sae.koko
モモナという女の子が、ある日思い立ち旅に出ます。 不思議な生き物と出会い、ちょうど良い時ちょうど良い所へ、ともにあちこち歩いて行きます。 どうぞ見守ってあげて下さい。
詩やエッセイにイラストを添えて、季節の果物のようにお届け出来たらと思います。
私のイラストやオブジェ達が、話しかけてきます。 そこでポニー便をお願いし、お届け先はポニーにおまかせすることにしました。 おしゃべりを聞いていただけたら嬉しいです。
うたた寝達人のネムさんは、どうしてうたた寝旅をするようになったのか、話してくれました。 「物心つく頃には家中を布団持って歩いて、寝ていただよ」 「どうして普通の所…
山は霞に角が取れ、川はとろりと流れる春。 モモナとまるるが土手の上を歩いていると、何やら見えてきた丸こい形。 近づいてみるとそれは、へこんで膨らんで、いびきを…
ちびウサギ達はそれぞれの夢を語り始めました。 「私はパン屋さんみたいなおもち屋さんを開きたい」 「おいら、流しの餅つき屋になる」 「あたしはお餅教室の先生になるの…
「まずは、おもちをどうぞ…………」 ほんのりと甘く、優しいおもちの香がモモナの口いっぱいに広がります。 するとまるるが黄色く光り始めました。 「わあ!モモナの幸せ…
二人は歩きます。 川の流れをさかのぼり。 「モモナが歌うとぼくホワ~ってあったかくなるよ。また歌ってほしいな」 ぺったんぺったん ぴしゃぴしゃ ぺったんぺったん ぴ…
「モモナ、ぼく仙人岩に会ってみたい!」 「そうだね、そうしよう」 まるるは頭のうえで嬉しそうに小さく飛びはねます。 その時、一陣の風に吹かれてはらりと何かが落ちて…
「これはモモナのお家?」 「そう、旅をするお家、山を登って下って里からここまで来たんだよ」
私の名前はモモナ。 桃の花の下に菜の花の咲くときに生まれたからモモナ。
ある日、モモナが縁側で日なたぼっこをしていたら
川べりをずっと歩いていられる長い道 さっきまでの夕焼け大盤振る舞いももう終い 背丈が父親の腰くらいの男の子が 川をのぞく手すりにもたれ、二人して居る 通りすがりに聞…
「静かね」 蝶は耳元にささやきくる 羽ばたきで光や影やら混ぜ合わせて 粉をちらしては そことここをにじませ 梢に羽を閉じるごと 時を止めてみせてくれる
家を留守にしていたら いつも良く見ているあの雲が 家に上がってはみ出していた きっと一度入ってみたいと思っていたんでしょう
ちょっと落ち込んだとき、心の中で綿菓子を作ってみます 細いピンクの糸と一緒に、心もふわふわ渦を巻き始め もやのようになってくると、ほわほわ甘い匂いに満たされ まん…
おれは小石。昔は神社の上で、大きな木の根に抱え込まれた大きな岩の一部分だった。 ある日のこと、ポロリとはがれ落ちて神社の端っこにいたけれど、大水の出た日に田ん…
2023年4月7日 22:38
うたた寝達人のネムさんは、どうしてうたた寝旅をするようになったのか、話してくれました。「物心つく頃には家中を布団持って歩いて、寝ていただよ」「どうして普通の所で寝なかったの?」モモナは尋ねました。「普通っていうと、畳の上とか?」「うん、そうだね」「畳っちゅうのはさ、上に居る人が心地よく過ごせるよういつも規律正しく頑張って、とても誇り高いだよ。だから畳の上で眠るときは、ぼくも一所懸命寝る
2023年3月12日 17:47
山は霞に角が取れ、川はとろりと流れる春。モモナとまるるが土手の上を歩いていると、何やら見えてきた丸こい形。近づいてみるとそれは、へこんで膨らんで、いびきをかいています。 眠る人はモモナが覗き込むと、あくびをしながら目を覚まし、「こんにちふあ~っ、目を覚ましたら素敵な出会いが待ってたなあ、やい」と背伸びをしました。「こんにちは、私はモモナ、この子はまるる」「ぼくたち旅をしてるんだよ
2023年3月1日 17:50
ちびウサギ達はそれぞれの夢を語り始めました。「私はパン屋さんみたいなおもち屋さんを開きたい」「おいら、流しの餅つき屋になる」「あたしはお餅教室の先生になるの」「ぼくはモチバーをやってみたいな」「ウチはカフェ」「俺、モチ屋台やる」「……師匠と一緒にお餅の定期お届け便やります」
2023年2月11日 17:33
「まずは、おもちをどうぞ…………」ほんのりと甘く、優しいおもちの香がモモナの口いっぱいに広がります。するとまるるが黄色く光り始めました。「わあ!モモナの幸せな気持ちがほわ~っと伝わってくるよ」「ほんとにおいしい。ぎゅ~っと、幸せが丸めてあるみたい」その時、周りからワッと歓声が上がりました。
2023年1月29日 18:37
二人は歩きます。川の流れをさかのぼり。「モモナが歌うとぼくホワ~ってあったかくなるよ。また歌ってほしいな」ぺったんぺったん ぴしゃぴしゃぺったんぺったん ぴしゃぴしゃ「……不思議な歌だね、モモナ」「ちがうの私が歌ったんじゃないよ」その音はどうやら峠の先から聞こえて来るようです。
2023年1月16日 22:09
「モモナ、ぼく仙人岩に会ってみたい!」「そうだね、そうしよう」まるるは頭のうえで嬉しそうに小さく飛びはねます。その時、一陣の風に吹かれてはらりと何かが落ちてきました。「それならこれを着ていくと良い」
2023年1月5日 18:11
「これはモモナのお家?」「そう、旅をするお家、山を登って下って里からここまで来たんだよ」
2022年12月15日 16:35
私の名前はモモナ。桃の花の下に菜の花の咲くときに生まれたからモモナ。
2022年11月13日 16:52
2022年11月1日 20:40
2022年10月23日 17:57
2022年10月4日 15:15
川べりをずっと歩いていられる長い道さっきまでの夕焼け大盤振る舞いももう終い背丈が父親の腰くらいの男の子が川をのぞく手すりにもたれ、二人して居る通りすがりに聞こえてきた声は「ねえ、空があおぐろいね」「そんな言葉は無いよ、青黒いだなんて」あったのだけど、私達のうち誰も知らず男の子は青黒い、を創り出しあおぐろい空を出現させたそれから日の暮れる度、あおぐろい空を見ている一番の初めに
2022年9月14日 18:03
「静かね」蝶は耳元にささやきくる羽ばたきで光や影やら混ぜ合わせて粉をちらしてはそことここをにじませ梢に羽を閉じるごと時を止めてみせてくれる
2022年8月24日 18:35
家を留守にしていたらいつも良く見ているあの雲が家に上がってはみ出していたきっと一度入ってみたいと思っていたんでしょう
2022年8月17日 18:51
ちょっと落ち込んだとき、心の中で綿菓子を作ってみます細いピンクの糸と一緒に、心もふわふわ渦を巻き始めもやのようになってくると、ほわほわ甘い匂いに満たされまん丸に巻き上げる頃には、ふわふわほわほわのこころが出来上り自分を割り箸とするのがコツとなります
2022年8月14日 22:49
おれは小石。昔は神社の上で、大きな木の根に抱え込まれた大きな岩の一部分だった。 ある日のこと、ポロリとはがれ落ちて神社の端っこにいたけれど、大水の出た日に田んぼに流され、水の中で見る水面に心奪われていると、お百姓さんの手で土手に放られた。 土手の小石はなんだか田んぼを守っているようで、いるかいがあるものだと思っていたら、子供のポケットに入れられ小学校の校庭に下ろされた。 掃かれて隅に寄せら