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#1 虚構かもしれない世界をどう「自分事」するか
先週、ポーランドに旅行した際に旧アウシュヴィッツ強制収容所を訪れた。僕はその場がどのような意味を持つのかを知っていたし、そこに訪れる他の人々も僕と同じだっただろう。非人道的日常が送られたかつての地に自らが赴き、当時の凄惨さを肌で感じることは、過去の過ちを未来に再投影しないことを社会の中の誰かではなく個人が強く誓い願うことに繋がる。このように、社会で起きる問題を他人事ではなく自分事として捉えることは
もっとみる番外編#4 「楽しい」は我慢すべきなのか
やあやあやあ。
例えば、法律のある分野の研究をしているのに、映画産業の勉強をしたくなることないだろうか。楽しいから。
例えば、システムエンジニアなのに、教育心理について勉強したくなることはないだろうか。楽しいから。
あるでしょ!!
ないか??あるだろう。
自分がある特定の研究をしているからといって、それに関係するであろう分野の勉強だけに注力すべきであって、それ以外の分野の勉強に充てる時間はで
番外編#3. 夏休み is killing me
どうやら自分は、3日間家から出ていない。
食料を買いだめて、Stranger Thingsシーズン1エピソード1の再生ボタンをクリックしたところまでは覚えているのだが、それ以降理性を失ったように画面にくぎ付けになっていた。マインドフレイヤ―に魂を奪われたようだ。
つい数日前、いい加減Netflixを閉じて勉強を始めると宣言したはずだが、僕の意思など思春期の恋ほど脆い。
まあいいだろう。夏休みは
番外編#2. Netflixも”勉強”ではないか
怒涛のサマースクールが終わった。
早朝から始まるレクチャー、止まらない質疑応答、食事中の議論。
これが3週間も続けば身体も脳も次第に慣れてきて、最終的には隙間時間に自分から自然と勉強しようという気になってくる。
非常に良い傾向である。
そこでサマースクールが終わってもこの流れを絶つまいと、あらかじめその後1週間の勉強スケジュールを組んだ。レクチャースライドを復習する時間、文献を探す時間、本を読む
ハーバード大を卒業してラ・ラ・ランドを作ったDamien Chazelle監督が天才なワケ
『セッション(Whiplash)』そして『ラ・ラ・ランド』、これらは言わずとも知れた傑作である。
『セッション』は2014年に製作され、アカデミー賞に5部門にノミネート、そして3部門で受賞。『ラ・ラ・ランド』は2016年に製作され、ゴールデングローブ賞ではノミネートされた7部門全てを受賞、アカデミー賞でも6部門で受賞するなど、世界中で愛され、今なお愛され続ける映画である。日本でも映画館に足を運
Get Out(2017)がアメリカで大人気だったのに日本で全くウケない理由
ジョーダン・ピールの監督デビュー作となった「Get Out」。第90回アカデミー賞の中で5部門にノミネート、そして見事脚本賞を受賞している。低予算だったにも関わらず全米で初登場第一位を獲得するなどアメリカでは相当な評価を得た。そして2017年10月からは日本で上映開始。多くの人が映画館に観に行くかと思われた。
しかし、ふたを開けてみれば大ハズレ。
2017年に上映開始された他の映画、例えば「LA
Notting Hill/ノッティングヒルの恋人(1999)がここまで愛される理由はその「ストーリー」にある
もはや前置きは要るまい。最高峰の純愛ストーリー、「ノッティンヒルの恋人」である。
制作年の1999年から20年が経ったが、未だなおラブストーリー界のトップに君臨する映画である。今回の投稿では、この映画がそこまで愛される理由を、映画のあらすじ、ストーリー構成の王道かつくぎ付けにさせる凄み、セリフの美しさ、そして全体を通して伝えたいメッセージの順に考察していこうと思う。
あらすじ
ウィリアム・
Catch me if you can(2002)の旨味
寒い。もう5月中旬だというのに、ドイツは依然寒い。
さて、
先日、Catch me if you can(2002)という映画を観た。
この映画、レオナルド・ディカプリオとなんとトム・ハンクスが出演しているだけでなく、監督がスティーブン・スピルバーグだと聞いていたので、相当な期待をしていた。
この記事ではまず映画の概要、具体的なストーリー、ここが凄い!!、そして映画のメッセージという順で映画を