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大学改革

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#インナーブランディング

ブランドメッセージを誰にどう伝える?東京工芸大の取り組みを機に考える、大学ブランディングの4つのアプローチ

ブランドメッセージを誰にどう伝える?東京工芸大の取り組みを機に考える、大学ブランディングの4つのアプローチ

新型コロナが5類になり落ち着きを見せたと思ったら、次は生成AIが社会を揺るがす大きなトピックとしてあらわれました。近年、立て続けに、大学や大学教育とは何かを問い直す出来事が続いています。こういったタイミングだからこそ、自分たち大学が何者であり、何をめざすのかといったことを、あらためて考え、具体化していく必要があるのかもしれません。

今回、見つけた東京工芸大学の「ブランドタグライン」と「ブランドス

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卒業生こそが大学の財産!3同窓会組織の連携協定から、同窓会がつながることのポテンシャルを考える。

卒業生こそが大学の財産!3同窓会組織の連携協定から、同窓会がつながることのポテンシャルを考える。

大学の広報活動における入試広報とブランディング活動の違いは何か?と聞かれると、重なっているところの方が少ないのですが、でもあえて一つを挙げるとするなら、“勝たなくていい”ことのように思います。この視点で考えたとき、今回、見つけたプレスリリースの内容は、すごくポテンシャルが高いように感じました。

3つの同窓会組織による連携協定の締結

では、どんなプレスリリースなのかというと、学習院桜友会、成蹊学

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大学組織をしなやかに鍛える確かな方法。大学のアイデンティティを社会に発信する活動の意味と効能を考える

大学組織をしなやかに鍛える確かな方法。大学のアイデンティティを社会に発信する活動の意味と効能を考える

大学が社会に向けて発信するテーマを、誤解を恐れずに大別してしまうと、研究活動、教育活動、そして大学のアイデンティティに関わる内容のように思います。前者2つと比べると、最後の1つはそこまで重要ではないのでは?と、以前は思っていたのですが、いろいろと考えるなか、少なくともこの3つは同じぐらいに重要だと思うに至りました。今回、東洋大学の特別展のプレスリリースを見て、あらためてそんなことを考えましたので、

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限られた私立学校法人のみに与えられたアドバンテージ。長期的な一貫教育をどう捉え、どう活かすのか。

限られた私立学校法人のみに与えられたアドバンテージ。長期的な一貫教育をどう捉え、どう活かすのか。

小中高大、場合によっては幼稚園や大学院までを含めた長期的な一貫教育が行えるというのは、限られた私立学校法人にしかできない大きな強みです。学校法人聖学院は、この長期的な一貫教育を伝える新たな取り組みをはじめたようです。聖学院のリリースを見てあらためて思ったのですが、一貫教育の価値をどうアピールするのかって、実はこの先けっこう大事になってくるのかもしれませんね。

組織ごとに異なる一貫教育の価値をどこ

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成功の鍵は”しっくり感”!? 日本女子大のリリースから考える、誰にどう伝えるとブランディングは動き出すのか

成功の鍵は”しっくり感”!? 日本女子大のリリースから考える、誰にどう伝えるとブランディングは動き出すのか

大学だけではないのですが、組織の在り方を印象的に伝え、ブランディングに寄与するものとして、タグラインというものがあります。タグライン?という方は、よく大学名や会社名のロゴタイプの上や下についている、アレというとピンとくるかもしれません。

今回、日本女子大学が創立120周年を記念して新たなタグラインと、その意味内容を伝えるステーツメントをつくったようです。タグラインの内容もそうですが、リリースの出

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評価が変わると学びは変わる!?金沢工業大学のイベントから考える、これからの学習評価のあり方、伝え方。

評価が変わると学びは変わる!?金沢工業大学のイベントから考える、これからの学習評価のあり方、伝え方。

企業が内定を得ている学生の保護者に内定確認の連絡を入れる「オヤカク」というものがあります。最初に聞いたときはけっこうビックリしましたが、今は昔より大学生であっても親の影響力や発言権が強く、また親の子への関心も高いのでしょう。

今回、見つけた金沢工業大学のイベントも、親を意識した取り組みなのですが、こういうやり方もあるのかと興味深く感じました。またよくよく考えると、こういった取り組みを続けていくと

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フェリス女学院大の取り組みから考える、在学生に伝えるべき卒業生コンテンツのつくり方と届け方。

フェリス女学院大の取り組みから考える、在学生に伝えるべき卒業生コンテンツのつくり方と届け方。

卒業生インタビューは、入試広報にとって欠かせない重要コンテンツなだけでなく、在学生にとっても価値ある情報になります。今回、見つけたフェリス女学院大学の取り組みでは、卒業生インタビューをキャリア教育に活用しているのですが、よくよく考えるとキャリア以外の面から考えても、こういう取り組みは大事なように感じました。

書籍化・有料化することで変わる価値と印象

ではまず、どのような取り組みなのかを見ていき

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プラスどころかマイナスになる?立命館の支援制度が伝える、インナーコミュニケーションに足りていない大事な視点

プラスどころかマイナスになる?立命館の支援制度が伝える、インナーコミュニケーションに足りていない大事な視点

社会の先行きが読めなくなり、また変化が早く激しくなってきたことで、自分たちのやるべきこと、やりたいことを見つめ直すことの大切さ、みたいなものが以前に増して重要視されるようになってきた印象があります。大学もインナーブランディングやインナーコミュニケーションの促進に本腰を入れて取り組むところが増えています。私もこういったプロジェクトにいくつか関わらせてもらっているのですが、今回、見つけた立命館大学の取

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大学を変える鍵は学長にあり。大経大のインナーブランディングサイトから気づいた、学長メッセージの大切さ。

大学を変える鍵は学長にあり。大経大のインナーブランディングサイトから気づいた、学長メッセージの大切さ。

少子高齢化、新型コロナ、急速なICTの発展などなど、世の中の大きな変化は、大学にも直撃しており、これからの時代を見据えて主体的に変化することが、今、大学ではかつてないほどに求められています。では、変化するとしたら、どこをめざして変化するべきなのか、またどのようにしたら学内に変化しようという気持ちが芽生えるのか、といったことが重要な課題になっていきます。この解決の糸口として、インナーブランディングは

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大学職員像を改革する、明治大学の職員採用サイトがヤンチャ過ぎて面白い。

大学職員像を改革する、明治大学の職員採用サイトがヤンチャ過ぎて面白い。

年末にオープンしたのを見て、ぜひ紹介したいと思いつつ他の記事をあれこれ書いていたら結局、1月も終わりになってしまいました。やろうと思ったらすぐに手を付けないと、こういうことになるんですよね…。と、何のことかよくわからない反省から書き出してみたのですが、今回、取り上げたいのは、明治大学の職員採用サイトです。このサイト、ものすごくヤンチャなのです。

サイトのトップページのモーショングラフィックがグリ

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大学のビジョンが「生きた言葉」であり続けるために、大学人がたぶんこれからしなくてはいけないこと。

大学のビジョンが「生きた言葉」であり続けるために、大学人がたぶんこれからしなくてはいけないこと。

コロナパンデミックによって世の中の状況が大きく変わったというのは、わざわざ言うまでもない事実です。今は渦中でそれどころではないかもしれませんが、もう少し目処がたってくると、このコロナによって狂った計画を調整するという作業が、いたるところで出てくるように思います。今回、見つけた千葉商科大学のお知らせは、この調整をいち早く着手した事例のように感じました。

千葉商科大学のお知らせは、消費エネルギーと同

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これから絶対に必要になる“養命酒的大学改革”を、今、はじめよう。(駒澤大)

これから絶対に必要になる“養命酒的大学改革”を、今、はじめよう。(駒澤大)

「大学改革」という言葉から、まずイメージするのは新学部の開設であったり、キャンパスの移転であったり、何かしら物理的な大きな変化ではないでしょうか。実際、こういった大きな改革をたくさんの大学が取り組んできたし、今なお現在進行形で取り組んでいる大学がいっぱいあります。

大学業界で働いていると、このような大きな改革とは別に、より深く、本質的な部分にメスを入れる大学改革が増えてきている印象があり、今後さ

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