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「短歌」いとしいコタ
わたしはコタという黒ねこを飼っていました。
コタは2007年8月30日にうちに来て、2016年9月5日に、原因不明の病のため、この世を去りました。
コタはとてもいい子で、「コタ」と呼ぶと「にゃん」と返事をし、わたしが泣くと、膝にあがって、じっとしていました。
賢くて、明るくて、人見知りをしないコタ。
コタにはたしかに「にゃん徳」がありました。
そのコタを偲んで、書いた歌です。
答などわかるはずな
闇夜を越えて、優しい自己になる
孤独のなかで
2歳のときには、もう死を知っていた。
母が台所で魚を調理しようとしている。魚はまな板の上に寝て、その赤い目をぱっちりあけたまま、わたしを見ていた。
「おさかな、かわいそうやし、切らんといて」
わたしは母に懇願した。
涙が流れて号泣になった。
おさかなは、いまから切られて、血を流す。いやだ、かわいそうだ。
母は泣き叫ぶわたしを持てあまし、台所から連れ去った。そして、わたしに隠れて調理