エッセイ&コラム(あっさり)

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ノート

狸小路の映画館を探して

週末、富良野塾の後輩たちの芝居を観るため、久しぶりに札幌へ行った。
いつ以来なのか、思い出せない。卒塾した翌年と翌々年に続けて2回訪れたが、もしかするとそれ以来かもしれない。
駅に降り立った瞬間から、進化した札幌は別世界のようで、見知らぬ街に放り込まれたようだった。ほんとうにここは札幌かと、とくに地下通路の発展ぶりには目を瞠るものがあった。歩いて10分ほどかかるホテルの入り口まで続いている。滑って

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富良野みやげ

昨日の夕方、東京に帰ってきた。
荷物を解きながら、ついつい買いすぎてしまった土産物たちを並べる。

卒塾以来、何度となく富良野に戻っているけれど、こんなにお土産を買ったのは初めてだ。

今回は新しくできた店や商業施設にも足を運ぶことができたからか、富良野の街自体が昔より随分と「洗練」されたなあと感じた。

△とても素敵な『富良野マルシェ』。

オシャレな店が格段に増え、魅力的な商品がたくさん並んで

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雪に負けたわたし

春分の日の今日。東京に雪が降った。
3月下旬に降るのは、32年ぶりのことだという。

富良野から帰ったら、コートを脱ぐ陽気だろうと思っていたが、東京のほうが肌寒いくらいだ。
気温は向こうほど低くないのに、寒く感じる。都会の雪は冷たすぎる。じめじめと重い。

そんな雪のせいか身体まで重く、寒気がしたので、今日は予定を変更し、家で大人しく過ごすことに。
本来なら天王洲で応援するはずだったブラインドサッ

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バレンタインデー 2018

夫はチョコレートが好きである。
わたしもチョコレートは好きである。
それなりに、ほどほどに。

だからこの時期、デパートで繰り広げられるチョコレートフェアに足を運んで大人買いをするほど熱狂的でもないけれど、バレンタインの限定チョコは一応買ってみたいし食べてみたい。

そこで、今年はこのチョコレートを。
夫へのプレゼントとして。もちろんわたしも味見させて頂くつもりで(笑)

じつはこのピンクの箱、か

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梅とワイン

連休中日の日曜日。
わりとお天気も良く、寒さも和らいでいたので、夫婦で都内をよく歩いた。

まずは羽根木公園の『世田谷梅まつり』へ。
様々な種類の梅が咲き揃い、人々が賑わうこの梅まつりは1ヶ月ほど続く。

毎年わたしたちが訪れるのは、2月の初め。まつりの最初の週末あたりだから、梅はまだ見頃ではなく満開には少し早い。

「行こうよ」と誘うわたしに、夫はいつも「いいよ」と付き合ってくれるので、彼の好み

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想定外の出会い

きのう出掛けた帰り。
新宿の紀伊國屋書店に立ち寄った。

父に頼まれた数冊の歴史書(蘇我氏とか藤原氏とかの本)を買うためだったが、ここへ行くと必ず「想定外」の本を物色したくなる。

基本的に書籍はネットで購入することが多いので、ピンポイントで欲しい本をポチっとすることに慣れてしまった。それはそれでとても便利ではある。けれど本屋に立ち寄る機会がめっきり減ったので、「想定外」の本に出会えない。

ぷら

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クリームシチューが食べたくて

冬は、クリームシチューの美味しい季節。
子供の頃から大好物なのに、自宅で作るのはたぶん2回目だと思う。
新婚当初に作ったら、夫からまさかの「苦手なんだよね」発言があり、以来、わが家のメニューから消えてしまった。彼はホワイトソースがダメらしく、だからグラタンもクリームパスタも食卓に上げたことはない。夫婦ふたりの生活だし、わたしが食べたいときは外で食べようとあえて作らなかったのだが、先日唐突に「クリー

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道をそれる勇気

夕暮れ時。富士山に出会った。
自宅から歩いて数分の場所で、こんなに綺麗に顔を覗かせていたなんて。この街に10年以上住んでいるけれど、初めて見る景色だった。

じつは今日は、一度も行ったことのない近所のクリニックへ。最近、寒さが増すごとにひどくなる肩こりの相談をするために足を運んだのだが、住宅街にひっそりとあるそこは、普段よく通る大通りから少し脇道に外れた場所にあった。

診察を終えると日が暮れてい

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5日間の探しもの

2月1日から、新調した財布を使い始めている。

春(「張る」)財布という迷信を信じ、去年のうちに買い揃え、使う日を待っていた「長財布」と「小銭入れ」があった。しかしいざ使おうと思ったら、小銭入れがない。長財布と一緒に買ったので、同じ場所にしまっておいたはずなのに、忽然と消えてどこにも見つからなかった。そこで、仕方なく長財布だけ先に使い始めていた。

探しものは、無理に探さないことにしている。

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一陽来福

節分の今日。例年通り、豆まきをした。
夜、夫婦で玄関のドアを小さく開け、「鬼は外、福は内」と唱えつつ、一握りの豆を撒く。
消え入るような微かな声で。そーっと。

近所迷惑にならないように、と周りを気にするからだが、それ以上に気恥ずかしいせいもある。
子供のいない中年夫婦が、嬉々として豆まきに興じる姿を、誰か(とくに隣の奥さん)に見られるのは、なんだかちょっと恥ずかしい。

それでもわたしたちは、節

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