記事一覧
流星夜のヴィーナス 二日目(仮)
流星夜の二日目。相変わらず地に堕つ星々は盛況だ。
僕らはと言えば、この狭い星を廻るにもすっかり飽き飽きしてしまっていた。
だって宿泊施設とスペースポートくらいしかないんだもの。その他は全部湿地だ。まあ、肉食のサンジュウアゴヌマワニとか、猛毒のクスミススケハチモドキとかと戯れたいなら、そっちに遊びに行くのもいいかもしれないけど。
ぼくは嫌だね。
なけなしの無人土産屋で買った七色にひかるキノ
アドルフ・アイヒマンの部屋
薄暗い部室は埃っぽくて、朽ちかけのパイプ椅子に腰かけた三人の高校生が携帯ゲーム機のボタンをかちゃかちゃと言わせている雑音で満たされている。これは学生ハッカー集団ではけしてない。何をしているのかといったら、ぼくらは室長の命令でトランセルを育てているところなんだ。
あ、トランセルってご存知だろうか? ポケットモンスターっていうゲームに出てくるサナギの形をした生命体。ちょっとアンニュイな感じのなんと
君と私の無回答エンド
君と私の無回答エンド #砂糖酒
Q. あなたが機械でないと証明するために表示された写真の中からあなたが写っているものを全て選んでください
──承認されました。フォームを送信します。リクエストが処理されるまでお待ちください。
これであとほんの10分ほども待てば箱が開くだろう。そうすればもうこっちのものだ。警察が来るまでに完了するか冷や汗をかいたけれどこの調子なら心配ない。だってまだ殺してか
ささやかな一言であっても、誕生日に祝辞を受ければ嬉しいじゃないですか。だから私は人の誕生日を祝いたいし、私も祝われたいんですけど、誕生日を公開しておいて誰にも声をかけてもらえないと、傷つくじゃないですか。それをあらかじめ避けるために、私は誕生日を公言しないようにしているんです。
救ってくれよと叫ぶ夜に声が出なくて
誰に責められたわけでもないのに、気がつけば横道にそれていた。
帰宅して、タブレットを開くと充電が切れていて、七日ぶりにテレビをつける。
汗にまみれたスーツを脱ぎ捨てながらクイズ番組を眺める。ご当地の特産品とか、昔の俳優とか、全くわからないような問題ばかりだ。近頃の番組はどれもこれもつまらない、なんて確かにそう思うこともある。かといって昔の番組になにか特別な思い入れがあるわけでもない。そもそも