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求職リアル‼

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人生何度目かの求職活動。 生活の大半を占める仕事という、生きて行くための居場所探しは、社会に出て働くという現実の難しさと厳しさをまざまざと見せつける。 働くことは生きることなのか… もっと読む
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記事一覧

1月19日

 在宅中の日中にかかってくる電話に、ろくなものはない。大方セールス。ナンバーディスプレイに表示される、見たことのあるような番号を無視すれば、留守番電話に変わっても、メッセージが録音されることはない。迷惑な電話に対し、居留守を使うことに罪悪感さえ抱かなくなって久しい。
 遅めの昼食中、電話が鳴った。出るかどうかは番号を見てからだが、恐らくいつものセールスだろうと覗き見た表示パネルには、ちょっと知って

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1月8日

 月末に受けた面接の結果が届いた。久々に【不採用】という文字を目にする。久々なのは、ずっと【採用】だったからではなく、ずっと働きたい仕事に応募する機会がなかったからだ。
 面接に嫌な感じはしなかった。十ヶ月未満の短期だし、望んでいる正社員の道ではなかったが、期間が限られていても自分の身になると信じ、したいと思えた仕事だった。
〝面接〟というより、〝雑談〟といった風情で、リラックスできたが、あまり興

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1月4日

 放置していた携帯に着信があった。同じところから二回。一回目に伝言メモがあり、何ヶ月も前に電子登録した、市の臨時職員に関する部署からだとわかった。現在の就業状況確認の最後に「宜しくお願い致します」と締め括られている。かけ直すともかけ直せとも言われていない。一体どうしたものかと思ったが、その日は既に、役所の開庁時間を過ぎていたため、翌日まで待つことにした。
 翌日、電話を持ち歩いたが、着信音が鳴る気

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12月21日

 ハローワークへ赴く。面接を辞退した日に、気になる求人が見付かったからだ。
 とはいっても、希望している正社員ではない。僅か数ヶ月の有期雇用。クリアしているのは給料と休日、希望業界で、希望の通勤圏内だということ。最優先事項である〝生涯雇用〟だけが足りないが、勤務開始日が来月の後半なので、運良く採用されたとしても、まだ正社員の仕事を探し続ける猶予はある。求人票を元に、疑問点を確認してもらったら、こち

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12月19日

 面接を辞退した。
 自らに課した大掃除のノルマを日々果たし、月末の総仕上げを残しただけで、面接準備に備えるための丸一日は確保できたものの、十日間悩み続け、葛藤し、内心、進むか引くかの押し問答であった。
 石橋を叩き過ぎて渡らないのは、私の悪い癖かもしれないが、辞退を決めた後、心からホッとした。肩の荷が下りた…という身軽さに、後悔はしなかった。
 辞退のメールを送った後、儀礼的ではないが、短い承諾

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12月17日

 母の離職票が届いたので、ハローワーク行きに便乗した。応募したい求人があったわけではないが、求職者マイページが三ヶ月の利用期間を経て無効になって久しい。有効化してもらうには再度訪れねばならず、それだけのためにわざわさ片道三十分以上かけなければならないのが、時間もガソリンも勿体なく思え、不便さに苛々しながらも放置していたのだった。
 ハローワークは閑古鳥であった。こんなに空いているのを見たことがない

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12月10日

 パソコンがインターネットに接続できなくなった。無線なので、スマホでは接続できていると確認できるが、パソコンではエラーになる。メールの送受信は出来るし、インスタグラムは見られる。プロバイダーのメールサイトにも繋がるのだが、他がすべてエラー。面接対策も滞り、ハローワークなどの就活サイトにアクセスすることも出来なくなった。
 インスタ&メールサイトのみOK…というパターンは過去にもあり、電源を落とした

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12月9日

 大都会から逃げたくて、真反対の方角にあるド田舎の求人に応募した。土地柄はこちらの方が合っている。しかし以前見たこの求人は、学歴が応募条件に追いついていなかった。今回は契約社員。社員ではないが、学歴に制限はない。希望者は、3年以内に正社員採用されるという実績もある。時間をかけるだけの価値があるかは判らない。やはり大都会から逃げただけなのかも知れない。
 自問自答のストレスを発散させる為に鍵盤に向か

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12月8日

 求職サイトからの応募で初めて、面接日調整の連絡が来た。
 実は二件応募し、働きたいのは近隣の事務職だったが、こちらはあっさり書類選考で撃沈。勢いで応募したもう一件から〝面接〟という返信が来たのである。
 面接…といっても、〝面接会〟とある。普通の面接とは違う匂いがする。催し物会場みたいなところに、人が沢山いるイメージ。実際は判らないが…。
 まさか面接…という話になるとは思わなかったので、大いに

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12月7日

 ネットで仕事を探してばかりいるせいか、派遣会社の求人広告がやたらと入る。居所は割れているようで、近隣の求人もそこそこあるのだと知り、詳細情報を探ろうと、ついついクリックしてしまう。
 派遣…。就職環境として希望は0だが、既に無職も9ヶ月目に入ると、何なりと出来ることをしないと貯金が底を尽きるのも時間の問題だともやもやしている。
 たまたま読むことになった、群ようこさんの『れんげ荘』という小説の主

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12月6日

 このところ、求職サイトからのメールが急激に増えている。コロナは第三波が来ているようで、過去最多の感染者を連日記録しているが、就職市場は徐々に活気を取り戻しているのか、新年度に向けて求人数が増えつつあるのか、実際のところ判らない。相変わらず内容が頓珍漢なので、〝これぞ!〟というものは皆無だ。私のどの経歴を見て応募を勧めるのかわからない、謎な職種が目白押しである。
 いよいよ年末の大掃除月間に入り、

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12月5日

 前回書いた、市の広報に載っていた求人が、今月の広報でも募集されていた。
 あの後、週の終わりに返信が来たのだが…
『他にもご質問等ございましたら、下の連絡先にお問い合わせください』と、丁寧な回答の最後には、電話番号が記されていた。
 問い合わせ先にメールアドレスが書かれていても、電話の方が早いということなのだろうが、ならば何故、問い合わせ先のメールアドレスが記載されているのか疑問に思う。送られて

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11月12日

 市の広報に載っている求人情報の詳細を、HP上で探るが、なかなか行き当たらない。毎月載っているので、なかなか人が決まらないのかと思っていたが、調べてみれば至極見つけにくい載せ方をしており、見つけられる人がいないせいで決まらないのではないかとさえ思った。
 気になる教育関係職も、資格や免許の有無が記されていない職種がある。かといって、〝不問〟という記述も無く、どういう人間なら応募できるのか、若しくは

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11月9日

 嫌々やったことは大概失敗する。そう自覚したものだから、石橋を叩き捲って結局渡らない…そんな生活になって久しい。決して良い傾向だとは思わないが、無理に渡って上手くいった経験がない。それだけは真実なので、今は自分を信じるしかないと思っている。誰も否定しないのは、それだけ人と関わる機会が減ったからかも知れない。先日、大枚をはたいて大きな買い物をしたことを知った弟が言った。
「血ぃ吐くまで働けよ!」
 

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