マガジンのカバー画像

何度も読み返したい素敵な文章の数々vol.10

1,633
運営しているクリエイター

2018年2月の記事一覧

シンデレラは図太い女

一時期シンデレラ体重なる物がTwitterを騒がせておりましたが。

本当のシンデレラの意味を、みんな誤解しているのだ。
儚くて美しい(=うすっぺらい)イメージと、今まで冴えなかったのに魔法で変身して王子様に見初められるメタモルフォーゼの輝きに目をくらまされているのだ。

本当のシンデレラはそんなものではない。虐待されていた若い娘が、どうしても舞踏会にいきたいと悔しさに涙を流す。そこに現れたこの世

もっとみる
本当はこんな話をしたかった。CXO Night #2

本当はこんな話をしたかった。CXO Night #2

こんにちは。THE GUILDのこばかなです。昨日CXO Nightというイベントに登壇してきました。時間が限られていたので、あまりうまく喋れなかったなぁと反省しつつ、色々と補足しながら私が話した内容をご紹介します。

自己紹介をお願いします。私は多摩美のグラフィックデザイン学科を卒業し、新卒でDeNAに入社しました。1年間UIデザイナーとして働いた後に転職し、昨年4月からTHE GUILDで働い

もっとみる
モノに好かれる人、好かれない人

モノに好かれる人、好かれない人

先週、iPhoneをなくした。

大学4年の夏、当時あまのじゃくにApple製品を避けていたけれどいざ当時の最新機種だったiPhone6に変えてから文字通り生活が一変したことへの衝撃は今でも忘れない。

なんというか、さわっていて、気持ちがよいのなんのって。

画面の切り替わり方、タップの仕方、アプリの起動の速さ──なにもかもがスムーズで、意思の切り替わりに操作のスピードがついてくるから思

もっとみる

ウェブ記事のように読書してみたら積ん読に良かった

思いついた読書法を試してみてる。およそ10分から15分区切りくらいで複数の本を並行に読んでいくのだ。

昔よりどうしても集中力が長続きしないところがあるし、仕事柄、ウェブ記事を読む機会が多いのもあって、あれくらいの文量に慣れてしまっている。

つまり、長くても1万字くらいまでのものを、しっかり読むとだいたい5分から10分ほど。その感覚で、本を読んでいく。

もちろん、面白くて時間も忘れて読んじゃう

もっとみる

誰にどういう価値を訴求するかを考え直す

ケニア・ナイロビで玉ねぎを農家さんから買付け、数多のベンダーさんや小売に卸しているのですが、誰にどういう価値を訴求するかというのを考えて事業を作らないといけないという当たり前のことを学んでいます。噛み砕くと、今の顧客であるベンダーさんには便利さとか時間的なコストが浮くという話は全然刺さらず、結局今よりいくら売上増えるという話じゃないと全く刺さらない、というか行動が変わらないということです。

これ

もっとみる
自分の感覚を信じて進む

自分の感覚を信じて進む

Twitterを見ているのは楽しい。何かと便利だし、いろんな意味でロマンもある。だけどふと、怖いと感じる瞬間があった。そのことについて、少し書き残しておこうと思う。

Twitter上に魅力的な言葉や作品を流したことで、大きな舞台に引き上げられて輝く人を見ると、すごい時代だなーと思う。例えばTwitter発の書籍なんて、もうごまんとあるんじゃないだろうか。Twitterを始めるまでは、そんなサクセ

もっとみる

プロになれる人となれない人

緑星囲碁学園を主宰していた菊池康郎先生の米寿祝いのイベントがあり、当時の友人だった大橋拓文さんに誘われて20年ぶりに日本棋院に行ってきた。内装が若干変わったものの、ほとんど何も変わっていなくて、とてもノスタルジックな気分になった。

当時の友人の半分くらいはプロになった。棋士のプロ試験は本当に大変だ。300万人の競技人口がいるのに、2018年にプロになれたのはたった5人。もちろん運もあるとは思うの

もっとみる
美の言語化

美の言語化

デザインを言葉にするとき、私達はその意図であったり、効果であったり、その根拠となる統計を説明する。
言葉にする方法もある程度体系化されてきており、認識を共有しやすい。対象となるデザインが、構造的でロジカルであるほど、言葉にするのが容易だ。

しかし、美について言語化するのは難しい。

確かにデザインは単に見た目のことではなく、いかに機能するかだ。※ 1 けれど、またデザインは、見られることを避けて

もっとみる
処方箋としてのデザイン批評

処方箋としてのデザイン批評

デザイナーは 30 代後半になると、プレイヤーとして採用されることが減ってくる。ずっとプレイヤーでいたくても、まわりはそれを許してくれない。私の同僚に、自分で手を動かしている 50 代の現役デザイナーなどいない。

センスが枯渇するから? 感覚が古くなるから?

どうだろうか、ディック・ブルーナの引退は 84 歳。それに比べたら、40、50歳なんてまだヒヨッコ。新しい感覚についていけなかったとして

もっとみる
つまらないものが連れてくるものもある

つまらないものが連れてくるものもある

夫と結婚してまだ間もない、初夏の頃の話。

休みの前日の夜、夕食を食べ終え、とりとめのない会話をしているうちに、「映画が観たいね」という話になった。

歩いてすぐのTSUTAYAに行くという手もあったけれど、夫が以前から気になっていた映画が上映中だという。調べてみると、高速で30分ほどの映画館で、レイトショーをやっていた。急いで出かければ、なんとか間に合うくらいの時間だった。

夫婦ともにめんどく

もっとみる
「特別なじぶん」と「平凡なじぶん」が編みだす世界のひみつ

「特別なじぶん」と「平凡なじぶん」が編みだす世界のひみつ

一見似ても似つかぬふたつの項目を見比べたら、実は根っこの原理は同じだということがある。

2年くらいまえに、「ストレングスファインダー」なる、個人の気質や能力を5つのカテゴリーに分類してくれる、いわゆる性格診断をやったのだけれど、その5つのうち「着想」というタイプが含まれていた。

他の4つは「達成欲」「学習欲」「内省」「収集心」だったが「着想」だけが少し異質で、でも説明を読めばとかくドンピシャだ

もっとみる
思考にはノイズを取り入れて

思考にはノイズを取り入れて

ノイズって大事だ。
穏やかすぎる均質な状況からは、クリエイティブなものは生まれてこないんだなと感じる。思考を刺激する異質なものの存在は思考の枠組みを柔軟なものにするためには必要だ。

もちろん、ノイズだらけで、どこにも主旋律的なものが存在しない状況では話にならない。でも、次にどんなものが飛びだしてくるかわからない緊迫感は、創造的なアウトプットが必要なプロジェクトには欠かせない。

プロジェクトには

もっとみる

もし私が今もう一度、就活をするならば。

TwitterのDMを解放しているのでいろんなご連絡をいただくのですが(お仕事のご依頼以外は返せていないものが大半でごめんなさい!)、そろそろ就活の時期に差しかかってきたからか、進路相談のDMをいただく機会が増えてきました。

さすがに1人1人にお返事をするのは時間的に難しいので、今回はいただいたご相談にまとめて答えるべく、「もし私が今もう一度就活をするなら」という話を書きたいと思います。

私も

もっとみる
ジョンが殺られた。

ジョンが殺られた。

今日「わからないことを、わからないという理由で否定しない方がいい。あとでそれが正解だとわかった時に行動範囲が狭くなるからだ」という言葉を聞きました。

そうなんだよな。理解できないことから自分の身を守るために否定する人は多い。別にそれが自分を攻撃してくるわけじゃないのに。

俺の祖父母は外国映画を好み、異文化や若者の風俗などを決して批判しない人でした。俺が高校生の時、テクノカットにしたことがありま

もっとみる