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創造の深淵からこんにちは

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色々な詩や短編小説などです。
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#精神

エレクトロニック パレード

エレクトロニック パレード

いっけん無秩序に見えますよね?
ふふ。そうなんですが、ここは完璧に管理された法則性によって動いているんですよ。
私たちも、最初はとても驚きました。
この膨大なとても把握しきれないようなパターンが完璧に管理されているんです。
どうぞ心ゆくまで楽しんでくださいね。

そう言って、ガイドの声は切れた。

ここの世界はとても例えられない。
例えてしまうと、それが途端に凡庸な味気ない世界へと、急降下しながら

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夢くじらの回游

夢くじらの回游

ほら、みて。
やっと来た。
ずうっと待ってた甲斐があったね。
ねぇ、あの雨にうたれに行こうよ。
さぞ やわらかぁい音がして、
きっと すごぉくいい香りがするんだよ。

いいよ。
行こう。
あの雨にうたれたら
きっともう
ここへは
還ってこられないかも
しれないけれど。

それでも、いいの。
あの雨にうたれたら
はじまるの。
はじまるんだよ。
こんなにわくわくすることって
他にないじゃない。

そう

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Concentration

Concentration

集中すればするほど、この神経が衰弱していくのは、それほど僕が君と向き合う時間をナーバスなものにしているからだと思う。

頭の中で自動的に記憶されていく数々の君の残像を、僕は都合よく解釈しないように、出来るだけ正確に。

君の引く手札と同じカードを自分は一体どこまで記憶することが出来るのか。

何度目かの失敗でゲームオーバーを迎える、その前に、僕はすべてを記憶する。

正解が、いつも君の気分次第で変

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雌雄同体・夜中歌華

雌雄同体・夜中歌華

ながい。

ながい、ながい。

嗚呼、永い。

ぐにゃりぐにゃりと

繰り返される白濁と暗鬱の明暗意識。

足どりはふらつき、この真っ暗な世界で

どれくらい彷徨っているのだろうか。

遠くのほうに幽かに灯る外灯は

いまにも消えてしまいそうで。

緩やかに栄える易しいはずの

この坂道の

ほんのすこしの傾斜たちが

確実にこの身の生命を削っている。

何処にむかっているのかもわからず

何故こ

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Liberal

Liberal

その先端を見つめなさい。触れてみなさい。

そして根元を見つめなさい。触れてみなさい。

その先端を支配したくば、根元を動かしなさい。

内転しておれば、狭き道が深みへと。

外転させれば、壮大な世界が汝を待ち受けよう。

動かして、動かして、調整は世の常と。

管理と支配を放棄し、他人に赦すものは、

その回転力を失うのだ。

宇宙は、そのように。

回転をとめることは、内在宇宙の死を招こうぞ。

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邂逅の仕組み

邂逅の仕組み

始まりは、始まっていると認識したときから、もはや随分と時を経ていたのだと自覚するだろう。

其れで落胆することは無い。始まりは、何時の時も始まりであって、結合を解くならば、明滅するほんの微細な滴にすぎない。

滴をかき集めて其処になにを見ようとも、自由であると我々は、刻まれている記憶を頼りに大海を見る。砂上の楼閣でも善かろうと、そこに許可を出すのが諸行無常。

隣人が息衝くのを感じなさい。同じ結合

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言い訳

言い訳

言い訳をしようか。

私は、私を高める為にしか生きていない。

以前、私の尊敬するある方が、自己を高めたいならば、まずそういった相手を探すべきだ、というようなことを書かれていた。

これは、まさにそうで、私は、

「今より更なる高みへ」

「未だ見ぬ、自分という可能性」

これを、【知りたい】という、人間が持つ原始的かつ本能的なもっとも純粋な【叡智】の為に生きている。

しかし、その為には、常に、

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