Daisuke Ueki

株式会社ROXX 執行役員 COO 日々の試行錯誤から得られる学びを発信していく所存…

Daisuke Ueki

株式会社ROXX 執行役員 COO 日々の試行錯誤から得られる学びを発信していく所存です

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上場企業→スタートアップに転職した男の末路

新卒で入社した上場会社を丸1年で退職し、株式会社ROXX(旧SCOUTER)にジョインしてから、すでに2年がたった。その時はSCOUTERというプロダクトも世の中に出ていなかったので…

Daisuke Ueki
6年前
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"合理の先にあった葛藤の昇華"~事業立ち上げ振り返り~

こんにちは、新たにROXXのCOOとなりました、植木です。 COOになる前は新規事業責任者として新規事業の立ち上げにコミットしていたことから、今回は事業づくりをテーマとし…

Daisuke Ueki
8か月前
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事業責任者の後悔と「ノーススターメトリック」

過去の事業責任者を務めた時代において「1番の後悔が何か?」と問われると責任者就任時に、ノーススターメトリック(以下NSMと表記)を設定&合意形成した上で、事業を推進を…

Daisuke Ueki
1年前
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事業責任者就任〜委譲における心境変化のリアル

2021年12月末をもって、3年間務めた事業責任者の役割を新責任者に移譲した。 事業責任者を引き継いでから、売上は約10億円規模、ざっくり7倍くらいには成長した。組織も7…

Daisuke Ueki
2年前
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SaaS立ち上げ時こそ、GTM ~あるいはPMFの正体について~

SaaSにてPMFを目指す立ち上げ初期こそ、積極的に顧客獲得のためのリソース投下を行うべきではないか、最近ではそんな風に考えるようになった。 「SaaSは解約率の改善から…

Daisuke Ueki
2年前
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良いイシューとは何か

この問いは、仕事や事業に向き合う人であれば、何度も考え、頭を悩ませたことがある問いだと思います。私自身も、「イシューの質」が、顧客やユーザーに価値提供するために…

Daisuke Ueki
3年前
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スタートアップの成長速度を決める"改善サイクル”の教科書

第二創業期のスタートアップだったROXXにジョインしてから、早5年が経った。解が見えない状況で解を見つけるプロセスは、時には残酷で、時には非常に充実した満足感を得ら…

Daisuke Ueki
3年前
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マネジメント層が仕事を楽しむ意味

「仕事を楽しむ」というキーワードを見たときに、多くの人は嫌悪感を示すだろう。 仕事はお金のためにやっているから我慢の連続であるというように「仕事はお金稼ぎの手段…

Daisuke Ueki
3年前
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ここ1年の事業責任者としての失敗を綴る

怒涛の期が終わり、新たな期が始まった。 この前期の1年間はコロナの影響もあり、本当に怒涛の1年間だった。売り上げ規模としては、前期は昨対比で約2倍の成長を遂げるこ…

Daisuke Ueki
3年前
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スタートアップ4年目で見えた"成長が早い人"の4つの特徴

いわゆる大手企業から、株式会社ROXXというスタートアップに転職してきて、もうすぐ4年が経とうとしている。 当時は新卒で入った会社をたった1年で辞めるだけの崇高な理由…

Daisuke Ueki
4年前
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「求人広告はもう終わりだ」は本当か?

「求人広告はもう終わりだ」と耳にする機会が増えてきた。 これはあくまで個人的な感覚だけど、求人メディアに関わる業務に従事している人ほど、上記のような発言をする人…

Daisuke Ueki
4年前
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人材紹介は誰のためのサービスなのか?

「人材紹介は誰のためのサービスなのか?」 人材紹介事業に関わったことがある人は、この"問い"については、一度は考えたことがあると思う。 求人企業と求職者の双方のニ…

Daisuke Ueki
4年前
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SaaS界の中心で"NRRの重要性"を叫ぶ

週刊SaaS magazineの第3弾です。先週まではARR461%成長の裏側と称して、SaaS立ち上げ時に実施すべきことを二週にわたって書きました。 今週はSaaSだからこそ、愛すべき指…

Daisuke Ueki
5年前
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ARR461%成長の裏側② 立ち上げ時の行動は1年後のMRRを映し出す鏡である

SaaS Magazine 「ARR461%成長の裏側」の第2弾です。 前回シェアいただいた沢山の方々ありがとうございました。(第1弾はこちら) SaaS MagazineはSaaSをさらに盛り上げたい…

Daisuke Ueki
5年前
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ARR461%成長の裏側① SaaS立ち上げ時に避けるべき負のサイクルとは

「SaaSはプロダクトが良ければ勝手に伸びるでしょ」 なんて思っていませんか? BtoBの SaaSであれば、"営業やマーケをなんてしなくてもプロダクトが良ければ勝手に成長し…

Daisuke Ueki
5年前
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ゴリ押し営業の先に何が見える?営業キャリアにSaaSセールスが最適な理由

新卒で入社した営業会社を1年で辞めてから、早3年が経とうとしている。 プロダクトバリューというよりも、とてつもない営業力を武器として、未だに成長を続けるその上場会…

Daisuke Ueki
5年前
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上場企業→スタートアップに転職した男の末路

上場企業→スタートアップに転職した男の末路

新卒で入社した上場会社を丸1年で退職し、株式会社ROXX(旧SCOUTER)にジョインしてから、すでに2年がたった。その時はSCOUTERというプロダクトも世の中に出ていなかったので、会社に"売上"というものはまだなかった。前職の上司からは「そんな会社に行って大丈夫か?」と頻繁に心配され、とある上司には「お前の人生終わったな」と言われたのをよく覚えている。

特に大手企業に勤めている若い人たちは、

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"合理の先にあった葛藤の昇華"~事業立ち上げ振り返り~

"合理の先にあった葛藤の昇華"~事業立ち上げ振り返り~

こんにちは、新たにROXXのCOOとなりました、植木です。

COOになる前は新規事業責任者として新規事業の立ち上げにコミットしていたことから、今回は事業づくりをテーマとしたnoteを書きます。

コンセプトは、”合理の先にあった葛藤の昇華"です。フレームワークやセオリーに溢れた世の中ですが、事業づくりはフレームワークやセオリーのように美しく進むものではなく、毎日が葛藤だらけでした。その葛藤の中に

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事業責任者の後悔と「ノーススターメトリック」

事業責任者の後悔と「ノーススターメトリック」

過去の事業責任者を務めた時代において「1番の後悔が何か?」と問われると責任者就任時に、ノーススターメトリック(以下NSMと表記)を設定&合意形成した上で、事業を推進をできなかったことだ。

プロダクトを通じて価値を提供し、価値提供の総量が拡大した結果として、売上が成長する、このプロセスを経て事業が成長する。

だが、売上成長のためのKPIを追い続ける日々に変わり、プロダクトの価値向上が二の次になっ

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事業責任者就任〜委譲における心境変化のリアル

事業責任者就任〜委譲における心境変化のリアル

2021年12月末をもって、3年間務めた事業責任者の役割を新責任者に移譲した。

事業責任者を引き継いでから、売上は約10億円規模、ざっくり7倍くらいには成長した。組織も7倍くらいの規模となった。

これからは、新たに新規事業部を立ち上げ、新規サービスの立ち上げ、事業責任者の輩出の2つにコミットする。

非連続で、それでいて継続的な成長を続けることが求められるスタートアップでは、事業責任者の輩出は

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SaaS立ち上げ時こそ、GTM ~あるいはPMFの正体について~

SaaS立ち上げ時こそ、GTM ~あるいはPMFの正体について~

SaaSにてPMFを目指す立ち上げ初期こそ、積極的に顧客獲得のためのリソース投下を行うべきではないか、最近ではそんな風に考えるようになった。

「SaaSは解約率の改善から行う(バケツの穴から塞ぐ)」というのが定石だと言われており、自分自身もそう考えていた。
しかし、このメッセージに囚われすぎると、チームとしての「学習機会」が過度に失われ、PMF達成の速度をかえって遅くしてしまうケースがあるのでは

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良いイシューとは何か

良いイシューとは何か

この問いは、仕事や事業に向き合う人であれば、何度も考え、頭を悩ませたことがある問いだと思います。私自身も、「イシューの質」が、顧客やユーザーに価値提供するために、そして事業を成長するために、つまりは価値ある仕事をするために、最も重要な変数であると気づいてから、「良いイシューとは何か」という問いに向き合ってきました。

イシューの良し悪しは、後から振り返ることが難しく、イシューの質が悪かったのか、も

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スタートアップの成長速度を決める"改善サイクル”の教科書

スタートアップの成長速度を決める"改善サイクル”の教科書

第二創業期のスタートアップだったROXXにジョインしてから、早5年が経った。解が見えない状況で解を見つけるプロセスは、時には残酷で、時には非常に充実した満足感を得られる。しかし、実行方法を間違えれば、泥沼にハマり抜け出せなくなるばかりか、光すらも見失いアクションを取れなくなってしまう人も多く存在する。

とはいえ、解がない中で解を見出すための改善サイクルは、組織に精度高く根づけば根付くほど、事業成

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マネジメント層が仕事を楽しむ意味

マネジメント層が仕事を楽しむ意味

「仕事を楽しむ」というキーワードを見たときに、多くの人は嫌悪感を示すだろう。

仕事はお金のためにやっているから我慢の連続であるというように「仕事はお金稼ぎの手段」だという考え方の人もいれば、仕事は成長するためにやっているから、自分の不足と向き合い続ければならないということに対して、辛さを感じる人もいる。みんなそれぞれの憂鬱を抱えながら、仕事に向き合っているし、そこに良し悪しなどはないはずである。

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ここ1年の事業責任者としての失敗を綴る

ここ1年の事業責任者としての失敗を綴る

怒涛の期が終わり、新たな期が始まった。

この前期の1年間はコロナの影響もあり、本当に怒涛の1年間だった。売り上げ規模としては、前期は昨対比で約2倍の成長を遂げることができ、事業に関わる人たちも50名を超えた。事業全体としては、事業に関わる人たちみんなの多大な努力と成果のおかげで大きく成長することができたが、事業責任者個人としては本当に反省ばかりの1年間だった。この反省を消化して前に進むためにも、

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スタートアップ4年目で見えた"成長が早い人"の4つの特徴

スタートアップ4年目で見えた"成長が早い人"の4つの特徴

いわゆる大手企業から、株式会社ROXXというスタートアップに転職してきて、もうすぐ4年が経とうとしている。

当時は新卒で入った会社をたった1年で辞めるだけの崇高な理由は持ち合わせておらず、とにかく「このままじゃやばい」という危機感と、「成長したい」という成長の定義もままならない想いだけが先行し、転職を決めたのを覚えている。

あれから4年が経ち、がむしゃらに前だけを見続けていた時期、方向性すら見

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「求人広告はもう終わりだ」は本当か?

「求人広告はもう終わりだ」は本当か?

「求人広告はもう終わりだ」と耳にする機会が増えてきた。

これはあくまで個人的な感覚だけど、求人メディアに関わる業務に従事している人ほど、上記のような発言をする人が増えている。

これを読んでいる人材業界の方々の中にも、「求人広告は今後どうなってしまうのか」と不安を抱えている方もいるかもしれない。

大手転職サイトの決算を見ていると、軒並みYoY110%-130%ほどの成長をしており、少なくとも求

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人材紹介は誰のためのサービスなのか?

人材紹介は誰のためのサービスなのか?

「人材紹介は誰のためのサービスなのか?」

人材紹介事業に関わったことがある人は、この"問い"については、一度は考えたことがあると思う。

求人企業と求職者の双方のニーズを満たすために邁進する、言わば"双方代理のマッチングビジネス"であるにも関わらず、売上の発生源は求人企業からの採用手数料のみ。

この構造こそが、人材紹介事業に関わる全ての人々に、上記の問いについて何度も何度も考えさせ続ける。

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SaaS界の中心で"NRRの重要性"を叫ぶ

SaaS界の中心で"NRRの重要性"を叫ぶ

週刊SaaS magazineの第3弾です。先週まではARR461%成長の裏側と称して、SaaS立ち上げ時に実施すべきことを二週にわたって書きました。

今週はSaaSだからこそ、愛すべき指標であるNRRについて書きたいと思います。タイトルは一昔前に流行した某恋愛映画に掛けてキャッチーさを出したかったのですが、まんまと失敗しました。ただせっかくなので、このままのテイストでNRRについて分解していき

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ARR461%成長の裏側② 立ち上げ時の行動は1年後のMRRを映し出す鏡である

ARR461%成長の裏側② 立ち上げ時の行動は1年後のMRRを映し出す鏡である

SaaS Magazine 「ARR461%成長の裏側」の第2弾です。
前回シェアいただいた沢山の方々ありがとうございました。(第1弾はこちら)

SaaS MagazineはSaaSをさらに盛り上げたい、そしてSaaSに深い知見を持つ方々と意見交換をしたいという下心も含めた二つの意図で運営する、SaaS関連の情報を発信する週刊マガジンです。

僕自身は、株式会社SCOUTERにて、人材業界に特化

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ARR461%成長の裏側① SaaS立ち上げ時に避けるべき負のサイクルとは

ARR461%成長の裏側① SaaS立ち上げ時に避けるべき負のサイクルとは

「SaaSはプロダクトが良ければ勝手に伸びるでしょ」
なんて思っていませんか?

BtoBの SaaSであれば、"営業やマーケをなんてしなくてもプロダクトが良ければ勝手に成長してくれる"なんてことはほぼないと言える。もちろんSlackやAtlassianのように、海外のSaaSにはS&Pにかかるコストを最小限に抑え、成長を続けるプロダクトも存在するが、日本ではそれは特異な例と認識して事業を設計すべ

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ゴリ押し営業の先に何が見える?営業キャリアにSaaSセールスが最適な理由

ゴリ押し営業の先に何が見える?営業キャリアにSaaSセールスが最適な理由

新卒で入社した営業会社を1年で辞めてから、早3年が経とうとしている。

プロダクトバリューというよりも、とてつもない営業力を武器として、未だに成長を続けるその上場会社は、凄まじい営業力を持った強者たちが揃っていた。今でも尊敬する先輩も何名か在籍している。

しかし1年で辞めたことは全く後悔していない。あのまま自分が売切型の新規営業マンとしてがむしゃらにやっていたとしても、おそらく活躍してもチーフと

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