ネオリベ

『天気の子』が賛否両論というけれど「帆高は売国奴だ!」と主張する人は現れない不思議

※前置きが長いです ※若干のネタバレあります

杉田俊介氏と河野真太郎氏への違和感

杉田俊介氏の論考への違和感を綴る記事を書いたら、さらに河野真太郎氏による「『天気の子』はネオリベ」「『大丈夫』は無責任」と主張する評論がまたもや登場し、再び唖然とすることとなりました。

私の記事に「経済をわかってない」「ネオリベを定義できてない」というエアリプもいただいて、それに答えても議論があさっての方向に行

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『天気の子』は100%の反ネオリベ映画だ(杉田俊介氏の評論を読んで抱いた、根本的な違和感の正体)

※この記事はネタバレを含みます

『天気の子』を「ネオリベ」と断ずる杉田俊介氏の評論、あまりにも酷くないか。

ネオリベ化する日本の現実を反映した作品なんだから「社会は変えられない」「社会は存在しない」と描かれるのは当然だろう。「ネオリベ」は前提であってメッセージではない。

杉田氏いわく《日本的アニメを批判するアニメ》《「セカイ系的な恋愛か、多数派の全員を不幸にするか」という二者択一の選択肢》《

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「男は黙って」と「女三人集まれば姦しい」の向こう側

男性をトップに立たせる階層構造を持った社会―今の世の中だよ!―において階層上昇を阻まれたもの―女性だよ!―の戦略は水平的連帯であるが、ネオリベ的現況において上昇階段が極端に少なくなっているので、水平的連帯は生き残るのに実は一般的にも有効な戦略なのかもしれない。
 オイラの周りの優秀な女性は商売で問題・儲ける機会を前にして色んな人に相談する。同じ答えをたくさんの人から確認したいという衝動もあるのかも

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MMT~それは何と戦っているのか

昨日、「MMT」と、それに基づくオカシオコルテスや山本太郎の政策が袋叩きになっている、と書いたが、正確には米国と日本では全く状況が違う。

    米国では2008年のリーマンショックと、その後の金融機関への政府の支援などに対する不満をきっかけに、2011年に格差の拡大と富裕層への優遇に抗議する「Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」運動が発生した。

"We are th

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ネオリベが発生する簡単なメカニズム

私は Twitter や Face Book やブログなどで経済について発信している人々を観察し、次のような結論を得ました。

意識は高いが論理性に欠陥がある、意識は高いが複雑系的な経済やマクロ経済をよく理解していない人が、ミクロの市場原理や企業会計だけを覚えると、「ネオリベ」へと変容するのではないか、と言うものです。

彼らには「合成の誤謬」の原理が理解できていなかったり、さらに、「通貨発行が有

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読書録『ネオリベラリズムの精神分析』 第2章 再帰性の問題

論点:

ギデンズは、再帰性について「活動条件についての情報を、その活動が何の活動であるかを常に検討し直し、評価し直すための手段として活用すること」と述べている。
仏ロベール社の『社会学事典』では、仏社会学者アンサールが、再帰性を「主体が、自分自身の行為の起源や方法や結果を分析するために、自分自身の行為を振り返る能力」と定義している。 ギデンズが再帰的行為と対比させるのは、「伝統」や「伝統的行為」

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読書録『ネオリベラリズムの精神分析』 第1章 プレカリテとは何か?

本書およびフランスにおける(精神分析学派?の)議論において頻出する「プレカリテ」なる概念について概観し、フランスにおける状況と対比しつつ日本社会や政治を批判する章。

以下では、多くの部分において、対象書籍から語句を引用し、また、ほとんど引用に近い形態での言い換えや紹介を行います。特に明示した部分を除き、記事筆者の独創によるものではありません。

プレカリテとは何か?

プレカリテとは、一義的には

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