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創作メモ系

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創作の中身や方法に関する思い付きのメモ。
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創作メモ(2024/3/11):自己流の小説の書き方の記録_2024(後半)

創作メモ(2024/3/11):自己流の小説の書き方の記録_2024(後半)


4.短期の前準備さて、小説を近々書かなければならない場合、前半とは別の工程があります。
後半ではその話をしていきたいと思います。

4.1.どんな企画か

「小説を書くぞ」
と内発的に思うことももちろんよくあるのですが、大抵は外部の企画への何らかの応募ということになるでしょう。
例えば、出版社の新人賞投稿とか、オンリージャンル同人誌即売会とかには、たいてい
「これこれの条件に則って書いてきて下さ

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創作メモ(2024/3/6):自己流の小説の書き方の記録_2024(前半)

創作メモ(2024/3/6):自己流の小説の書き方の記録_2024(前半)


0.何でこんな記事を書いているのか小説を書きたい人で、「小説の書き方」に興味のある方は少なくないでしょう。
同様に、小説を書きたい人で、少なくない方が「自己流の小説の書き方」を持っていて、しかも言語化していない、ということがあります。

私は両方でした。
このため、一つ困ったことがあり、それに苦しめられて来ました。

何か?
自分がスランプになった時に、脱することが難しくなっていた、ということで

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創作ネタ(2023/12/1):気合の要る記事を書く時の心構え

創作ネタ(2023/12/1):気合の要る記事を書く時の心構え

(読み返したけどずいぶんとひどいこと言ってるなあこいつ)
(ヘッダは古谷実『グリーンヒル』最終回の主人公の名言です)

創作ネタ(2023/11/11):精進料理とシークレットシューズと蒲団とカサブタとサンドバッグ

創作ネタ(2023/11/11):精進料理とシークレットシューズと蒲団とカサブタとサンドバッグ


1.俺の書いているもの、精進料理とシークレットシューズと蒲団とカサブタとサンドバッグではないか1.1.精進料理小説

ここしばらく、小説創作のことについて思い悩んでいました。

思い悩む以前は、小説創作について考えていられる場合ではなかったので、
「ようやく小説創作について思い悩めるくらい暇になったではないか。良かった」
ということではあります。そこは本当に良かった。

***

さて、何を悩ん

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創作メモ(2023/10/9):寓話のような話を書いて満足しない

創作メモ(2023/10/9):寓話のような話を書いて満足しない

2023/10/7(土)-9(月祝)の三連休、皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか。
私は小説の設計の整理をしていました。非常に充実した休日だったと思います。

それにしても、過去作を読み返すと、前回(『胎界主』二次創作小説『御幸』)と前々回(『堕天作戦』二次創作小説『人事天命』)、主題をそのまんま肉付けしたような、寓話のような話だなあ。
感情を駆動するための物語なり、物語を駆動するための主題なり

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創作メモ(2023/10/5):創作行為における正気と狂気

創作メモ(2023/10/5):創作行為における正気と狂気


1.創作行為における正気と狂気の話の罠創作行為において、時々作家側の正気と狂気の話がされるじゃないですか。
「正気にては大業ならず」めいた話で(ヘッダの『シグルイ』のように)。
あれ、本当はもう少し気を付けないといけない話なんじゃないか、という気付きがあったんですよ。

2.何で創作行為における正気が軽く見られるか何で創作行為における正気が軽く見られるかというと、しばしばこれは
「全力投球すべき

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創作ネタ(2023/7/1):コピー能力者の新しい使い方&倒し方私案

創作ネタ(2023/7/1):コピー能力者の新しい使い方&倒し方私案

1.コピー能力者から引き分けや勝ちをもぎ取られないためにはどうするかよくバトル漫画で「コピー能力者」というのがいます。
メカニズムはともかく、目の前の相手の能力をコピーして使ってくるやつ。
こいつが出てきたら基本引き分けになっちゃう(場合によっては相手がビビってるうちにふつうに隙を突いて勝つし、それでここまで勝ち抜いてきて今回の相手の前に立っている)のです。
ということで、今回の相手は、どうやって

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『ひと夏の思い出を、この冬に思い出す』

『ひと夏の思い出を、この冬に思い出す』

人力検索かきつばた杯第51回(2013/08/10)
テーマ『ぎんが』投稿作品

***

私が彼と出会ったのは、夏の星空の夜だった。
今でこそ笑い話だが、私はまさにその夜、好きだった人に告白して振られたのだった。
呆然としたままとぼとぼと川べりを歩いていたら、たまたま空を見上げていた彼に衝突して、転んだところを手を差し伸べてもらったのだ。
私はつい勢いで電話番号を訊いて、彼は一瞬困ったような顔を

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『山岳の洞穴』

『山岳の洞穴』

人力検索かきつばた杯第50回(2013/06/28)
テーマ『裏側とか舞台裏とかそんな雰囲気の感じのやつ』投稿作品

***

 大統領にとって、マフィアは憎悪の対象だった。
 ドラッグ、ギャンブル、人身売買。彼らの地下産業は、市民の生活を生かさず殺さず脅かし、徴税と治安が成り立たない状況だった。大統領は断固としてマフィアを弾圧しようとした。
 マフィアは当初は政府要人への籠絡を試みたが、彼らの強

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『月人の神話』

『月人の神話』

人力検索かきつばた杯第48回(2013/03/22)
テーマ『竹取物語のスピンアウト』投稿作品

***

 月には女神と巫女たちがいた。
 女神は狩猟と豊穣の女神であり、純潔と多産を司る女神だった。その国は、女神を崇め、祀り、捧げ物を絶やすことがなかった。

 その森林地帯は典型的な田舎だった。狩猟を主な生計とし、女神の使いである狼と、狼の魂を祓う銀の矢を奉じる部族の土地であり、隣村同士で争いが

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『スプリングバレー・エクストリーム大祭』

『スプリングバレー・エクストリーム大祭』

『飛翔賞』(2009/01/21)
テーマ『劇中で「空を舞うシーン」の出てくるオリジナルの小説・漫画など創作物』投稿作品

***

スプリングバレーでは奇妙な祭りが行われている。
若者が片側の崖から弾性の高い谷底に飛び降り、衝撃吸収性の高い対岸の崖へ飛び移る。
その時の跳躍の姿形が素晴らしかった者に、村一番の栄誉が与えられるというものだ。

「17番、行きます!」
今、一人の中肉中背の若者が、崖

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空から女の子が降ってくるオリジナルの創作小説『ふわふわのプール』

空から女の子が降ってくるオリジナルの創作小説『ふわふわのプール』

『降臨賞』(2009/01/12)
テーマ『空から女の子が降ってくること』投稿作品

***

うちの科学部の先輩は天才である。
ある日、「空を自由に飛びたいな」と言って、それから数日間自宅にこもった後、何か金属の箱を持ってやってきた。
「何ですかそれ?」
「私の作った、空を飛ぶための機械よ!」
先輩は眼鏡をクイッと上げると、自信満々の顔でそう言い放った。
「見て見て、ほら、こうすると」
先輩がつ

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"Moirai Unit" FIN

"Moirai Unit" FIN

『燃やし賞(表2周目)』(2009/06/22)
テーマ『燃えor萌え』モチーフ『架空の新作シューティングゲーム』投稿作品

***

「これは……?」
青い空と白い雲の明るい、水と緑の大地。花は咲き乱れ、蝶や蜂が舞い、多くの八脚のロボットたちが忙しそうに動いている。
そこに、人の姿はない。全くない。
『襲ってきませんね』
「うん……?」
敵のロボットたちがこちらを向き、ある一点を指さす。
奥にそ

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"Moirai Unit" 5

"Moirai Unit" 5

『燃やし賞(表2周目)』(2009/06/22)
テーマ『燃えor萌え』モチーフ『架空の新作シューティングゲーム』投稿作品

***

国連は鹵獲した戦力を元に『国連機械軍』を設立した。
以降、各国の軍事作戦は圧倒的な物量を誇る国連機械軍の指揮下で行われるようになる。
これでよい。我々は次の段階へ進む。

………

俺たちはSSTO(単段式宇宙往還機)『フォークランド』で擬似的に大気圏離脱していた

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