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映像表現への批評をしているつもりです。質問、疑問点など気軽にどうぞ。出来る限り返答致し…

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映像表現への批評をしているつもりです。質問、疑問点など気軽にどうぞ。出来る限り返答致します。 嘘はつきたくないので、本音で記事を書いています。どうぞ宜しく。

記事一覧

固定された記事

「アリスとテレスのまぼろし工場」は、虚構を創造してきた岡田麿里の最終回答である。

先日、配信された岡田麿里監督最新作「アリスとテレスのまぼろし工場」を遅ればせながら、拝見した。そして、非常に後悔した。 「なぜ、劇場で見なかったのだろう。」と。 …

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4か月前
7

「呪術廻戦」#25を見直した。やはり御所園絵コンテ凄い。冒頭10分で物体ナメ歌姫を数度見せた後、OP前でナメにしていた物体を踏みつけて五条が登場する。これにより、初登場のインパクト+瓦礫の下敷きになる歌姫と見下ろす五条に実力の差がかなりあることを撮影方法のみで演出している。凄い。

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1日前

笠希々とかいうアニメ感想系youtuberに「作画が良い」=「良いアニメ」という価値基準では話にならないと意見したらブロックされた。「作画が良い作品が好き」なら理解できるが、それが傑作かどうかは別問題。好き、嫌いと良い、悪いの違いが分からない。だから、価値基準が稚拙になる。

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3週間前
3

「閃光のハサウェイ」を見直した。村瀬監督は演出家としても一流だと再認識した。特に素晴らしいのはハサウェイとギギの二面性や心情を分かりやすいモノローグだけでなく被写物の扱いやアングルの工夫などの実写映像的な演出で表現している点。この作品は、台詞ではなく描写を注視すべきだ。絶対。

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3週間前
1

「戦隊大失格」の3話コンテが良かった。理由は、目に見えているものを疑わない人間や戦隊が人間に見せている幻想を打ち砕く、目を覚まさせる怪人の物語を目に関わる演出を頻出させ、視聴者に目への意識を強調させることで考えさせるという演出からテーマを思考させること可能にしたコンテだからだ。

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1か月前

絵コンテを読み解けない人の多くは
「クリティカルリーディング」が出来ない、または知らないのだと思う。
無理もない。欧米では、当たり前のように教育されるそれを日本国は全く教えていない。代わりに教えているといったら答えは模範回答の一つのみでそれ以外の解釈に✖︎を付けるものだ。愚民教育。

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1か月前
1

ヒット作には元ネタがあるが本当に大事なのは元ネタ探しではなくアップデートできているかだ!

面白かった点 2024年春アニメが始まった途端に面白い作品を二つ観たので、雑感というか感じたことを素直に書こうと思う。 一つ目は、ガルパンやSHIROBAKOでお馴染み水島…

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1か月前
7

「好き」という個人的な評価がSNSによって動員され集合することで「良い」という本来、客観性を持つ正当な評価が偽装され、あくまで見かけの上だけだが「好き」=「良い」が成り立ってしまったのが今日の情報社会。そこに同調圧力と権威主義も加われば、誰も自分で良し悪しを判断したりしない。

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1か月前
2

私的2023年度優秀絵コンテ賞発表!!!

企画内容 2023年度、米アカデミー賞では、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞を獲得。また宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を獲得すると…

新人。
1か月前
2

JAZZが『アニメ』を喰らっても、青くは輝けない。

はじめに 上映されることは知っていたものの、劇場へ足を運べず、ずっと気になっていた『BLUE GIANT』が配信開始されたので、遅ればせながら観ました。 端的に評価する…

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1か月前
2

愛とロマンで人は救われるか?否。我々は『イデ』によって浄化されるべきである。

はじめに、言っておく! まず、本稿を読む前に下記の記事を読んでみてほしい。 かなりのスキが付いているこの文章。読んでみて如何でしたか? 私はこの記事のタイトルを…

100
新人。
1か月前
3

演出家は台詞と描写を接続できて、初めて二流。では、「一流の仕事とは?」私が思うにそれをこなした上で、キャラ同士の関係性や趣味趣向、思想の違い、心情等を読み解くヒントを台詞と描写で表現すること。千と千尋の序盤のシーンにはそれが詰まっている。やはり宮崎駿は演出家としても一流である。

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2か月前

「社会的な問題を扱っている、故に傑作である」という作品評価は信用できない。なぜなら、中身(本質)を無視しているから。「なぜ、その問題を取り上げたのか、取り上げた上で何を表現したいのか、伝えたいのか」そこに目を向けてこその評価だろう。表面的な理解の先に本質は存在しない。

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2か月前

正直、素晴らしいアクションシーンを見ても、アニメーターではないのでそこにどんな研鑽があるのかが分からない。しかし、良い演出なら映像理論を少し勉強するだけでダメなものと良いものの区別ができるようになった。故に、私がアニメーションを評価する際に「作画が良い」は基準にならない。

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2か月前

技術と工夫は別物である。技術は再現するもので、工夫は技術をもとに0から創作するもの。フリーレンのスタッフの技術は素晴らしいし、オリジナルの演出も良いと思う。しかし、それはどこかで見たような演出ばかりであまり工夫が見られない。見たことのない演出を期待したい。高い技術力があればこそ。

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2か月前

作品を構成する要素としてストーリー、設定、テーマがある。葬送のフリーレンはストーリーと設定はマッチしているが、それ以外がかなりアンマッチ。特に、「人間を描く」というテーマがストーリーに合っていない。非常に歪な作品である。

新人。
2か月前
「アリスとテレスのまぼろし工場」は、虚構を創造してきた岡田麿里の最終回答である。

「アリスとテレスのまぼろし工場」は、虚構を創造してきた岡田麿里の最終回答である。

先日、配信された岡田麿里監督最新作「アリスとテレスのまぼろし工場」を遅ればせながら、拝見した。そして、非常に後悔した。
「なぜ、劇場で見なかったのだろう。」と。
配信で見れば、聞き逃した台詞を巻き戻して見ることができるので、それなりのメリットもあるが、大スクリーンと大音響でこの作品を観るべきだったと、配信で見終わった今も後悔している。

さて、後悔の念を振り払うが如く、本作についてガンガン語ってい

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「呪術廻戦」#25を見直した。やはり御所園絵コンテ凄い。冒頭10分で物体ナメ歌姫を数度見せた後、OP前でナメにしていた物体を踏みつけて五条が登場する。これにより、初登場のインパクト+瓦礫の下敷きになる歌姫と見下ろす五条に実力の差がかなりあることを撮影方法のみで演出している。凄い。

笠希々とかいうアニメ感想系youtuberに「作画が良い」=「良いアニメ」という価値基準では話にならないと意見したらブロックされた。「作画が良い作品が好き」なら理解できるが、それが傑作かどうかは別問題。好き、嫌いと良い、悪いの違いが分からない。だから、価値基準が稚拙になる。

「閃光のハサウェイ」を見直した。村瀬監督は演出家としても一流だと再認識した。特に素晴らしいのはハサウェイとギギの二面性や心情を分かりやすいモノローグだけでなく被写物の扱いやアングルの工夫などの実写映像的な演出で表現している点。この作品は、台詞ではなく描写を注視すべきだ。絶対。

「戦隊大失格」の3話コンテが良かった。理由は、目に見えているものを疑わない人間や戦隊が人間に見せている幻想を打ち砕く、目を覚まさせる怪人の物語を目に関わる演出を頻出させ、視聴者に目への意識を強調させることで考えさせるという演出からテーマを思考させること可能にしたコンテだからだ。

絵コンテを読み解けない人の多くは
「クリティカルリーディング」が出来ない、または知らないのだと思う。
無理もない。欧米では、当たり前のように教育されるそれを日本国は全く教えていない。代わりに教えているといったら答えは模範回答の一つのみでそれ以外の解釈に✖︎を付けるものだ。愚民教育。

ヒット作には元ネタがあるが本当に大事なのは元ネタ探しではなくアップデートできているかだ!

ヒット作には元ネタがあるが本当に大事なのは元ネタ探しではなくアップデートできているかだ!

面白かった点

2024年春アニメが始まった途端に面白い作品を二つ観たので、雑感というか感じたことを素直に書こうと思う。

一つ目は、ガルパンやSHIROBAKOでお馴染み水島努監督のオリジナルアニメ『終末トレインどこへいく』。

二つ目は、前作が放送されてからかなりの時間が経ってからのリメイクということで話題になった『狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』だ。

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「好き」という個人的な評価がSNSによって動員され集合することで「良い」という本来、客観性を持つ正当な評価が偽装され、あくまで見かけの上だけだが「好き」=「良い」が成り立ってしまったのが今日の情報社会。そこに同調圧力と権威主義も加われば、誰も自分で良し悪しを判断したりしない。

私的2023年度優秀絵コンテ賞発表!!!

私的2023年度優秀絵コンテ賞発表!!!

企画内容
2023年度、米アカデミー賞では、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞を獲得。また宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を獲得するという嬉しいニュースもありました。

それに便乗するわけではないですが、私的なアカデミー賞というか、私が2023年に放送されたTVアニメの中で非常に絵コンテが優れていたと評価するものをここに列挙し、自己満足でしかないですが、ささやかな

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JAZZが『アニメ』を喰らっても、青くは輝けない。

JAZZが『アニメ』を喰らっても、青くは輝けない。



はじめに

上映されることは知っていたものの、劇場へ足を運べず、ずっと気になっていた『BLUE GIANT』が配信開始されたので、遅ればせながら観ました。

端的に評価すると、映画としては、75点。しかし、アニメーションとしては、65点。総合して、70点ぐらいの出来だと思う。

映画.comにかなり的を得たレビューがあったので、ここで参照しておく。

私は、かなりのアニメ党であるにも関わらず、

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愛とロマンで人は救われるか?否。我々は『イデ』によって浄化されるべきである。

愛とロマンで人は救われるか?否。我々は『イデ』によって浄化されるべきである。


はじめに、言っておく!
まず、本稿を読む前に下記の記事を読んでみてほしい。

かなりのスキが付いているこの文章。読んでみて如何でしたか?

私はこの記事のタイトルを見た時、「かなり大きく出たな!」と思いました。だって「大人の目線」ですよ。「どのような体験を齎してくれるのか」という期待を胸にいざ文章を読み始めてみたところ…。

何ですかこれ?

どの辺が「大人の目線」何ですか?

本文開始早々、ネ

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演出家は台詞と描写を接続できて、初めて二流。では、「一流の仕事とは?」私が思うにそれをこなした上で、キャラ同士の関係性や趣味趣向、思想の違い、心情等を読み解くヒントを台詞と描写で表現すること。千と千尋の序盤のシーンにはそれが詰まっている。やはり宮崎駿は演出家としても一流である。

「社会的な問題を扱っている、故に傑作である」という作品評価は信用できない。なぜなら、中身(本質)を無視しているから。「なぜ、その問題を取り上げたのか、取り上げた上で何を表現したいのか、伝えたいのか」そこに目を向けてこその評価だろう。表面的な理解の先に本質は存在しない。

正直、素晴らしいアクションシーンを見ても、アニメーターではないのでそこにどんな研鑽があるのかが分からない。しかし、良い演出なら映像理論を少し勉強するだけでダメなものと良いものの区別ができるようになった。故に、私がアニメーションを評価する際に「作画が良い」は基準にならない。

技術と工夫は別物である。技術は再現するもので、工夫は技術をもとに0から創作するもの。フリーレンのスタッフの技術は素晴らしいし、オリジナルの演出も良いと思う。しかし、それはどこかで見たような演出ばかりであまり工夫が見られない。見たことのない演出を期待したい。高い技術力があればこそ。

作品を構成する要素としてストーリー、設定、テーマがある。葬送のフリーレンはストーリーと設定はマッチしているが、それ以外がかなりアンマッチ。特に、「人間を描く」というテーマがストーリーに合っていない。非常に歪な作品である。