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今月のイチオシnoteクリエーター

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月末に1名、これぞ!というnoteクリエーターさんを表彰して1000円サポート&紹介するコーナーの候補作と受賞作たち。 心を揺さぶる名作として、世に広めたい!と思わされたnot… もっと読む
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#毎日更新

恋の証人。

恋の証人。

これは本当に起こったことかもしれないし、そうじゃないかもしれません。

「俺、宏美とも寝てるよ」
男が口にしたのは、わたしの憧れの女性の名前だった。

ちょっとだけ虚をつかれて、眠気がとんだ。
深夜3時までだらだらと抱きあって、わたしたちはまだ裸でベッドに寝そべっていた。さっきまで繋いでいたその手が、あの優しい女性の体にも触れていたなんて。

バイト先のバーで、わたしが働き始めるよりもずぅっと昔に

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浴びる言葉って大事すぎる

浴びる言葉って大事すぎる

大学時代、アメリカ人の
教授がこんなお話をしていた。

A、B、C 3人の
バスケットボール選手がいるとする。

彼らは出来るだけ沢山のシュートを
時間内に決めようとしている。

A選手がゴールめがけてボールを投げるとき
大勢の観客はポジティブな言葉をかけた。

「A!君ならできる!きっとできる!」

シュートが入ったら皆で喜ぶ。

「すごい、その調子!天才だよ!」

一方、B選手には何も言わなか

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夜に住む子供たち

夜に住む子供たち

「おっさんのオナニー見るだけで1万もらえるんだけどさ。一緒にやらない? めっちゃ稼げるよ」
騒がしい教室で、同級生のKは昼食のパンを齧りながら言った。
15歳だった。

「ごめんごめん、イチコはそういうのやらないもんね」
答えに詰まる私に、Kは笑ってそう言った。

ススキノから徒歩圏内の学校で、こういう類の話は日常的に流れてきた。

年齢をごまかしてニュークラブ(他県でいうキャバクラ)で学費を稼ぐ

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あなたとまた、ふたりで。

あなたとまた、ふたりで。

「恋の始まりは、オオゼキでした。」

30歳もとっくに過ぎ、周りの人たちが次々と結婚していく中、私は少し焦っていた。女ばかりの職場で出会いもなく、好きなアイドルに夢中で結婚とは程遠い。
そろそろアラサーとも呼べないお年頃だし、そりゃ焦りだって出てくるってなもんで。

ランチ後の満腹眠気と闘いながらパソコンの数字とにらめっこしていると、ポケットの中でケータイが震えた。昼間に連絡してくるのはようこだな

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下書きばかりの人生も悪くない

下書きばかりの人生も悪くない

noteの下書きを確認したら45個ほどあった。

完成しているものもあったし、途中まで書いてあるのもある。中にはタイトルだけものもある。

以前はエディタで下書きすることが多かったが、最近はnoteに直接書くスタイルに変更した。noteでどう表示されるのかを見ながら書きたいからである。

書きたいと思ったことはまずタイトルだけ書いて下書き保存する。すぐに続きを書くこともあるが、書けないこともある。

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