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自民党結成–––第四章 政局の混乱
※画像は国立国会図書館「近代日本人の肖像」より
二つの短命政権①−−−片山内閣吉田茂率いる日本自由党は昭和二十二年四月の選挙で社会党に敗北し、与党の座から降りることになった。総辞職した吉田内閣の後をうけて組閣したのは片山哲、我が国初の社会党政権の誕生である。安定多数とはいえないが、社会党が政権を取るという点では、画期的なことではあった。片山自身、この時の選挙について、
<ここで初めて、名実とも
近現代史作家と無呼吸
はじめに※以下は、個人的体験に基づく見解であり、病気の正確性について保証するものではありません。睡眠時無呼吸症候群や強迫性障害の治療については、専門医に相談してください。特にオチはありません。
「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)という病気をご存知でしょうか。睡眠中、10秒以上の無呼吸が発生し、それが一時間のうち5回以上発生する症状の事をこう呼びます。多くの場合、いびきを伴うらしいです。
いびきだ
自民党結成––−第一章 岸信介の復活
「容疑者」巣鴨を出る昭和二十三年、クリスマスイブ。まだ日本の庶民に「クリスマス」というものが根付く前のことだ。一人の男が東京都巣鴨拘置所を後にし、「シャバ」へと戻ってきた。彼の名は、岸信介。戦前は有能な官僚として腕をふるい、大東亜(太平洋)戦争開戦に際しては、東條英機内閣の閣僚に名を連ねていた。
しかし後に東條とは対立し、その内閣総辞職のきっかけをつくった人物でもある。だが、彼もまた、東京国際軍
宮城事件とある歴史学者–––「諫死」の論理
前回、宮城事件と歴史学者・平泉澄との関係について簡単に述べてきました。今回は、事件首謀者を支えた平泉のイデオロギーと、その影響について述べていきたいと思います。表記などは前回記事と同じ基準です。前回記事は、こちらから。
忠誠の対象は「天皇」「平泉史学」にとって絶対的な忠誠の対象は「天皇」でした。平泉にとってそれは戦後も変わらず、少年向けに書かれた日本通史『物語日本史(中)』(単行本原題は『少年日
宮城事件とある歴史学者–––平泉澄の敗戦
毎年、この八月になると大東亜(太平洋)戦争に関する書籍が出版されたりテレビ番組が放送されたりします。それらの多く、特にテレビのドキュメンタリーなどは悲惨な色を帯びた暗いものになりがちです。膨大な犠牲者を出し、その結果敗戦という結末に至った以上、やむをえないことでしょう。
ではその七十五年前の八月十五日、宮城(皇居)で起きたクーデター未遂事件についてはご存知でしょうか。こちらも、ノンフィクション作
安倍首相批判で最低限弁えるべき事実–岸信介について−
ご存知の通り、現・安倍晋三首相は元首相岸信介の孫にあたります。そして、その事実をもって「安倍晋三はA級戦犯の孫」と、批判的な文脈で語る一部の人々がいますが、これはまちがっています。
単純な事実として岸信介はA級戦犯ではありません。岸はあくまでも「容疑者」であり、「犯人」ではないのです。起訴されていません。岸・安倍についてどれだけ嫌おうとも自由ですし、極東国際軍事裁判についてどんな考えを持っていて
「史料」についてーその③ ネットで史料を読む。
※写真は「アジア歴史資料センター」ウェブサイトのトップページ
近年、ネット上でも多くの「史料」が公開されるようになってきました。以前であれば、刊行された史料以外は原本を見るしかなく、地理的・時間的制約でそういった事が不可能な人はおおくいたと思われます。
しかし、現在では多くの公立機関(施設)で貴重な史料の原本がネット上にアップロードされており、ネット環境さえあれば気軽にアクセスする事が可能とな
「史料」についてーその② 二次史料
前回、一次史料について簡単にお話しました。次はそれ以外、つまり「二次史料」と呼ばれるものについてお話します。
回顧録と自伝「二次史料」で代表的なものといえば、「回顧録(回想録)」や「自伝」といったものがあげられます。この二つは似たようなものではありますが、強いて違う点をあげれば「回顧録」がその人の公的な仕事を振り返るのが強いのに対して、「自伝」はもう少し私的な生活や生い立ちについての分量が多いと
「史料」についてーその① 一次史料
「歴史学」「史学」の基本となるのは、歴史について書かれた「史料」です。「資料」と書く人もいますが、歴史については「史料」です。この「史料」ついてわかりやすく解説してあるのが、国立国会図書館のデジタルライブラリーの「歴史史料とは何か」です。以下同HPより。
<さて、過去に存在した事象を把握し筋道を立てるのに役立つ材料を「史料」と呼ぶ。紙に書かれた文献史料がすぐに頭に浮かぶが、口頭伝承、金石文、絵画