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株式会社Waseiを退職し、スポーツ記者になりました
タイトルの通り、株式会社Waseiを退職し、スポーツ紙の新聞記者になりました。画像は、去年12月の『灯台もと暮らし』合宿で小松崎編集長が撮ってくれた写真です(@茅ヶ崎の海)。
2月から、スポーツ報知 東北支局で記者をしています。拠点も東京から仙台へと移し、新天地で新生活を始めています。
この3年間、ウェブメディア『灯台もと暮らし』はじめ、いろんな媒体で執筆・編集をさせてもらいました。「取材して
ハッピーエンドってなんだろう
人生は素晴らしいものなのか、ただ悲しいものなのか。
主人公は考えるんだけど、最終的に「それは分からない」と、曖昧な結論を出していて。
でも、そこにいたるまでの過程や見せ方で、「分からないということは別に悲しいものじゃないし、むしろ分からないまま、焦らずに置いておくこともいいんじゃないか」って教えてくれる。
これは、友人による映画『フォレスト・ガンプ』の紹介文。さっきLINEで送られてきた。
【2/17】COMITIA127で「女同士の愛」をテーマにした短編集を出します。
創作メルティングポッドこと創メルは、2月17日に開催される「COMITIA127」に短編集を出展します。
会場は、東京ビッグサイト西1・2・3ホール。私たちのブースは「て50b」です。
※過去の創メルの活動はこちら
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今回の短編集、テーマは「女同士の愛」。百合です。
タイトルは、『Les cinq “S”(5人の “S”)』。今回は愛がひとつのテーマということで、アムールの国の母語
「才能」と「高校野球」をテーマに小説を書こうと思った理由【創作メルティングポッド#03】
才能について書こうと思ったのは、何か強烈なエピソードや原体験があったからというのではなく、ただなんとなくずっと、才能というものを意識して生きてきた自分がいることに気づいたから、という理由からでした。
思春期のほとんどが「才能」というものに悩まされてきたからか、呪いにかかったかのように「才能」に敏感に生きてきたように思います。
私の第一次青春は、地元にいた頃の「ソフトボール」でした。そして、才能
あたらしい創作チームのカタチ【創作メルティングポッド#00】(全文公開)
今から約半年ほど前、ひょんなことから「オリジナル文学作品をつくるチーム」が立ち上がりました。
チーム名は『創作メルティングポッド』。
創作メルティングポッドは、小説、エッセイ、評論などジャンル問わず、メンバーが作りたい文学作品をつくるチームです。
メンバーは、ウェブ編集者の私・ミキオサナイと、ブロガー&ライターのチェコ好き、PRコンサルのよぴこと、ネット文学者・あとーす、地域おこし協力隊員兼
見えない壁にもパンチは効いている【野球に学ぶ#01】
「もしかしたら、逆転するかもしれない」。
試合も終盤。2点を追いかける福岡ソフトバンクホークスを観てそう思ったのは、電光掲示板にヒット数「10」という数字を見たときだった。
予感は当たる。8回表、ホークスの攻撃はノーアウトでランナーが出て、続く中村がヒットでノーアウトランナー1・3塁。続く長谷川選手が犠牲フライを打って、まずは1点を返す。そして9回、今度は1点を追うホークスがまたもやポテンヒッ
スポーツはありふれた日常にシナジーする【野球に学ぶ#00】
スポーツの価値ってなんだろう?ということを、ここ最近はずっと考えていた。
学生時代は体育の授業が嫌いだった。私自身は子どもの頃からずっとソフトボールクラブと陸上のクラブに通っていたこともあって、体育の授業は苦労せず、むしろ得意としている方だった。それでも体育が嫌いだったのは、自分が好きなスポーツが、「誰もが平等に楽しめるものになっていない」ことが悲しかったから。運動神経が良くないというだけの優し
【スワローズ☆ガールズデーレポ】野球を観に来ているからこそ、アフターサービスがほしい
「ヤクルトのガールズデーに行きませんか?」とNFB(日本女子野球機構)の発案者であるこまみちゃんに誘われたのはニヶ月前のこと。
こまみちゃんとは同年代で、野球好きであることは知っていたので、お声がけをもらったときは正直とっても嬉しかった。こまみちゃんは現在社会人チームで野球をしている私を現役野球女子として、ガールズデーに誘ってくれたらしい。
お誘いには二つ返事で「行きます!」と即答したけれども
二度と会えないことは、喪失ではない
ニ度と会えない人を思い浮かべると、チクリと胸が痛むのか、じんわりと心が温かくなるのか。私は前者だった、随分大人になって『スタンド・バイ・ミー』を見かえすまで。これは、二度と会えない人を心の中に持つ人に向けて書いている。つまり私自身に向けて、書いている。
二度と会えないひとって、じつはこれまで出会ったひとの数の大半がそれに当てはまる。小中高で知り合った人が100人いたとしても、死ぬまでにもう一度会
歳を重ねたから美しい、という生き方
ドラッグストアの化粧品売り場には決まって、アンチエイジング商品と広告がある。
「本当に50歳?」とか「マイナス5歳肌」とか当たり前のように謳うコピーの中で生きてきたからか、「歳を重ねても若々しい外見でいなければいけない」という固定観念がいつのまにか体に染み込んでいた。歳を重ねても綺麗な女性として思い浮かぶのは小泉今日子さん。他にも綺麗な女優さんはたくさんいるのに、私はなぜだか彼女が最初に思い浮か
オチのない話を聞かせて
身近なひとのオチのない話ほど、嬉しいものはないなぁと思う。
オチのない話について考えたのは、つい最近のことだった。それまで私は、オチのない話よりはオチのある話の方が、人間関係の距離に関わらず、求められているものだと思っていた。
そんな私がついオチのない話を友人にしてしまったのは、平日の深夜のこと。
「ごめん。今の話オチなかったね」と返答を待つより先に、謝罪の言葉が出た。そこには私の、オチのな
リアルなものを抱きしめて生きる
アスファルトを眺めていた。東京のど真ん中でアスファルトを眺めながら、脳裏に描くのは実家のある秋田の風景。そこにある「おばあちゃんのお墓」を思い浮かべては、「このアスファルトは彼女の眠る霊園まで続いているのだろうか」と考えていた。
よく遠恋中のカップルが「私たちはこの空でつなっがている」と言い合ってお互い別々の場所で夜空を見上げる、みたいなシーンがある。あれはなにを確かめていたんだろう。ふたりの距
ロマンチックと、クリスマスキャロル
彼女が電車で読んでいた本、季節外れの『クリスマスキャロル』。ディケンズが好き、自分の心に従う勇気のある彼。彼女によく似ているのは、主人公のスクルージおじさんの方、愛を諦めてふてくされる彼女に。
隣に男の人が座った。新小岩駅で、その人は彼女の隣に座るやいなや「あ」と小さく声をあげた。驚いて思わず彼の顔を見やれば、ごそごそとバックを漁りB5の文庫本を取り出した。「僕も好きです」。真っ白な歯をのぞかせ