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『らじおと』は、30年前に抜擢されテレビで昼の帯番組の司会をまかされたが半年で打ち切りになった『素敵な気分De!』のリベンジだったんだろうか?
伊集院光のMCとしてのスキルはほんとにすごいと思う。ゲストの発言がちょっとでも行きすぎたりしたらすかさずバランスをとる頭の回転の速さとか。奇形的なくらい。それでもゴールデンタイムで冠番組を持つような、芸能界の真ん中にいる人気者にはなれなかった。そんな芸人はほんの一握りだとはいえ。芸能界で何十年も生き残れるだけでもすごいことだけど、ただ「生き残る」だけではない、もう一段上を目指そうとすると、そこには
もっとみる『メメント』、『インターステラー』、『TENET』--クリストファー・ノーランの運命論
夕方5時のチャイムが
今日はなんだか胸に響いて
「運命」なんて
便利なものでぼんやりさせて
――フジファブリック「若者のすべて」
自由意思は本当に存在しているのだろうか。物理法則を信じ、人間の体や脳も物理法則に従っていて、意識も意思決定も脳内現象の産物だと信じるなら、私が自由に選択を行っているというのは幻想ということになる。しかし、「1から10までのあいだで好きな数字を選んで」といわれたら、脅
『評伝ボッカッチョ』読書メモ
アンリ・オヴェット『評伝ボッカッチョ』大久保昭男訳(新評論、1994年)。拾い読みしかできていないけど印象に残ったところをメモ。
河出文庫の『デカメロン』訳者解説でもいわれてるように、この評伝は1913年に書かれたもので、最新の研究結果を反映してなくて限界もあるんだろうけど、各話の分析はなるほどと思うところが多かった。
『デカメロン』が具体的にどういう人にどのように読まれたかというのを知りたかった
『デカメロン』読書メモ 第7日目
第6日目の話を読んで、『デカメロン』にはアンチ・キリストという隠しテーマがあるんじゃないかと思ってたら、7日目のまえがきにいきなり「悪魔大王(ルチーフェロ)と呼ばれる明けの明星」だけが空に輝いている描写があってどきりとする。
第7日目のテーマは「女たちが夫の留守にやらかした悪さの数々」。「悪さ」というのはつまりは不倫なんだけど、いままでも寝取られる話はいろいろあったけど、違うのは夫が徹底して酷い目