Good Poetic Service

本業が忙しくなってきたので、しばらくお休みいたします。たまに思い出したようにぽつぽつと…

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本業が忙しくなってきたので、しばらくお休みいたします。たまに思い出したようにぽつぽつと詩を載せるかもしれませんが、毎日投稿、今は難しい。必ず復活しますので、その時はまた宜しくお願いいたします。

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  • 気持ちの良い朝みたいに未完成な詩

    これらの詩の完成度を高めて詩集に出来たら良いと思います。

記事一覧

固定された記事

『詩人の落とし物』

よく晴れた冬の午後だった 公園の落ち葉の上に 詩人の落とし物 バス停に立っていた黒いコートは 詩人だったのか 自転車で走り去った あの女性が 詩人だったのか 子供と…

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『私という2人』

私は2人いる 1人目は 9月の午後の陽射しの中で あなたに微笑んで 髪をかきあげている もう2人目は 薄っぺらいTVの先に ぼさぼさの頭で 地獄を見ている どちらも私である…

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『Mr The End』

Mr The End もう終わりだね 秋が過ぎ長い冬が来てしまった いつの間にか影が 僕らよりも 背を伸ばしてしまった 新調のシャツは汚れ 裾は短くなり ネクタイはぶら下がっ…

『日曜日は透明』

日曜日は透明だ 月曜日は 月の光とともに青白く始まり 火曜日は 赤く燃え上がる 水曜日は 燃え上がった炎と折り合いをつけて 木曜日は 焼かれた大地に緑が生える 金曜…

『静かな街』

私が住む街は どこまで行っても 静かだ 子供が泣いていても 静かな街 老人が困っていても 静かな街 男が女を殴っても その音は誰にも聞こえない どこまで行っても静か…

『みんなが聴かない曲』

みんなが聴かない曲を ひとり聴きながら歩いている 人が聴かない曲を あえて聴きたいわけじゃない ただ気持ちが踊る曲が みんなが聴かない曲なのだ 昨日も 今日も 明日…

『昔 有名だった人』

これから春になるというのに つまらなそうな顔をして 木漏れ日の中 一息ついている あの人は昔 有名だった 今は ほとんど誰にも気づかれないぐらい 顔も形も変わって…

『本当なのか』

本当なのか? 鳥の一匹一匹が生きているということ 草花が生きているということ 青空の先には 僕の生きれられない 黒い宇宙が存在するということ 俺の心臓は確かに鼓動し…

『雨上がりの夜 もう一つの世界』

人々が 足速に家路についた後の 雨上がりの夜 忘れられた 黄色い傘が 黒い静寂の中に 開いたまま 水たまりの先に もう一つの世界が広がっているのを あなたも知っている …

『愛していると言えない私たち』

"I love you"も言いにくいけれど ”愛している”よりは言いやすい どうして僕らは 最も大切な言葉を胸に秘めて 暮らすのだろうか 一生の中で 一度も使うことなく ごまか…

『夜に会いましょう』

夜が好きさ 人生に生き急ぐ僕を 優しくなだめてくれるから 一方で 僕の心を解放してくれるから それに 罪深い僕を 少しの間だけ 隠してくれるから そういえば 僕らは …

『パートタイムヴァンパイア』

TVを消して くたびれたソファと ほとんど同期していた疲れた体を なんとか引き起こして ズボンのチャックを閉めたら 夜のドライブに行こうか って言ったところで 別に何が…

『向こう岸の私』

私は本当に 私なのだろうか? いつまで経っても 誰かと並走している感じがして たまに私のすぐ側まで 向こう岸の私が近づいてきて 私たちはほとんど一緒になるけれど そ…

『モダンティータイム』

昨日の世紀末的なニュースが 頭の隅にあるまま雑踏を抜け 下品な匂いが鼻をつく 裏通りの細い道に入ると 地下に降りる階段があって 世間から隠れるように あの喫茶店が…

『春を呼ぶ風』

いつかのような 春を呼ぶ風が 吹いているけれど お前は あの時の春の風だね? 冬の寒さに傷つけられた私を 暖かく包んでくれた あの時の風か お前に励まされて 生きて…

『俺がまだグーニーズだった頃』

俺がまだグーニーズだった頃 俺には友達がいた そう こんな俺にも友達がいたんだ 女とか金は要らなかった 友達さえいれば良かった スロースと遊びたいだけ遊んで笑い 眠…

『詩人の落とし物』

よく晴れた冬の午後だった
公園の落ち葉の上に
詩人の落とし物

バス停に立っていた黒いコートは
詩人だったのか
自転車で走り去った あの女性が
詩人だったのか
子供とキャッチボールをしていたあのお父さんこそ
詩人だったのか

とにかく詩人は
風に吹かれて
どこかへ消えた

残されたのは
詩人の落とし物

交番へ持っていけば
受け取ってくれるだろうか
あるいは
このままそっとしておけば
いつか詩

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『私という2人』

私は2人いる
1人目は
9月の午後の陽射しの中で
あなたに微笑んで
髪をかきあげている

もう2人目は
薄っぺらいTVの先に
ぼさぼさの頭で
地獄を見ている

どちらも私であるけれど
引き裂かれることはなく
朝は希望と共に起き
夜は絶望と共に暗闇を見つめる

『Mr The End』

『Mr The End』

Mr The End
もう終わりだね

秋が過ぎ長い冬が来てしまった

いつの間にか影が
僕らよりも
背を伸ばしてしまった

新調のシャツは汚れ
裾は短くなり
ネクタイはぶら下がったまま

Mr The End
君と笑い合った夏が何度終わっても
君のこと決して忘れない

Mr The End
君はいつだって
あらゆる事の終わりを知っている
優しい奴だった

Mr The End
落ち着かない

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『日曜日は透明』

日曜日は透明だ

月曜日は
月の光とともに青白く始まり

火曜日は
赤く燃え上がる

水曜日は
燃え上がった炎と折り合いをつけて

木曜日は
焼かれた大地に緑が生える

金曜日は
人生の黄金に包まれ

土曜日は
母なる大地に帰る

だから
やっぱり
日曜日は透明だ

ほとんどの人間は
透明の安らぎを求めて今日を生きる

『静かな街』

私が住む街は
どこまで行っても
静かだ

子供が泣いていても
静かな街

老人が困っていても
静かな街

男が女を殴っても
その音は誰にも聞こえない

どこまで行っても静かな


どれだけ中学生がエレキギターを
爆音で鳴らしても

どれだけ引きこもりが
アクセルを踏んでも

どれだけ私が叫んだとしても
まるで星空が
全てを吸い込むように
静かだ

今日もオスプレイが
飛んでいる

『みんなが聴かない曲』

みんなが聴かない曲を
ひとり聴きながら歩いている

人が聴かない曲を
あえて聴きたいわけじゃない

ただ気持ちが踊る曲が
みんなが聴かない曲なのだ

昨日も
今日も
明日も

みんなが聴かない曲を
ひとり聴きながら歩いている

すれ違う人々が
白いワイアレスイアフォンの先で聴いている誰かの曲は
僕の心を決して踊らせはしない

音を聴かなくても
分かってしまうのだ

たまに見かけない異国の人に
どう

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『昔 有名だった人』

これから春になるというのに
つまらなそうな顔をして
木漏れ日の中 一息ついている
あの人は昔
有名だった

今は
ほとんど誰にも気づかれないぐらい
顔も形も変わってしまった
だけどたまに声をかけられると
嬉しそうな顔をする

そんなあの人と話す時
私は いつも緊張している

私と話すあの人の目をみていると
まるで自分が透明人間になってしまったかのような
そんな気分になるからだ

『本当なのか』

本当なのか?
鳥の一匹一匹が生きているということ
草花が生きているということ
青空の先には
僕の生きれられない
黒い宇宙が存在するということ

俺の心臓は確かに鼓動しているけれど
この曇り空
誰かも同じように
気分は晴れないままなのか?

あの子の笑顔を見たら
一瞬で幸せになれたけれど
本当に良いのかな
天気の日はそんなことを心配する

たとえ戦争がおきても
Wifiに繋がれば
24時間 幸せな映

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『雨上がりの夜 もう一つの世界』

人々が
足速に家路についた後の
雨上がりの夜

忘れられた
黄色い傘が
黒い静寂の中に
開いたまま

水たまりの先に
もう一つの世界が広がっているのを
あなたも知っている

喜びも
悲しみも
2倍になって
私は
一人ゆっくりと
家路につく

『愛していると言えない私たち』

"I love you"も言いにくいけれど
”愛している”よりは言いやすい

どうして僕らは
最も大切な言葉を胸に秘めて
暮らすのだろうか

一生の中で
一度も使うことなく
ごまかして
笑って

大切にしすぎて
忘れてしまうことも
あるだろう

世界はこんなにも
"I love you"で溢れているのに

『夜に会いましょう』

夜が好きさ

人生に生き急ぐ僕を
優しくなだめてくれるから

一方で
僕の心を解放してくれるから

それに
罪深い僕を
少しの間だけ
隠してくれるから

そういえば
僕らは
夜に出会った

僕らのどちらも
昼間には
ただ通り過ぎていく
歯車の一つだった

早く寝てしまうなんて
もったいない

また夜に
会いましょう

危険がゆえに

人生について考えさせてくれる

いや、ほとんど考えさせてくれない

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『パートタイムヴァンパイア』

TVを消して
くたびれたソファと
ほとんど同期していた疲れた体を
なんとか引き起こして
ズボンのチャックを閉めたら
夜のドライブに行こうか

って言ったところで
別に何が起こるわけでもない
まるで大きな牢獄に収監された気分
そんな僕は
コンビニ行く事ぐらいしか出来ない

我ら夜風と共に生き
朝陽とともに眠る民
青白き牙を抜かれたヴァンパイア

『向こう岸の私』

私は本当に
私なのだろうか?

いつまで経っても
誰かと並走している感じがして

たまに私のすぐ側まで
向こう岸の私が近づいてきて
私たちはほとんど一緒になるけれど

そんな時は
こんな事を考えられないぐらいに
私は無我夢中だ

だから
特別でもなんでもない火曜日に
向こうの私に聞いてみる

お前は私なのか?
あるいは
私がお前なのか?

あの時
友と笑い合ったのは
あの人を愛したのは
傷ついたの

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『モダンティータイム』

昨日の世紀末的なニュースが
頭の隅にあるまま雑踏を抜け

下品な匂いが鼻をつく
裏通りの細い道に入ると

地下に降りる階段があって
世間から隠れるように

あの喫茶店がある

そこで私はネクタイを緩め一息つく

ティーカップと
ソーサーが触れる時の
カチカチとした音が
響く

『春を呼ぶ風』

いつかのような

春を呼ぶ風が
吹いているけれど

お前は
あの時の春の風だね?

冬の寒さに傷つけられた私を
暖かく包んでくれた
あの時の風か

お前に励まされて
生きてこれたのに
お前の名前さえ聞いたことがなかった

街も人も自然も
あの頃とは変わってしまったけれど

わたしもまた
歳をとってさらに薄情になったけれど

お前は変わらず吹いてくれている

私もいつか
お前のように
春の訪れを

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『俺がまだグーニーズだった頃』

俺がまだグーニーズだった頃
俺には友達がいた
そう
こんな俺にも友達がいたんだ

女とか金は要らなかった
友達さえいれば良かった

スロースと遊びたいだけ遊んで笑い
眠りたくなったら寝るだけで良かった

ようやく大人になった
なんて
そんなありきたりな言い訳はするつもりなんて
さらさらなくて

俺がまだグーニーズだった頃は
世界は仲間とうまく回ってた
って事を言いたいんだ

女も金も無かったけれど

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