仲 美海

劇団4ドル50セント

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記事一覧

美術鑑定士・安斎洋人 「鳥獣戯画」空白の絵巻 / 中村 啓

少しお久しぶりになってしまいました。 私にサボり癖があるのがバレますね。 あ、もう知られてるか。汗 この本は知り合いの人に薦められて読んだものです。 その方の説明…

仲 美海
10か月前
4

放課後 / 東野 圭吾

この本、舞台「六番目の小夜子」の小道具で使われていて、私が本を読むシーンがあるんですけど、その時にじみーに読み進めてゲネプロのときには読み終わってしまいました。…

仲 美海
2年前
14

ざんねんなスパイ / 一條 次郎

カオス。 こんなにも頭がぐちゃぐちゃになる小説は初めて。 次から次へと色々なことが起きて話が進んで、しかもそれが全部ふざけとって、ずっとパニック状態。 一言一言…

仲 美海
2年前
9

武士道シックスティーン / 誉田 哲也

なんだろうか。 スッキリとまではしてないけど、モヤモヤはなくなった気がする。 勝つとか、負けるとか、。オンリーワンだと歌われてる世の中で、オンリーワンはナンバー…

仲 美海
3年前
10

人間椅子 / 江戸川乱歩

江戸川乱歩が生きていた時代なんて、私からしたらとおーいとおい昔だっていうイメージがありました。 それはもう、皆さんが想像してる以上に、です。 それがこんなに近く…

仲 美海
3年前
15

サブマリン / 伊坂 幸太郎

ベッドの下で集まる埃を見つけるときはいつも眠たいか、だるいか、動きたくないときか。 前見つけたときとなにも変わってないしな。増えたわけでもないし、今してもどうせ…

仲 美海
4年前
20

チルドレン / 伊坂 幸太郎

最近携帯を触る時は、ブルーライトカットの眼鏡をするようにしている。 つけたからといってなんの変化も感じられないのだけれど、気持ち的になんとなく。 眼鏡って、どん…

仲 美海
4年前
13

豆の上で眠る / 湊 かなえ

寝ているふりをたまにしたくなる。 いつもは眠たいけど、寝ているふりをしているときは全く眠くならない。 けど、あっという間に時間が過ぎて本当は少し寝ていたんじゃな…

仲 美海
4年前
13

できそこないの男たち / 福岡 伸一

正直に言おう。 全然分からなかった。 はじめのほうは多少理解できていたんだけど、半分まで差し掛かるともうなんのこっちゃですよ。 でも悔しいから少しおいてまた読み…

仲 美海
4年前
20

空の飛びかた / ゼバスティアン・メッシェンモーザー

寒い日に分厚いコートと柔らかいマフラーを巻いて、花束を持って自転車で走る人。 その人にとっての日常が羨ましく思えた。 昔からなあなあと考えて、思って、生きてきて…

仲 美海
4年前
21

デミアン / ヘルマン・ヘッセ

散歩がすき。 明るい道も暗い道もよく歩く。 特別空気を感じるわけでも注意深く色んなものを探すわけでもなく、ただ歩く。 何も考えず感じていない、と勘違いできる時間…

仲 美海
4年前
23

さよならニルヴァーナ / 窪 美澄

たまに、私は頻繁に訪れるのだが、体に悪いものを目一杯食べたくなるときがある。 ドラッグストアで二つのカップラーメンと二つの菓子パンを買う。安い。 お湯を沸かし始…

仲 美海
4年前
17

林檎の樹 / ゴールズワージー

知らない時代、知らない場所で、知らない植物がたくさん生えていて、知らない鳴き声が空気を掠め、知らない香りが漂い、知らない言葉で溢れていて、知らない気分に酔いしれ…

仲 美海
4年前
17

生命式 / 村田 沙耶香

スラスラと体に入っていく。 想像せずとも寒慄を覚える内容だが、身近で美しい言葉の羅列に違和感は皆無だ。 生命、内蔵、感情、あらゆる人の面を弄りそっと仕舞う文章の…

仲 美海
4年前
19

夜のくもざる / 村上 春樹

クマったもんだ。 これは面白いぞ。 読み終わったあと声に出してしまった。 「面白い。」 柿喰う客の中屋敷さんが面白いよと教えてくれて、本屋さんで探した甲斐があり…

仲 美海
4年前
14

凍花 / 斉木 香津

難しい言葉も、知らない言葉も、かっこいい言葉もない本は珍しい。 柚香から直接話を聴いている感覚に嵌った。 仲の良い3姉妹だったが、長女が次女を殺害した。 残された…

仲 美海
4年前
15

美術鑑定士・安斎洋人 「鳥獣戯画」空白の絵巻 / 中村 啓

少しお久しぶりになってしまいました。
私にサボり癖があるのがバレますね。
あ、もう知られてるか。汗

この本は知り合いの人に薦められて読んだものです。
その方の説明がとても面白く、期待大で読み始めたのですが、読み進めれば進めるほどその期待を超えていきました。

私が小説の中で1番好きなのはミステリーです。
飽き性な私にとって、飽きずに読み進められるものだからです。
今回も飽きずにあっという間に読み

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放課後 / 東野 圭吾

この本、舞台「六番目の小夜子」の小道具で使われていて、私が本を読むシーンがあるんですけど、その時にじみーに読み進めてゲネプロのときには読み終わってしまいました。笑

面白くて面白くて!

東野圭吾さんの本を読むのは、実は初めてなんですけど、これはハマりますね。

300ページもない感じがするぐらい、あっという間に読み終わっちゃいました。

主人公の教師が誰かから命を狙われるところから始まって、ある

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ざんねんなスパイ / 一條 次郎

カオス。

こんなにも頭がぐちゃぐちゃになる小説は初めて。

次から次へと色々なことが起きて話が進んで、しかもそれが全部ふざけとって、ずっとパニック状態。

一言一言、一文一文がいちいち面白くてハマっちゃう。

これを映像や舞台にしたら面白そうなんて想像までしながら読んじゃった。

やけど小説やけんこそ面白いのかもしれん。

人の頭の中で想像するからこその面白さ。

あ、ああ!

なんかに似とるな

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武士道シックスティーン / 誉田 哲也

なんだろうか。

スッキリとまではしてないけど、モヤモヤはなくなった気がする。

勝つとか、負けるとか、。オンリーワンだと歌われてる世の中で、オンリーワンはナンバーワンだと叫ぶ人が沢山いる。

そしてみんないつの間にか、オンリーワンとナンバーワンは同じものだと錯覚する。

私はいつだってオンリーワンになりたいと思っていた。いやでも、生きている時点でオンリーワンじゃないのか?

ほらね。こんな風に。

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人間椅子 / 江戸川乱歩

江戸川乱歩が生きていた時代なんて、私からしたらとおーいとおい昔だっていうイメージがありました。

それはもう、皆さんが想像してる以上に、です。

それがこんなに近くに感じたのは意外でした。

いつも使っている言葉と、普段使わない、でも少しだけ聞き慣れた言葉がうまく、心地よく目に入ってきました。

そしてその心地よさの中に、それとは全く違う、おぞおぞした、ムカデが私の体に這いつくばってモゾモゾ動いて

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サブマリン / 伊坂 幸太郎

ベッドの下で集まる埃を見つけるときはいつも眠たいか、だるいか、動きたくないときか。

前見つけたときとなにも変わってないしな。増えたわけでもないし、今してもどうせ増えるだろうしなんて言い訳が次々と私の頭の中を通過していく。

ベッドの下の埃ってそういうものだよな。

そもそもベッドの下の埃のことを考える時間がもったいないよな。でちゃちゃっと掃除をすればいいものの、案の定知らんぷりを極める。

ベッ

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チルドレン / 伊坂 幸太郎

最近携帯を触る時は、ブルーライトカットの眼鏡をするようにしている。

つけたからといってなんの変化も感じられないのだけれど、気持ち的になんとなく。

眼鏡って、どんなに綺麗に拭いても、外したほうが綺麗に見えるんですよねー。

たぶんそう思うだけなのかもしれないけど、でも、そう考えるとやっぱり、心の持ちようで捉え方や感じ方も変わってくるんだなと思う。

自分が思っているよりも、感情というのは大部分を

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豆の上で眠る / 湊 かなえ

寝ているふりをたまにしたくなる。

いつもは眠たいけど、寝ているふりをしているときは全く眠くならない。

けど、あっという間に時間が過ぎて本当は少し寝ていたんじゃないのかな、と思う。

寝ているふりをしているときはたいてい口を開きたくないときだ。

そう、今まさしくそうなのだ。

まあこの場合書かなければいい話なのだが、。

んー、なんか、正直言うと、あんまり面白くなかったです。私はね。

ある程

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できそこないの男たち / 福岡 伸一

正直に言おう。

全然分からなかった。

はじめのほうは多少理解できていたんだけど、半分まで差し掛かるともうなんのこっちゃですよ。

でも悔しいから少しおいてまた読みます。

理科を避け続けた罰かもしれない、。

だって苦手なんだもーん。

生物が一番ましだったけど、それでもだった。

でも概要はなんとなく掴めました。

専門用語?の羅列で文字を追うだけのところもあったけど、大体はね、そりゃあ。

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空の飛びかた / ゼバスティアン・メッシェンモーザー

寒い日に分厚いコートと柔らかいマフラーを巻いて、花束を持って自転車で走る人。

その人にとっての日常が羨ましく思えた。

昔からなあなあと考えて、思って、生きてきて感じるのは、他の人の人生を私が生きるとどうなるんだろう、ということ。

あんなに一つのことやものを好きになれるのは、どういう感覚なのだろう。

想像はできても、私の日常では感じられないものだということが分かるだけだった。

これからもそ

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デミアン / ヘルマン・ヘッセ

散歩がすき。

明るい道も暗い道もよく歩く。

特別空気を感じるわけでも注意深く色んなものを探すわけでもなく、ただ歩く。

何も考えず感じていない、と勘違いできる時間がすきだ。

たまに花を見つけるときがある。

いい子は寝る時間に見つけた一輪の綺麗な花。

と思ったらもう一輪あるんかーい。

そこにもかしこにも。

自分では気づかないうちに、いつの間にかその花しか見ていなかった。見えていなかった

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さよならニルヴァーナ / 窪 美澄

たまに、私は頻繁に訪れるのだが、体に悪いものを目一杯食べたくなるときがある。

ドラッグストアで二つのカップラーメンと二つの菓子パンを買う。安い。

お湯を沸かし始める、午後十一時。

まず一つ目の菓子パンを口にする。その間にカップラーメン二つを一気に作ってしまう。

どちらも一つ目は十分もしない内に食べ終わる。楽勝。

二つ目のカップラーメンに飽きた頃に二つ目の菓子パンを爪の大きさだけ齧る。きつ

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林檎の樹 / ゴールズワージー

知らない時代、知らない場所で、知らない植物がたくさん生えていて、知らない鳴き声が空気を掠め、知らない香りが漂い、知らない言葉で溢れていて、知らない気分に酔いしれる。

全て"知らない"ことなのに、私の頭の中ではキラキラと輝くこなが、ほんの少しの風で舞う様子が鮮明に描き出される。

清く美しく、そして儚く。

白い湯気に甘さが匂い立つハチミツ湯に、少しの生姜がピリリと辛い。

秘密の花園を思わせるほ

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生命式 / 村田 沙耶香

スラスラと体に入っていく。

想像せずとも寒慄を覚える内容だが、身近で美しい言葉の羅列に違和感は皆無だ。

生命、内蔵、感情、あらゆる人の面を弄りそっと仕舞う文章の仕草にいつの間にかうっとりしてしまう。

それは本を開く度に襲う。その快感を求め何度も道草をしてしまうだろう。

次第にこの本の分厚さや重さにも慣れて物足りなさすら感じてくるに違いない。

このような刺激はそう簡単に出会えるものではない

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夜のくもざる / 村上 春樹

クマったもんだ。

これは面白いぞ。

読み終わったあと声に出してしまった。

「面白い。」

柿喰う客の中屋敷さんが面白いよと教えてくれて、本屋さんで探した甲斐がありました。

どれもこれも口がポカーンと開くぐらいぶっ飛んでいて、想像力を掻き立てられました。

村上さんでは珍しい短篇(超短篇)で、長篇より濃度が高くて埋もれそうになりました。

なんか中屋敷さんワールドに似ていて終始ワックワクして

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凍花 / 斉木 香津

難しい言葉も、知らない言葉も、かっこいい言葉もない本は珍しい。

柚香から直接話を聴いている感覚に嵌った。

仲の良い3姉妹だったが、長女が次女を殺害した。 残された長女の日記を手にした三女は、その動機を探る。 人の本心はどこまで知ったほうがいいのか。 知りたいけれど、知らないままでいたほうが幸せなのかもしれない。 ある家族をめぐる慟哭のミステリー。あらすじ(ウラスジ引用)

かなり焦らされた。

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