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海の君へ | 小説(「浦島太郎」翻案)
「捨てておいたわよ」
本棚の前で呆然とする私に、母はいつものように明るく言った。
「ダメよ、あんな本読んでたら頭がおかしくなるでしょう。あなたにはもっと善いものを読んで欲しいの」
視界が狭くなる。私は黙って椅子に座った。なにかを言おうとして口を開き、でも言葉はなにも出てこなかった。いのちなき砂のかなしさよ。いつものように、心で唱える。続きはなんだっけ。
「川柳ですっけ。俳句? まあなん
母の手をはなれて | 小説『想いを結わう』収録
お手本のような秋晴れだった。
私は手を借りてタクシーからゆっくりと降りる。雲ひとつない空のもとで、ひやりとした風が頬をかすめた。赤く染まり始めた葉が日の光にあたってきらきらと光っている。
朝九時とはいえ、浅草はもう観光客で賑わっている。何人かが私たちに気づいて、遠くから写真を撮っているのが見えた。
「ゆっくりで大丈夫ですからね」
付き添いの女性に声をかけられ、はい、と返事をしてそろそ
仙台② : 仙台の海を感じる | 旅行記
仙台旅行、2日目。
温度が上がり、日差しもあり、1日目より過ごしやすい気候となりました。助かった……。
さてさて、今日は。
朝市で朝ごはん「仙台場外市場 杜の市場」コロナ前に知人に連れて行ってもらった場所。あまりによかったので、バスを乗り換えて1時間弱かけて向かいました。普通は自家用車で行くところだね……!
こちら、仙台市中央卸売市場近くにある場外市場。農業をされていたオーナーが「東北の食材