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子供に教わったこと

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母から子への手紙

母から子への手紙

 子どもが幼かった時のこと、『心の手紙コンテスト』というものに応募したことがあった。
 郵便局でたまたまパンフレットを見つけたように記憶している。
 そこには、野口英世博士の母・シカさんが一所懸命に書いた葉書の写真とこんな文章が載っていた。

 シカさんは、農作業の傍ら45歳から産婆を営んでいたが、免許が義務付けられた際に満足な読み書きができなかったという。 
 そこで、近所の寺の住職に頼み込んで

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自由にはみ出して描けるか

自由にはみ出して描けるか

少し涙目になってしまった。

幼稚園受験の子のクラスに縁があり、私に自由に表現する絵画の時間が割り当てられた。
自由にクレパスでぐるぐる描いて、その上から絵の具を塗り、それを切ってクリスマスのモミの木を作る課題だった。

大きな画用紙に
「クレパスで自由にぐるぐる描いてね!」
と言ったら、画用紙の端に枠線を描き、その内側をクレパスで塗りはじめた。

枠の通りになぞって塗って、中をはみ出さないように

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Kiener バースディ ブック

Kiener バースディ ブック

大切にしている、スイス Kiener社のバースディ ブック。
10センチ×7.5センチ×3.5センチの小さな木箱。
中には、本が。1つ1つ子どもに伝えたいメッセージが、可愛い絵とともに木に描かれています。

蝶々の蓋を開けると、赤ちゃんが・・・。

生まれてから、育つ過程が描かれています。

今は、こんなふうに性別をはっきりと分けてしまっていいのか、
わかりませんが・・・。

誰もが、愛されるべき

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素敵な宿題

素敵な宿題

「今日の宿題をこれから言う。
 桜の花びらを、お母さんに届けること。」

男子校の数学の先生が、こんなロマンティックな宿題を出してくれた。
入学して、すぐのことだった。
難問を解かせるので有名な先生の宿題。

帰ってくるなり、
「はい。これ、あげる。宿題だよ!」

手のひらにのっていたのは、桜の花だった。
理由が何であれ息子に桜の花びらをもらうなんて、嬉しいに決まっている。

「これって、母がどう

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Santa Maria

Santa Maria

静かな佇まいの聖母子像。
マリア様が愛おしそうに、頬擦りをされているように見える。
やさしいお顔をしている。

他界した母の古い友人である、木版画家の藤田叔子さんが、娘が生まれた時に贈ってくださったものだ。

似たトーンの薄いブルーの壁にかけてある。
薄緑色の背景に、赤の衣。

クリスマスカラーの赤と緑。

赤は、キリストが流した血の色であり、愛と寛大さを、
緑は、永遠の命を象徴しているという。

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王様とわたし

王様とわたし

私の『宝物』。

娘が幼稚園で作ってきた、「裸の王様」と「わたし」。

裸の王様のお腹の出っ張り具合いが絶妙で、

褒めまくってしまった。

横向きは、ダンスしているよう。

反対向き。

後ろ向きがもっと好き!

この角度がフォークダンスしているみたいで、後ろ向きに飾る日もある。

何だか楽しそうな、王様!

飾っておきたいけれど、壊れるのもいやなので、

たまに出して、並べて喜ぶ。

もう一度

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