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映画と本(主にオーディブル)

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和歌山と熊野古道と、南方熊楠

和歌山と熊野古道と、南方熊楠

2023年の日本帰国の際にいつも通りふらりと寄った半田ファームのお母さんとおしゃべりをしていて、半田さんに
「熊野古道に行ってきたんよ〜 山林さんたちは好きだと思う」
と言われたのがずっと脳内に残っていて、気になりつつもそのままにしていました。

noteでたまたま見かけたcool な kumanoさんをフォローしつつの数ヶ月

そして年末、伝さんのところで見た南方熊楠(みなかたくまぐす)という人

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湊かなえ「贖罪」を読んだ感想 復讐とか正義とかについて考える

湊かなえ「贖罪」を読んだ感想 復讐とか正義とかについて考える

通勤時間往復2時間でaudibleを聴いていますが、最新作は山ちゃんおすすめ湊かなえさんの「贖罪」でした。audibleでは朗読は小池栄子さん。ドラマ化されて母親役が小泉今日子さんだったらしいですが、小池栄子さんでも良かったのかも、私は小池栄子さんの声とか演技とか好きです。7時間46分の朗読はちょうど4日間で聴き終わりました。

娘をレイプされ殺されるという、母親の立場では史上考えられる最悪の状況

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映画: エイジ・オブ・イノセンス (1993) に どハマりしていた週末

映画: エイジ・オブ・イノセンス (1993) に どハマりしていた週末

映画やドラマは飛行機の中で時間潰しのために見るみたいな感じで最近はずっと過ごしていたので、本当に久しぶり。映画は最後に見たのは「Life of Pi」だったかな。Life of Piはとてもいい映画、とても美しい映像。ただ飛行機の中でも見ただけなので、感想をnoteに書くほどの集中力では見ていなかったと思う、いや、実はその後、そういえばアマプラで「Drive my car」を見たんだった(これは村

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週末勤務明け日記

週末勤務明け日記

定期的にローテーションでやってくる週末勤務明け日記です(これ、シリーズ化決定だな)。

いきなり腕出しですみませんが、先週トータル5回目のコロナワクチンを受けたばかりでした。ファイザーのコロナウイルス新種株対応版。反対の腕は同時にインフルエンザワクチン(これは元々年1回)。

インフルエンザワクチンにはほぼ全然反応しないのですが、コロナワクチンはどんどん接種後が辛くなてきている気がします。今回は写

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マチネの終わりに 英語でAudible

マチネの終わりに 英語でAudible

リアルインフルエンサーの姉が興奮して
「マチネの終わりにを見たんだけど、初めて福山雅治の凄さがわかった、泣いた〜」
とすすめてくるので映画をアマプラで見たのは少し前。Audibleで英語版「マチネの終わりに」「at the end of the Matinee」があったので、聞いたみた。映画を見てから本を読むと、どうも登場人物たちは、その映画イメージから離れられないのが難点だけども、この場合はマキ

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英語で聞く、オーディブル本で良かったもの

英語で聞く、オーディブル本で良かったもの

オーディブル本おすすめ2021でいくつかおすすめの英語で聞いたオーディブル本を上げましたが、最後まで聞けなかったたくさんの英語本があります。夫に勧められたJames Joyceなんて、???の連続でした。

英語本の問題は一つは人名を覚えるのが苦手な民にとっては、たくさんの登場人物があまり聞いたこともないような名前で出てくるだけで、ちょっと立ち止まってしまうこと。そしてある程度のスピードで聞きなが

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オーディブル本おすすめ2021

オーディブル本おすすめ2021

2021年にアマゾン(その当時はAmazon.co.uk) で購入したAudible本を見直してみました。UKサイトでも限りはあるのですが、日本語のaudible本も購入できるので、英語のものと日本語のものが混ざっています。

状況:自家用車で片道1時間9分かけて通勤しているので(40mile)、そもそも通勤時間を有意義に過ごそうと思ったのがきっかけです。ポッドキャストや音楽の時もあります。車の中

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創作者は皆、チェス盤の前に座している:『猫を抱いて象と泳ぐ』感想文

創作者は皆、チェス盤の前に座している:『猫を抱いて象と泳ぐ』感想文

小説、音楽、漫画、映画、アート全般。最初に出会ったときにはただ、あぁいいなぁと思った作品が、ひょんなタイミングで示唆に富んだ物語として目の前にふたたび現れることがある。

2011年に発行された文庫版の小説『猫を抱いて象と泳ぐ』。書店に並んだばかりのその本を、小川洋子さんファンの私は迷わず手に取りレジへと持っていった。

今年の4月に嶋津亮太さんがはじめられた「知性の交換」。本を贈り合う試みで、私

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オーディブル本レビュー:猫を抱いて象と泳ぐ (小川洋子)

オーディブル本レビュー:猫を抱いて象と泳ぐ (小川洋子)

週末に見に出かけたアンティークオークション会場で小さな小さなチェス版が売られているのを見て、この本を思い出して写真に撮ってきた。この本のレビュー書こう。大好きな一冊。小川洋子さんの本は他にも「妊娠カレンダー」と「やさしい訴え」を続けて聞いたけれども、ずば抜けて「猫を抱いて象と泳ぐ」が一番良かったです。(オーディブルでアクセスできるものに限られる)

そしてこの本のテーマであるチェスゲームに魅了され

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映画レビュー: 人間の條件 人生で一番の、一生忘れることのない傑作

映画レビュー: 人間の條件 人生で一番の、一生忘れることのない傑作

今年見た映画の一番にTouching the voidを挙げましたが、1年でなく、”人生で” 一番の映画は?と問われれば、それは「人間の條件」です。

楽しかったな、面白かったな、ワクワクしたよ、よく出来てた、など娯楽としての映画話には尽きませんが、この映画は違う。全くもって同じ土俵で語ることのできない、語ることさえ躊躇われる、なぜなら、一言感想を口にしようとするともう目に涙がじんわりと浮かんでく

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アマプラ映画レビュー: *****空(くう)をつかむ Touching the void (邦題:運命を分けたザイル)

アマプラ映画レビュー: *****空(くう)をつかむ Touching the void (邦題:運命を分けたザイル)

結論から言うと、去年・今年(今年はまだ2月だけど)見た中では*****一番よかったです。仕事で立ちっぱなし>3時間とか、通勤途中の事故で行列、迂回、遅刻で精神的ストレスとか、普段の生活でもとかちょっと苦しいこととか困難なことは起こった時に、朝早く起きて、ネズミのように車輪をくるくると日々漕いでいる自分のことがちょっと虚しくなった時に、主人公のJoe Simpsonのことを思い出すだけで、力が湧いて

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