに考えていたのだけれど、「無人」の場所に持っていく前提を考えるなら、楽器で選ぶべき気もしてくる。例えばピアノのアルバムよりもヴォーカル……もし歌ものを選ぶのではないとしても、管楽器のあの、声の延長としての楽器が出す音を体が求めるような予感がある。
ラサーン・ローランド・カークは自分にとっての全音楽ジャンルにおけるもっとも
話数単位で選ぶ、2023年TVアニメ10選
TVアニメを「話数単位で」選ぶという方針は、どうしても、シリーズ全体としての好感のようなものを反映させにくい。映像的な突出に対する加点とはまた異なる、例えば「シリーズ構成」のようなポジションの仕事への言及もいきおい限定的なものになる。……言わずもがなのことを最初に書いたが、そういう理由で好きだった作品や、あるいはもっと漠然と「突出したクオリティを誇るというのとは違うけど、全体として何かすこく好ま
もっとみる『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』と『無敵超人 ザンボット3』の記憶について
『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』観てきた。爽快感と安心感を充分に摂取した気分で映画館を出た。「TVアニメの劇場版」というジャンルがあるとして、その王道をいろんな意味で体現している映画だと感じた。
『名探偵コナン』の劇場版に近しい感じをもったのは、冒頭の状況説明パート(コナンの場合は小さくなった、こちらは疑似家族になった、それぞれの経緯)の組み込まれ具合と、カップルや家族連
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのチバユウスケの訃報は私にとって到底、すぐに消化できるような類のものではありませんでした。かといって、ずっと悲嘆にくれていたりという、そういうことでもない。
作品を介してその声を聴いてきたという関係は、肉親や友人というのとはやはり違う。残るのは、ものすごく大きな喪失感と、これから先も残された作品を聴くことでそのつど「これは一体何だろう」と考えるん
ミッシェル・ガン・エレファント
「だがべつに、ミッシェル以外に多くのロックバンドが登場して盛り上がったわけではない。ミッシェル・ガン・エレファントという一つのバンドの力で、それが起きたのだ。」/山崎洋一郎の「総編集長日記」 https://rockinon.com/blog/yamazaki/208246
人もあろうに山崎洋一郎がこういう言い方をしたことが悲しい。
ミッシェルが「一つのバンドの力で」あのときのロックの熱気を
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』12話「逃げ出すよりも 進むことを」感想
『水星の魔女』12話、アバンのプロスペラのつぶやきを聴いたとき、彼女が「母親としての碇ゲンドウ」であることを改めて思う。そしてゲンドウがシンジをエヴァに乗せる方法と、プロスペラがスレッタをエアリアルに乗せる方法の差異は、両者を隔てている時間以上の、大きな意味をもつんだなあって。
内面の世界へ逃げ込むことだけは禁じられた、紛れもない他者がそこにいる複数の物語であることにおいて、『水星の魔女』は『(
わたしのアニメ歴3選
■『銀河鉄道の夜』('85 監督:杉井ギサブロー)
■『戦闘メカ ザブングル』('82~83 監督:富野由悠季)
■『きまぐれ オレンジ★ロード あの日にかえりたい』('88 監督:望月智充)
(以上、順不同)
『銀河鉄道の夜』
日本のアニメーション作品でもし1本だけ選ぶとしたら、みたいな無茶なテーマがあったとして、最初に頭に浮かぶのはこれかもしれない。映像も音もとにかく桁外れの、ジャンルの到達
話数単位で選ぶ、2022年TVアニメ10選
個人的に今年は、日本の商業アニメというジャンルが今ある状況を象徴するような出来事が連続した年だったという印象をもっていて、そしてその印象や出来事は、この10選には(少なくとも直接は)反映していません。
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■『王様ランキング』第14話 第十四話 王子の帰還 (1/21)
きつそうな見た目の継母が作中の誰よりも優しく主人公を抱擁する人間であって何が悪いとばかりに、キャラクターたちの