堀江卓矢(DMO KYOTO)

観光について、京都をフィールドに、データ分析を通して考えています。投稿する内容はあくま…

堀江卓矢(DMO KYOTO)

観光について、京都をフィールドに、データ分析を通して考えています。投稿する内容はあくまでも個人の見解であり、所属する組織などとは関係ありません。 京都大学 農学部・農学研究科(2006~2012) 三菱総合研究所(2012~2016) 京都市観光協会(2016~)

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  • DMO(観光地域づくり)の備忘録

    DMO(観光地域づくり)関係者に参考になりそうな記事を集めていこうと思います。

  • 京都観光の市場分析

  • 観光データ分析実践

    観光マーケティングに使える便利なデータを使った分析や、分析に使えるソフトの紹介をしていきます。

記事一覧

世の中が便利になるほど、旅行者は間際まで調べなくなる。混雑や行列待ちなどに見舞われてしまった観光客に、すぐに代替手段を用意できるかどうかが大事。タビナカの検索意図をきちんとデータでとらえて、機会損失(工夫の余地)がたくさんあることを証明できるようにしたい。

観光案内現場のDXの是非と本質について

観光DXの分類デジタル庁の創設に象徴されるように、日本全国で「デジタル」「DX」といったキーワードが持て囃されるようになって久しくなりましたが、観光の分野におい…

訪日動機の衛生要因が動機づけ要因になるとき

ちょっと前から、海外版のYahoo知恵袋的なサービスQUORAを眺めてるんですが、今日は「なぜ人は日本を訪れるのか」という問いが流れてきました。 これに対するグッドアンサ…

僕がボーイスカウトを続ける理由

普段はデータとか政策の話ばかりしていて、プライベートのことほとんど話さないので、インドア系だと思われることが多いのですが、実は幼少期からボーイスカウトをやってま…

Cookie規制への対抗手段はファンコミュニティの形成とコンテンツ開発手法の確立

以前から分かってはいたことですが、いよいよCookie規制が始まりますね。広告配信に左右されない、自社コンテンツのファンのコミュニティを作ることの重要性が高まることに…

2020年の年間レポートを発表しました。去年は大変だったけど、日本人市場が本気出せば凄いことは分かったので、今年も希望を捨てずに頑張りましょう。準備が整い次第、Tableauで元データも公開しようと思っていますので、お楽しみに。
https://www.kyokanko.or.jp/wp/wp-content/uploads/KTA_annual_report_2020.pdf

数字で振り返る2020年の京都観光

2020年が観光業界にとって厳しい年であったことは言わずもがなですが、今回はあらためて京都におけるデータをもとに振り返ってみたいと思います。京都市観光協会が市内主要…

議論しない会合はもうやめよう

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森会長の「女性が多い理事会は時間がかかる」発言が問題になってますね。この記事を書いているあいだに辞任が決まっ…

Clubhouseとコミュティのジレンマから思ったこと

僕はAndoridユーザーなので、実際に利用してもいない立場から批評するのは気が憚られるけど、Clubhouseについてはこの記事に書かれているような感想を抱きました。(音声だ…

・GoToトラベル見直しの影響で12月の各指標は悪化しました。
・今回から、3カ月先までの客室稼働率の予測値を発表しています。
・宿泊施設の休業状況の臨時調査も行いました。
https://www.kyokanko.or.jp/report/hotel202012

京都の旅マエ需要に関する指標を開発しました!
需要予測とまではいきませんが、観光客数とは違った動向を示すこともあるので、より多角的に市場を捉えていただく指標として、ご活用ください!

https://www.kyokanko.or.jp/report/20210120/

デジタルシフト政策において1番大事なのは「データになっていないもののデータ化」。次に大事なのが「オープンデータ」。最後の仕上げが「アライアンス」。どうしても「データ活用」に注目が集まりがちで、DMPとか作りたくなるけど、それは民間に任せておけばいい、と思うに至る。

大阪都構想住民投票に見る世代間対立

大阪都構想の住民投票の結果を見ると、明らかに市内中心部の市民に賛成派が多く、郊外に反対派が多かったことが分かります。 賛成派が多かった中心部の特徴賛成派が多かっ…

8月の観光需要回復は足踏みも 秋の需要には期待【データで見る京都観光】

市内主要ホテルの動向日本人客はわずかに減少幅の改善が進みましたが、依然として前年同月の半分程度と、厳しい状況が続いています。客室稼働率も22.8%とやや上昇したもの…

感染対策ステッカーを貼ってる店をGoogleマイマップで探せるようにしてみた

京都における感染対策ステッカーの取り組みについて東京都において、感染症対策に取り組んでいる店舗や施設が、虹が描かれた紙を店頭に掲げる取り組みを行っていますが、京…

辛辣な表現が目立つのはいかがなものかなと思いますが、日本の観光が「観光ロジスティクス業者」主導によって形成されてきて、それが足枷になってしまっているという指摘は否定できません(既に、いろんな方が主張されてきたことですが)。
https://blogos.com/article/474164/

世の中が便利になるほど、旅行者は間際まで調べなくなる。混雑や行列待ちなどに見舞われてしまった観光客に、すぐに代替手段を用意できるかどうかが大事。タビナカの検索意図をきちんとデータでとらえて、機会損失(工夫の余地)がたくさんあることを証明できるようにしたい。

観光案内現場のDXの是非と本質について

観光案内現場のDXの是非と本質について

観光DXの分類デジタル庁の創設に象徴されるように、日本全国で「デジタル」「DX」といったキーワードが持て囃されるようになって久しくなりましたが、観光の分野においても例外ではありません。観光におけるDXといっても様々なアプローチがあり、各地で実証が行われています。思いつくだけでも、以下のような取組を挙げることができるかなと思います。

・インターネット予約(OTAの活用)
・通信販売(Eコマース、ふ

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訪日動機の衛生要因が動機づけ要因になるとき

訪日動機の衛生要因が動機づけ要因になるとき

ちょっと前から、海外版のYahoo知恵袋的なサービスQUORAを眺めてるんですが、今日は「なぜ人は日本を訪れるのか」という問いが流れてきました。
これに対するグッドアンサーの中で、最後に特に強調されてたのが以下のフレーズ。

"People wash their hands. That’s really important at the end of the day."
(日本人はよく手を洗う。今

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僕がボーイスカウトを続ける理由

僕がボーイスカウトを続ける理由

普段はデータとか政策の話ばかりしていて、プライベートのことほとんど話さないので、インドア系だと思われることが多いのですが、実は幼少期からボーイスカウトをやってます。

ボランティア活動によくあるジレンマ毎週のようにプライベートの時間を削られ、辞めれるものなら辞めたいと言いながらも、なんだかんだ続けてきました。実際「ボーイスカウトやってるなんて、意外ですね」と言われることも多いです。たしかに、ボーイ

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Cookie規制への対抗手段はファンコミュニティの形成とコンテンツ開発手法の確立

以前から分かってはいたことですが、いよいよCookie規制が始まりますね。広告配信に左右されない、自社コンテンツのファンのコミュニティを作ることの重要性が高まることになります。

もう一つこのニュースを見て思うのは、いずれ、広告主はGoogleを通せば何も考えなくても情報を届けたい人に届けられるようになる世界がやってくるんだろうなということです。そしてCookieが使えなくなると、このGoogle

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2020年の年間レポートを発表しました。去年は大変だったけど、日本人市場が本気出せば凄いことは分かったので、今年も希望を捨てずに頑張りましょう。準備が整い次第、Tableauで元データも公開しようと思っていますので、お楽しみに。
https://www.kyokanko.or.jp/wp/wp-content/uploads/KTA_annual_report_2020.pdf

数字で振り返る2020年の京都観光

数字で振り返る2020年の京都観光

2020年が観光業界にとって厳しい年であったことは言わずもがなですが、今回はあらためて京都におけるデータをもとに振り返ってみたいと思います。京都市観光協会が市内主要ホテルのデータをもとに毎月発表する統計によると、外国人宿泊客は2月から、日本人宿泊客は3月から激減が始まり、4月には客室稼働率が10%を下回るまでに落ち込みました。

その後、日本人客は少しずつ回復し、GoToトラベルキャンペーンが東京

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議論しない会合はもうやめよう

議論しない会合はもうやめよう

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森会長の「女性が多い理事会は時間がかかる」発言が問題になってますね。この記事を書いているあいだに辞任が決まってしまいました(笑)。ただこの問題、性差別の部分に焦点が当たっていますが、日本社会が抱えているより核心的な問題からは目が背けられているような気がします。

性差別よりも本質的な問題がある僕もこれまで、会社の理事会や、行政の審議会や協議会と呼

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Clubhouseとコミュティのジレンマから思ったこと

Clubhouseとコミュティのジレンマから思ったこと

僕はAndoridユーザーなので、実際に利用してもいない立場から批評するのは気が憚られるけど、Clubhouseについてはこの記事に書かれているような感想を抱きました。(音声だと、無責任な情報発信が増えるという話など)

文字か会話かについては、好き嫌いによるところが大きいので、意見を押し付けるようなことではないのですが、今回はもう少し広い視野に立って考えてみたいと思います。

まずもって確認して

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・GoToトラベル見直しの影響で12月の各指標は悪化しました。
・今回から、3カ月先までの客室稼働率の予測値を発表しています。
・宿泊施設の休業状況の臨時調査も行いました。
https://www.kyokanko.or.jp/report/hotel202012

京都の旅マエ需要に関する指標を開発しました!
需要予測とまではいきませんが、観光客数とは違った動向を示すこともあるので、より多角的に市場を捉えていただく指標として、ご活用ください!

https://www.kyokanko.or.jp/report/20210120/

デジタルシフト政策において1番大事なのは「データになっていないもののデータ化」。次に大事なのが「オープンデータ」。最後の仕上げが「アライアンス」。どうしても「データ活用」に注目が集まりがちで、DMPとか作りたくなるけど、それは民間に任せておけばいい、と思うに至る。

大阪都構想住民投票に見る世代間対立

大阪都構想住民投票に見る世代間対立

大阪都構想の住民投票の結果を見ると、明らかに市内中心部の市民に賛成派が多く、郊外に反対派が多かったことが分かります。

賛成派が多かった中心部の特徴賛成派が多かった中心部には「梅田」「心斎橋」「なんば」といった市内屈指の繁華街が連なり、「新大阪」「京橋」「十三」「淡路」といった主要交通結節点もあります。「大阪城」「通天閣」というランドマークもあり、「鶴見緑地」はファミリー層に人気の住宅街です。

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8月の観光需要回復は足踏みも 秋の需要には期待【データで見る京都観光】

8月の観光需要回復は足踏みも 秋の需要には期待【データで見る京都観光】

市内主要ホテルの動向日本人客はわずかに減少幅の改善が進みましたが、依然として前年同月の半分程度と、厳しい状況が続いています。客室稼働率も22.8%とやや上昇したものの、例年の稼働率は80%前後であることから、まだまだ空きがある状況です。

ビッグデータによる観光客の滞在状況スマートフォンの位置情報ビッグデータ(KDDI社)によると、9月の連休期間(シルバーウィーク)には、市内の一部の観光地で前年同

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感染対策ステッカーを貼ってる店をGoogleマイマップで探せるようにしてみた

感染対策ステッカーを貼ってる店をGoogleマイマップで探せるようにしてみた

京都における感染対策ステッカーの取り組みについて東京都において、感染症対策に取り組んでいる店舗や施設が、虹が描かれた紙を店頭に掲げる取り組みを行っていますが、京都においても同様の取り組みが行われております。京都では、以下のようなデザインのステッカーを店舗や施設に配布して、感染症対策の普及と可視化を促進しています。

京都市観光協会が呼びかけ人となって、下記の23団体の賛同のもとに、業界横断で策定さ

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辛辣な表現が目立つのはいかがなものかなと思いますが、日本の観光が「観光ロジスティクス業者」主導によって形成されてきて、それが足枷になってしまっているという指摘は否定できません(既に、いろんな方が主張されてきたことですが)。
https://blogos.com/article/474164/