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ワンオペ教育狂騒曲:子育てライフハック

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女性は,娘,妻,母,仕事などたくさんの役割を同時に演じる多彩なライフを生きています。3人育児中の研究者の実践記録を通して,子育てにおける母親の負担を軽減するために,使えるハックを… もっと読む
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#先生

あんたのエルメスのために働いているんじゃない

あんたのエルメスのために働いているんじゃない

「邪魔だ。あっちいっててくれ」

日本初の植物学者の牧野富太郎博士をモデルにした,朝ドラ「らんまん」を観ていたら,研究に没頭して,新婚ホヤホヤの妻が夕飯を共にしようと呼びに来たところに,集中を切らされたくない牧野氏がつい声を荒げるシーン。

妻は,「おっかさんといつも一緒にご飯を食べてきたから,ショック」みたいなことを言って,牧野氏が平謝りする展開だった。

わかるわ。

いつもいつも時間に追われ

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親バカで何が悪い?

親バカで何が悪い?

「うーちゃん、塾楽しい?」

第1志望校に合格した長子と入れ違いに、新4年生になる中子が3月から塾に通い始めることになった。

中学受験塾は、小4から3年間かけて小6の受験生を作ってゆくが、小3の2月が新年度のスタート。

2月スタートならば、秋から遅くとも1月までには入塾準備が必要だけども、長子の受験サポートに専念したいから意図的に2月入塾はスルーした。

昨今の中受験の過熱ぶりはかなりなもので

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ADHDだけが発達障害ではないのです ピアノ好きなYのこと

ADHDだけが発達障害ではないのです ピアノ好きなYのこと

「先生は知っているの?先生に言っておいた方がいいんじゃないか」

子どもを夫婦で分担してピアノ教室に連れていき,公園に行きたがった末子だけ連れて先に帰宅したわたしに夫が言った。

見れば,長子と夫だけ先に帰ってきている。中子のYはどうした?

我が家には3人の子どもがいるがみなそれぞれ,「取り扱いに注意を要する」の要人級の子どもたちだ。

「カシ丸家のみなさんは」なんて,この春まで,3人の子どもた

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働き母のミカタ登場 人参しりしり器

11年間の春うららかな日、311の余震とホウシャノー汚染への不安を抱えながら、大学院を満期退学し、生後5ヶ月の赤子を保育園にあずけて仕事に復活した。

地下鉄の改札を抜けて、地上に出た時の日の光の眩しさ。海から漂ってくる磯くさい生ぬるい風を受けながら、タンポポが咲く道を通って職場へ急いだ風景を今でも,時折,思い出す。

小生、働き母キャリア11年目。

なぜゆえに,母親ばかりが育児と家事を大幅にせ

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心理学は己を助ける技術である

「そういうことだったんですね!とてもよくわかりました」

心理アセスメント(テスト)のフィードバック(報告)を説明する前から,臨戦態勢だった相手の顔がふっとゆるみ,笑顔がこぼれた。

「これ,読んでもよくわからないんですけどっ」

相手は,開口一番にわたしに宣戦布告をした。

確かに,テストの結果をシンプルに書いているので,臨床心理学を修めたテスター(テストを取る人)にしかわかりづらいかもしれない

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ここまで来ればピアノもう大丈夫!

ここまで来ればピアノもう大丈夫!

「だいぶ音が出るようになりましたねぇ。ここまでくればもう大丈夫です」

帰りしな、大先生は、ニコッと笑って、わたしにそう言った。

大先生とはこちらの先生だ。

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