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郷酒 厨房 日記

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東京九段下/神保町にある小さな居酒屋『郷土料理と日本酒のお店 郷酒』 食べること飲むこと大好き!な料理人でもある女将が、季節の食材のストーリーと、こだわりのお酒、旬のおつまみレシ… もっと読む
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#居酒屋

【365日の魚介レシピ】もう『飽きた』なんて、言わせません!タラを丸ごと味わうレシピ集

【365日の魚介レシピ】もう『飽きた』なんて、言わせません!タラを丸ごと味わうレシピ集

ジェットコースターのように、緩急目まぐるしかった2021年。こんな年は初めてでしたが、過ぎてしまえばこれもまた一つの経験ですね。年末前は忙しく、noteを書く暇もなかなか取れなくなりました。

(しかも、せっかく書いても消える、写真アップできない、フリーズするなどなどどうも不具合だらけで心折れることもしばしばありまして。やっと気持ちも調子も落ち着きましたが。)

さて、先日東京にも雪が降り、寒い日

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新米の季節!!おむすび?おにぎり?どう呼ぶ?それにしてもなんて美味しいのだろう♡

新米の季節!!おむすび?おにぎり?どう呼ぶ?それにしてもなんて美味しいのだろう♡

『天空のサクナヒメ』が少し前に流行っていましたよね。米作りが出来るゲームだとか。旦那がプレイしていましたが、いわく、『サクナヒメといい、あつ森といい、「仕事で疲れて帰ってきて、ゲームの中でも働くのがしんどい」』だそうです。なるほど。

さて、おむすび?おにぎり?どう呼んでます?

包む素材は?経木?竹皮?アルミホイル?ラップ?お弁当箱?ワックスペーパー?

↑ある日の朝ごはん 大葉味噌のおにぎり

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【365日の魚介レシピ】香ばしくほろ苦い『秋刀魚の味』

【365日の魚介レシピ】香ばしくほろ苦い『秋刀魚の味』

結局今年も秋刀魚が不漁のようです。海温が高いので、ずいぶん北の海まで上っていって漁をしているそうです。遠くまで行くと、頑張っても寄港に時間がかかるので、鮮度も落ちやすく、経費や輸送費がかかるので値段が上がる、値段が高いとなかなか思うように売れない、と漁師さんも消費者も苦々しい状況が続いています。

秋の味といえば、秋刀魚!新米!きのこ!芋!とかだったんじゃないの?と思います。なんか淋しいですね。

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たかが、されど

たかが、されど

料理は煮る、揚げる、焼く、混ぜるなどの化学反応の積み重ねとともに、切るだけ、焼くだけなどシンプルな調理でも成り立っている。

刺身は切り方一つで味わいがだいぶ変わる。鮮度などや味付けを何にするかも、もちろんあるけど。美味しい切り方、厚さなどは追求したら果てしなく奥が深く、正解なんてなく、常に問われている。割烹と寿司屋と魚屋でも、切り方、扱い方の基本、常識が全然違う。だから、刺身切るだけと言えどもと

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美味しいものを想像するとワクワクしない??

美味しいものを想像するとワクワクしない??

料理は素材の質と、料理人の腕と経験、そして心持ちで決まるだそうだ。

『グランメゾン東京』を見てきて、料理とは、料理人とは、良いお店とは、何度も何度も問いかけられているような気がした。

美味しい料理を作ることも食べることも、生産者さんとお客様と自分たち料理人と共有する幸せな瞬間も、考えただけでワクワクする。

故郷岩手は素晴らしい食材に溢れている。

熱い生産者さんがたくさんいる。

伝えたい。

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雲の上はいつも晴れ。

雲の上はいつも晴れ。

故郷の駅に新幹線から降り立つと、ピーンと寒い冬の空気に包まれた。

外に出ると、手が届きそうな満天の星空と雪景色。

そうそう、これこれ。この美しい風景を待っていた。そして、そんな景色を心に持てるというのはなんて幸せなことだろう。

どんよりと曇って見える空の上はいつも晴れている、という。困難を乗り越えた先にきっと見える素晴らしい景色があると信じたい。

昼には今年一年頑張ったご褒美に鰻をいただい

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顔が見えるということ。

顔が見えるということ。

誰が作ったか分かると料理はより美味しくなる気がする。安心感のおかげかな。

生産者さんあっての飲食店だから、真心込めて作った食材が届くとこっちも気が引き締まるし、どう活かして美味しく仕立てようかワクワクする。

ブランドとか、宣伝文句に躍らされて、美味しいと思い込んで食べていることもあるかもしれないけど、漁師さんや農家さんなど、生産者さんの顔が見える食材を使った料理はなんだか美味しい気がする。

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その一瞬を大切に...鮎の話

その一瞬を大切に...鮎の話

毎年、一年のうちに、何か新しいことを始めたり、成し遂げようと思っている。自分が前に進んでいるような気がするから。

料理教室やキッチンカー、レシピ開発&提供、他には踊りをやってみたり(パレードでたり)、語学や文章の勉強、一人フェス、有り難くご依頼頂くものなど、とりあえず自己満足でしかないが、毎年モチャモチャ何かしらかチャレンジしてみる。同じような一年は、飽き性の自分には退屈でつまらない。

今年も

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出汁の香りとノスタルジー

出汁の香りとノスタルジー

美味しい出汁やスープを飲むとしあわせなため息が出る。ダイレクトに脳に響いて、心がほどける。

和食では、出汁は命だ。

和食のみならず、洋食のブイヨン、ブロード、フォン、ヒュメだって大事な出汁。

シェフが丁寧に引いたブロードを豪快にこぼした先輩は、その心の持ちようをこっぴどく叱られていたのを見た。

中華でもスープが命。

昔一緒に働いていた中国人の留学生の子は、『スープないとご飯食べられないで

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おにぎりという小宇宙

おにぎりという小宇宙

何しろ、おにぎりが大好きだ。毎朝、おにぎりを食べ、仕込みを始める。

郷酒は、普段、昼は定食屋、夜は居酒屋として営業している。

おにぎりを頬張る幸せはみんな共通でしょう?と思っていたから、おにぎり屋になりたい気持ちもちょっとあった。

夜のメニューには、数種類のおにぎりを用意していて、毎度毎度、張り切って握っている。

私は米農家育ち。だから、パンはおやつだった。しかもたま〜に。とにかく『ままけ

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郷酒 厨房日記 はじめましてのご挨拶

郷酒 厨房日記 はじめましてのご挨拶

いらっしゃいませ。よくおでったなっす。(ようこそおいでくださいました。)

ここは東京神保町と九段下の間にある小さな居酒屋「郷土料理と日本酒のお店 郷酒」

私は料理人をやっております。

岩手から上京してきて、早20年。ご縁とご縁が繋がって、夫婦でお店を出しておかげさまで今年で7周年になりました。

故郷岩手の食材を中心に、全国から取り寄せる美味しい食材で作る、旅先で出会った田舎のごちそうと、こ

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