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南伊豆を愛するポップスおたく

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記事一覧

普通に生きてもいいとバラしてしまった「すばらしき世界」

時代の変化をこれほど痛切に感じたのは久しぶりかもしれません。 映画「すばらしき世界」。 地味な映画でしたが、受けた衝撃は決して小さくありませんでした。 なぜって「…

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1か月前

寅さんの「最高のふられ方」を見るべし、「男はつらいよ 寅次郎恋歌」

 「男はつらいよ」シリーズには毎回のお約束というかお作法がありまして。 そこが見どころになってるわけです。  それこそ「水戸黄門」における印籠みたいなもので。  …

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1か月前
3

「予期せぬ訪問の決まり悪さ」を描いていたポランスキー監督の「水の中のナイフ」

 なるほど、「予期せぬ訪問の決まり悪さ」を描いていたのか――。 ロマン・ポランスキー監督の処女作「水の中のナイフ」(1962年公開)を見てそう思ったわけです。  ず…

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2か月前

【幻】東京・新中野「北京」の全ての料理

町中華の記録をnoteで公開し始めて今回で100回目。 やはりここはもう一度、東京・新中野の「北京」を振り返っておきたくて。 このお店には、個人的には「町中華に望む全て…

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2か月前

【幻】東京・有楽町「味の店 新角」のコロッケラーメン500円(2005年)

有楽町は何でも高いけど、安い店もたくさんあったわけで。 高架下にあった「味の店 新角」はそんな店の1つでした。 勝手に「穴蔵立ち食い蕎麦屋」と呼んでまして。 そこ…

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6か月前
2

東京・押上「友楽菜館」の豚肉と卵の炒めもの定食650円(2005年)

mixiの日記をたどってみると、入ったことさえ覚えていないお店について書いてたりしまして。 仕事で五香へ行った帰りに、北総電車で押上に出てこの「友楽菜館」に入ったよ…

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6か月前
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東京・練馬「多来福」の塩バター浅利ラーメン950円と餃子480円

貝と中華スープの相性はばっちしなわけで。 時々、はまぐりスープを売りにしているラーメン店があったりしますが。 そこまで贅沢でなくても浅利で十分かな、と。 麻布十番…

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6か月前

東京・氷川台「栃尾」のイカ下足揚げ320円、野菜炒め400円、ニンニクラーメン630円

中華は飲み屋でもありまして。 もつ煮やポテトフライを出す店もたまにあったりします。 東京・氷川台の「栃尾」はイカ下足揚げを320円で出してくれてたわけです。 しかも…

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6か月前

東京・新井薬師「燕京亭」の台湾焼きそばセット680円と夏野菜麺900円(2014年)

色気さえ感じさせる手打ち麺を味わえます。 東京・新井薬師周辺の町中華四天王の個性派「燕京亭」。 基本は台湾料理なのか、香りに癖があるんですが、とはいえさすがの町…

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6か月前
1

東京・豊島区千早「鳳園」の五目かた焼きそば680円と餃子350円(2017年)

古い中華の魅力の1つに看板がありまして。 今時ないデザインが多いわけです。 例えば東京・豊島区千早にある「鳳園」。 営業50年目の老舗です。 見てください、この華麗…

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7か月前

東京都練馬区「代一元」のトマトラーメン800円

万能のトマトは洋の東西を問わず料理との相性は抜群でして。 トマトのおでんもあれば、中華でもトマトの卵焼き、トマトタンメンなんてのもあり。 神奈川・新川崎「宝来軒 …

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7か月前
2

【幻】東京・大井町「三三苑」のスーラータンメン(2004年)

行ったことさえ忘れているお店があったりするわけで。 約20年前の2004年10月30日に、JR大井町駅の裏側にある中華料理屋「三三苑」でスーラータンメンを食したことが、mixi …

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7か月前
2

東京板橋区「ふじ」の餃子480円(2018年)

これだけ面構えがいい町中華もそうはないでしょう。 東京都板橋区の「ふじ」。 ややもすると飲食店にすら見えない。 通常、通りかかる中華に入るのですが、このお店は通り…

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7か月前

川崎市「タイガー」の「タイガー麺」550円と餃子400円(2016年)

ここでもまた屋号について思うわけです。 川崎市鶴見区のお食事処「タイガー」。 サンマーメンを醬油味にした「タイガー麺」550円は麺が大盛り。 もやしを主にした野菜は…

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7か月前

神戸市「天竺園」のラーメン600円(2019年)

神戸市内には南京中華街の文化が町中に浸透しているのか、町中華の奥深さを感じました。 バーのママさんに教えてもらった「天竺園」のラーメン600円。 あっさりスープで…

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7か月前
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フリークスVSキャメロン・ディアス! 境界線ギリギリの怪作『メリーに首ったけ』

 これにはたまげた!今や大スター、キャメロン・ディアスの出世作っていうから、それなりに面白いんだろうと思って観たのだが、これがフリークスだらけ、タブーを犯すギリ…

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8か月前
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普通に生きてもいいとバラしてしまった「すばらしき世界」

普通に生きてもいいとバラしてしまった「すばらしき世界」

時代の変化をこれほど痛切に感じたのは久しぶりかもしれません。
映画「すばらしき世界」。

地味な映画でしたが、受けた衝撃は決して小さくありませんでした。
なぜって「ヤクザが普通に、平凡に生きるのを選ぶ」映画だったからです。

個人的にはヤクザ映画=任侠映画といえば、「かたぎじゃいられない美学」を描いているという印象を持ってまして。

ささやかな幸福をつかむために、平凡で普通なカタギの世界に居場所を

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寅さんの「最高のふられ方」を見るべし、「男はつらいよ 寅次郎恋歌」

寅さんの「最高のふられ方」を見るべし、「男はつらいよ 寅次郎恋歌」

 「男はつらいよ」シリーズには毎回のお約束というかお作法がありまして。
そこが見どころになってるわけです。
 それこそ「水戸黄門」における印籠みたいなもので。

 主人公の寅さんが妹さくらや叔父叔母のいる団子屋の敷居のくぐり方。
 団子屋に隣接する印刷工場の通称「たこ社長」が団子屋に入ってくる時の間の外し方。
 おいちゃんやたこ社長と寅さんの喧嘩のし方。

 毎回、このお約束を楽しみにしてるわけで

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「予期せぬ訪問の決まり悪さ」を描いていたポランスキー監督の「水の中のナイフ」

「予期せぬ訪問の決まり悪さ」を描いていたポランスキー監督の「水の中のナイフ」

 なるほど、「予期せぬ訪問の決まり悪さ」を描いていたのか――。
ロマン・ポランスキー監督の処女作「水の中のナイフ」(1962年公開)を見てそう思ったわけです。

 ずっと「間借り人の居心地悪さ」を描くのがポランスキー監督の特徴だと思っていたわけです。
 アカデミー監督賞など3部門を受賞した「戦場のピアニスト」もそう。オカルト映画に分類される「ローズマリーの赤ちゃん」も、カトリーヌ・ドヌーブ主演の「

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【幻】東京・新中野「北京」の全ての料理

【幻】東京・新中野「北京」の全ての料理

町中華の記録をnoteで公開し始めて今回で100回目。
やはりここはもう一度、東京・新中野の「北京」を振り返っておきたくて。

このお店には、個人的には「町中華に望む全て」があったわけです。

その控えめなたたずまい。
人通りの少ない道路に面した立地。
価格の安さ。
メニューの豊富さ。
独自のメニュー。

前を通りかかったら吸い込まれてきちんとうまい中華を食べられた。
こんな幸福を味合わせてくれま

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【幻】東京・有楽町「味の店 新角」のコロッケラーメン500円(2005年)

【幻】東京・有楽町「味の店 新角」のコロッケラーメン500円(2005年)

有楽町は何でも高いけど、安い店もたくさんあったわけで。
高架下にあった「味の店 新角」はそんな店の1つでした。
勝手に「穴蔵立ち食い蕎麦屋」と呼んでまして。

そこで毎回注文していたのがコロッケラーメン500円。

衣がラーメンスープを吸い込んだコロッケが別物になってまして。
蜜の味がするコロッケをいただきたくてコロッケラーメンを注文していた気も。

そういえばこういう味のある立ち食い蕎麦店が駆逐

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東京・押上「友楽菜館」の豚肉と卵の炒めもの定食650円(2005年)

東京・押上「友楽菜館」の豚肉と卵の炒めもの定食650円(2005年)

mixiの日記をたどってみると、入ったことさえ覚えていないお店について書いてたりしまして。

仕事で五香へ行った帰りに、北総電車で押上に出てこの「友楽菜館」に入ったようなのです。
そこで昼食。豚肉と卵の炒めもの定食(650円)を食べたとか。

「畳の座敷席しかない珍しい中華料理屋で、おかみさんがやたら客と喋っていた。 近所の常連さんばっかなんだろうな」

と感じたようです。
Webで調べたところご

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東京・練馬「多来福」の塩バター浅利ラーメン950円と餃子480円

東京・練馬「多来福」の塩バター浅利ラーメン950円と餃子480円

貝と中華スープの相性はばっちしなわけで。
時々、はまぐりスープを売りにしているラーメン店があったりしますが。
そこまで贅沢でなくても浅利で十分かな、と。
麻布十番「福琳」の浅利と酸白菜と豚肉の湯麺は大好物でして。
酸白菜の酸味と浅利の旨みがベストマッチ。
毎日だって食べられるんじゃないでしょうか、あれなら。

東京・練馬「多来福」の塩バター浅利ラーメン950円は、浅利にバターという組み合わせできま

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東京・氷川台「栃尾」のイカ下足揚げ320円、野菜炒め400円、ニンニクラーメン630円

東京・氷川台「栃尾」のイカ下足揚げ320円、野菜炒め400円、ニンニクラーメン630円

中華は飲み屋でもありまして。
もつ煮やポテトフライを出す店もたまにあったりします。

東京・氷川台の「栃尾」はイカ下足揚げを320円で出してくれてたわけです。
しかも大ぶりの下足が山盛りです。
マヨネーズが添えられてるあたり、わかってらっしゃる。

その他、コロッケやアジフライもあるってことは定食屋でもあるわけで。
ほんと、こういう店はありがたいし、嬉しい。

さすがにイカ下足だけじゃ不健康かと思

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東京・新井薬師「燕京亭」の台湾焼きそばセット680円と夏野菜麺900円(2014年)

東京・新井薬師「燕京亭」の台湾焼きそばセット680円と夏野菜麺900円(2014年)

色気さえ感じさせる手打ち麺を味わえます。
東京・新井薬師周辺の町中華四天王の個性派「燕京亭」。

基本は台湾料理なのか、香りに癖があるんですが、とはいえさすがの町中華。
抜群のコスパを誇ります。
特に手打ちと思われる太麺の色気たるや。

ランチの台湾焼きそばセット(ワンタンスープとお新香、小ライス)680円がとにかくおすすめです。
横浜近辺の炒麺や、石川県小松市の人気店「かっちゃん」の焼きそばに近

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東京・豊島区千早「鳳園」の五目かた焼きそば680円と餃子350円(2017年)

東京・豊島区千早「鳳園」の五目かた焼きそば680円と餃子350円(2017年)

古い中華の魅力の1つに看板がありまして。
今時ないデザインが多いわけです。

例えば東京・豊島区千早にある「鳳園」。
営業50年目の老舗です。
見てください、この華麗な看板を。

職人作業っぽさがたまりません。

餃子350円は、餡の肉多め。その割に味薄めと手作り感全開。
皮のカリカリ感はベストに近い。

出色の出来は五目かた焼きそば680円。
街の中華では珍しいバラエティ感のある餡を堪能しました

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東京都練馬区「代一元」のトマトラーメン800円

東京都練馬区「代一元」のトマトラーメン800円

万能のトマトは洋の東西を問わず料理との相性は抜群でして。
トマトのおでんもあれば、中華でもトマトの卵焼き、トマトタンメンなんてのもあり。
神奈川・新川崎「宝来軒 三代目」のトマトチーズタンメンは特に記憶に残ってます。

東京都練馬区「代一元」のトマトラーメン800円も、同様にイタリアンを思わせる独特のラーメンでして。

宝来軒がチーズの甘味やニンニクを強烈に効かせた、川崎市独自のニュー担々麺を思わ

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【幻】東京・大井町「三三苑」のスーラータンメン(2004年)

【幻】東京・大井町「三三苑」のスーラータンメン(2004年)

行ったことさえ忘れているお店があったりするわけで。
約20年前の2004年10月30日に、JR大井町駅の裏側にある中華料理屋「三三苑」でスーラータンメンを食したことが、mixi の日記で判明。

 おそらく初めて食べたスーラータンメンだと思うのですが。日経によると食べた後、「汗びっしょりかく」という状況だったそうで。値段も不明。どうやらお店は現在、営業されていないようで。

もう行けません。

東京板橋区「ふじ」の餃子480円(2018年)

東京板橋区「ふじ」の餃子480円(2018年)

これだけ面構えがいい町中華もそうはないでしょう。
東京都板橋区の「ふじ」。
ややもすると飲食店にすら見えない。

通常、通りかかる中華に入るのですが、このお店は通り過ぎかねない。
その存在感のなさが、逆に存在感を醸し出すという矛盾。

餃子480円は、注文してから餡を皮に包み始める手作りタイプ。
日本人の血にはもはや餃子をカリカリモチモチに焼くDNAがあるね。

ビール中瓶580円はやや高いかなと

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川崎市「タイガー」の「タイガー麺」550円と餃子400円(2016年)

川崎市「タイガー」の「タイガー麺」550円と餃子400円(2016年)

ここでもまた屋号について思うわけです。
川崎市鶴見区のお食事処「タイガー」。

サンマーメンを醬油味にした「タイガー麺」550円は麺が大盛り。
もやしを主にした野菜は麺より多い。
普通の女性は食べきれないでしょう。

だからでしようか、店内はほぼ男性。男汁100%の飯処です。
餃子400円も、この値段からは想像できないボリュームと味です。

聞けば、なんでも戦前からあるお店だとか。
きっと鶴見の労

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神戸市「天竺園」のラーメン600円(2019年)

神戸市「天竺園」のラーメン600円(2019年)

神戸市内には南京中華街の文化が町中に浸透しているのか、町中華の奥深さを感じました。

バーのママさんに教えてもらった「天竺園」のラーメン600円。

あっさりスープで塩強め。
飲んだ後にはこれがいい。

近隣住民らしきお客さんが、テレビのバラエティ番組を見ながら食事してました。

「大阪と京都に観光客を奪われてパッとしない」と飲食店の経営者さんは皆さん、話されてましたが、こんなお店が身近にあって、

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フリークスVSキャメロン・ディアス! 境界線ギリギリの怪作『メリーに首ったけ』

フリークスVSキャメロン・ディアス! 境界線ギリギリの怪作『メリーに首ったけ』

 これにはたまげた!今や大スター、キャメロン・ディアスの出世作っていうから、それなりに面白いんだろうと思って観たのだが、これがフリークスだらけ、タブーを犯すギリギリまで迫った怪作だった。キャメロン・ディアスのチャーミングなイメージだけで判断すると、良くも悪くも裏切られるに違いない。

 なんせオープニングから凄い。脱力系米国ロックスター、相当マイナーなジョナサン・リッチマンが木の上で歌ってる場面か

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